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相反する結果となったことについて,今回,採用した文献が最新のエビデンスであることを確認した。カテーテル入れ替え時期(時間)の基準は,推奨に入れないことで合意した。EVを予防する上で,EV発生前のカテーテルの予防的な入れ替えは不可欠であるが,定期的な入れ替えによってEVが予防できるという根拠は弱く,個々の患者に応じた判断と対応が必要と考える。そのためには,カテーテル挿入部や投与血管の問題と,がん薬物療法の継続の可否についてアセスメントできることが重要である。EVのリスク要因も考慮した上で,短期間でカテーテルの入れ替えを繰り返し必要とする患者では,CVカテーテルの留置を検討することが望ましい。特になし。今後は,がん薬物療法薬と静脈炎やEVが発生する時間的経過や関連要因に関する観察研究,定期的な入れ替えに関する介入研究が必要と考えられるが,介入研究は患者の苦痛を伴うため,慎重に行う必要がある。がん薬物療法薬の中には,血管外に薬液が漏れることで皮膚に強い炎症や壊死を起こす薬剤があり,それを予防することが重要です。一度留置した末梢静脈カテーテルを数日間継続して使うことで,血管外に漏れやすくなると考えられています。薬液が漏れることを予防するために,定期的に点滴の針を入れ替える方法がありますが,点滴の針を入れ替える処置は,患者さんの苦痛を伴います。そこで定期的に点滴の針を入れ替えることで,点滴漏れや皮膚の炎症や壊死を予防できるかどうについて検討しました。しかしながら,これらに関するがん薬物療法を対象とした調査はみつかりませんでした。がん薬物療法薬は,静脈炎を起こしやすい薬剤もあることや,定期的な入れ替えによる患者さんの苦痛を考慮した上で,投与部位の痛みや違和感などの個々の患者さんの症状に合わせて入れ替えをする方がよいだろうと考えました。さまざまな状況がありますので,適宜,医療者と相談して,安全な方法を選択してください。64解説推奨適応の促進要因と阻害要因今後の研究課題一般の方に向けた解説(要約)

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