*感染免疫とは,病原体が体内に存在する時だけ強い免疫を有するもの。医療情報科学研究所編:サブノート保健医療・公衆衛生 2013,メディックメディア,2013を改変自然活動能動免疫人工活動自人 然受動免疫 工 ①能動免疫 ・自然活動免疫:自然感染後の免疫 ・人工活動免疫:予防接種後の免疫 ②受動免疫 ・自然受動免疫:胎盤経由の母子免疫 ・人工受動免疫:免疫グロブリン注射などによって受けた免疫。 一般に能動免疫は強力で長期間持続するが,受動免疫の持続期間は短い。後天性免疫の種類と特徴を表9-2に示す。1 先天性免疫(自然免疫)応 用 と 実 例長期持続:麻疹,水痘,風疹,ムンプス,百日咳など短期持続:インフルエンザ,赤痢,淋病,溶連菌感染感染免疫*:梅毒,マラリア不活化ワクチン:免疫維持のためには追加免疫が必要 例:インフルエンザ,百日咳,日本脳炎など生ワクチン:1回の接種で長期持続する 例:BCG,麻疹,風疹トキソイド:毒素をホルマリンで処理し免疫原性を失わせず無毒化したもの 例:ジフテリア,破傷風,ガス壊疽新生児がウイルス感染症に罹患しにくい理由で,消退は6カ月くらい 例:麻疹,風疹,急性灰白髄炎(ポリオ)注射後直ちに効力を発揮するが,持続は短い(1カ月) 例:麻疹,B型肝炎性,栄養などの諸条件に左右される。 個体の免疫には先天性免疫(自然免疫)と後天性免疫がある。先天性免疫(自然免疫)は,生まれつきの抵抗力である。通常,免疫は後天性免疫を意味する。免疫はその獲得の様式から,次のように分類される。 自然に備わった生まれつきの免疫であり,病原体やワクチンなどの抗原曝露を受ける前から有している抵抗力。2 後天性免疫(獲得免疫)187表9-2 後天性免疫の種類と特徴内 容過去の感染(不顕性も含む)により獲得した免疫(病後免疫)不活化ワクチン,生ワクチン,トキソイド,その他病原体の成分により獲得した免疫経胎盤や母乳によって,母親から受けた新生児や乳児期の液性免疫(母児免疫)成人血清,回復期患者血清,γ—グロブリン注射により受けた免疫1 感染症の成り立ち▶▶▶▶
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