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第2章 

 人口統計と保健統計

2 人口動態統計

する確率(生命表によって計算する)を考慮に入れたものであり,次世代の再生
産年齢の女子人口を表わす指標である。この値が1より大であれば将来人口は
増加し,1を下回ると人口は次第に減少し,1に等しければやがて静止人口とな
る。日本では,純再生産率も1974(昭和49)年に1以下となり,その後も減少
傾向を示し,2016(平成28)年には0.70と近年はほぼ横ばい状態である。

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 出生率の推移

 わが国の出生数と合計特殊出生率の年次推移をみると(

図2-3

),1947~1949

(昭和22~24)年は,第2次世界大戦直後の第1次ベビーブーム期で,出生数は

260万人を超え,合計特殊出生率も高く4を超えていた。昭和20年代後半は,
合計特殊出生率が低下し,出生数も減少した。昭和30年代の出生数は,ほぼ160
万人台で横ばいであったが,1960(昭和35)年には合計特殊出生率が2.00と
なった。
 その後,昭和40年代に入ると1966(昭和41)年の「ひのえうま」前後の特
殊な動きを除き,第1次ベビーブーム期に生まれた人達が出産適齢期に入り,

表2-6 出生・死亡関係の数式

①出生率

 出生率=   ×1,000

②合計特殊出生率

 合計特殊出生率=

       (Σ記号は,ここでは15歳から49歳までの合計を意味する)

③総再生産率

 総再生産率=

④純再生産率

 純再生産率=            × 

(定常人口は,

「毎年10万人が定常的に生まれる集団において,ある年齢に属する人口

が何人になるか」を計算した生命表をもとにしているため,10万人で割る)

⑤死亡率(粗死亡率)

 死亡率(粗死亡率)=    ×1,000

⑥年齢階級別死亡率

 年齢階級別死亡率=           ×1,000(死因別は×100,000)

出生数

人口

母の年齢別出生数(男児+女児)

年齢別女子人口

49

Σ

15

母の年齢別女児出生数

年齢別女子人口

49

Σ

15

母の年齢別女児出生数

同年齢の女子人口

49

Σ

15

女の生命表の同年齢の定常人口

10万人

死亡数

人口

ある年齢階級の死亡数

ある年齢階級の人口