厚生労働統計協会編:国民衛生の動向,2021/2022・新型インフルエンザ・再興型インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症・再興型コロナウイルス感染症 政令で1年間に限定して指定される感染症感染症名等 新たに人から人へ伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザ かつて,世界的規模で流行したインフルエンザであって,その後流行することなく長期間が経過しているものが再興したもの 両型ともに,全国的かつ急速なまん延により国民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められたもの 既知の感染症の中で上記1~3類,新型インフルエンザ等感染症に分類されない感染症で1~3類に準じた対応の必要が生じた感染症 人から人に伝染すると認められる疾病であって,既知の感染症と症状等が明らかに異なり,その伝染力,罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症性格 感染症法に定められている感染症の分類と性格の概要を表9-3に示す。 ①届 出:感染症法により1~4類,新型インフルエンザ等感染症を診断した医師は,直ちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない(全数把握)。5類感染症のうち,麻疹などを除く全数把握対象疾患については,診断した医師による7日以内の届け出が定められている。 食品衛生法により,食中毒を診断した医師は直ちに最寄りの保健所長に届出を要する。また学校保健安全法に基づいて学校で予防すべき伝染病(学校伝染病)が3群に分けて定められている。これらは学校長に届け出を要し,学校長は必要に応じて出席を停止させることができる。 ②隔 離:1類感染症の患者・疑似症・保菌者および一部の2類感染症患者などについて必要と認められた場合,都道府県知事は感染症指定医療機関に入院させることができる。その目的は感染源となる患者と非感染者の接触を遮断し,二次感染を防止することである。患者や保菌者が調理,接客業などに従事している場合は,就業を禁止することができる。結核についても都道府県知事または保健所を設置する市の市長は療養所などへの入所の措置をとることができる。 ③消 毒:患者・保菌者の排泄物,そのほか病原体で汚染された物件はすべて消毒しなければならない。1~3類感染症患者に関しては感染症法により消190第9章 ● 感 染 症表9-3 感染症法に定められている感染症の分類と性格(つづき)新型インフルエンザ等感染症指定感染症[当初] 都道府県知事が厚生労働大臣の技術的指導・助言を得て個別に応急対応する感染症[要件指定後] 政令で症状等の要件指定をした後に1類感染症と同様の扱いをする感染症新感染症
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