1) 石上享嗣,肥後盛洋,他.口腔扁平上皮癌におけるSCC抗原の有用性についての検討.日口外誌.2014 ; 60 : 407-15. 2) Rivera C, Oliveria AK, et al. Prognostic biomarkers in oral squamous cell carcinoma : A systematic review. 2017 ; 72 : 38-47.腫瘍マーカーについては,比較的古くよりその有用性が報告され,特にSCC抗原が臨床ではよく用いられている。SCC抗原の測定については,口腔癌のスクリーニングとしての意義は低いものの,再発・転移症例では,治療前のSCC抗原が高値を示すことが多いため,一次治療後SCC抗原を定期的に測定することは,再発・転移の予測に有効かもしれないと報告している1)。また,最近の口腔扁平上皮癌の予後と関連する腫瘍マーカーに関するsystematic reviewにおいて,38報の研究から41個の腫瘍マーカー候補が同定されているが,いずれも臨床における有用性は証明されていない。ただし,頭頸部癌全体では,HPVが中咽頭癌においてNCCNガイドラインでも治療方針を決める重要な腫瘍マーカーとして実臨床に用いられている2)。したがって,口腔癌の経過観察に腫瘍マーカーの使用の必要性を裏付ける強力な証拠はないものの,補助的因子として,SCC抗原をはじめとする各種腫瘍マーカーの変化を観察するのは有効かもしれない。参考文献 199口腔癌の経過観察に腫瘍マーカーの使用の必要性を裏付ける強力な証拠はないものの,補助的因子として,SCC抗原をはじめとする各種腫瘍マーカーの変化を観察するのは有効かもしれない。CQ54術後経過観察で腫瘍マーカーは有用か?
元のページ ../index.html#18