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41▶文献検索データベース:PubMed,医中誌検索期間:1995〜2021年▶採用文献 1) Gonzalez T. Chemotherapy extravasations: prevention, identification, management, and documentation. ▶引用文献 A) Karius DL, Colvin CM. Managing Chemotherapy Extravasation Across Transitions of Care : A Clinical して示唆された。がん薬物療法に伴う血管外漏出は投与中・投与直後に徴候がみられるとは限らず,数時間後あるいは数日後に発症する可能性があります。患者さん(およびご家族)は何らかの違和感,異常がないかを観察し,徴候がある場合は,できるだけ早くに医療者へ相談あるいは医療機関に受診することが求められます。がん薬物療法開始前には血管外漏出に関する徴候(症状)や情報等を説明します。しかし,一度の説明だけではそのリスク(危険)や徴候(前ぶれ)を理解し,対処行動をとることは難しいかもしれません。がん薬物療法に伴う血管外漏出を早期発見するために,情報提供や説明を複数回行うことがよいかについて,これまでに行われた研究をよく調べました。その結果,3つの文献がみつかりましたが,いずれも血管外漏出に関して情報提供や説明の効果等を目的とした研究ではなく,その文献の結果からは情報提供や説明に関する効果や害を明確に評価することができませんでした。すなわち,血管外漏出に関する情報提供や説明をすることは不可欠ですが,複数回行うことを勧められるか,あるいは勧めないかの判断となりうる研究が不十分のため,「推奨なし」と決定しました。これは,血管外漏出に関する情報や説明を受けなくてよいという意味ではありません。血管外漏出はさまざまな要因で生じるため複数回説明を受けることで血管外漏出の症状や徴候および対処方法について理解が深まり,セルフケア(自身での対処方法)を習得する方もいらっしゃると思います。治療開始前だけでなく,治療開始後も適宜,医療者へご質問,要請ください。Clin J Oncol Nurs. 2013; 17(1): 61-6. 2) Bartlett DJ, Childs DS, Breitkopf CR, et al. Chemotherapy Acute Infusion Reactions: A Qualitative Report of the Perspectives of Patients With Cancer. Am J Hosp Palliat Care. 2018;35(11):1384-9. 3) Coyle CE, Griffie J, Czaplewski LM. Eliminating Extravasation Events: A Multidisciplinary Approach. J Infus Nurs. 2015;38 Suppl 6:S43-50.Nurse Specialist Initiative. J Infus Nurs. 2021;44(1):14-20. B) Pérez Fidalgo JA, García Fabregat L, Cervantes A, et al: ESMO Guidelines Working Group. Management of chemotherapy extravasation: ESMO-EONS Clinical Practice Guidelines. Ann Oncol. 2012;23 Suppl 7; vii167-73.CQ 1一般の方に向けた解説(要約)

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