70247T
10/16

1. 主要評価項目:QOL,身体症状2. 副次評価項目:栄養素等摂取量2-1. エネルギー摂取量〔平均差392.8kcal(95%CI 170.0〜615.6),異質性57%,エビデンスの確実性:非常に弱い〕エネルギー摂取量については,介入群でエネルギー摂取量の増加が認められた。2-2. たんぱく質摂取量〔平均差10.7g(95%CI 1.8〜19.5),異質性0%,エビデンスの確実性:弱い〕たんぱく質摂取量についても,介入群でたんぱく質量の増加が有意に認められた。本CQの全体的なエビデンスの確実性は,バイアスのリスクに関する1つ以上の基準に深刻な制限があるため,1〜2ポイントを減少した。さらにサンプルサイズが小さかったこと,表2 SOF表(つづき)文献検索により該当した2,376論文からスクリーニングの結果,該当した7論文が採用された。7論文を統合しメタアナリシスを行った。主要評価項目のQOLについては,6件の研究のうち2件で栄養カウンセリングによる改善がみられたが4,5),定量的統合はできなかった。また,身体症状については2件報告があり6,7),栄養介入群では,EORTCQLQ-C15PALで情動機能の有意な改善6),EPRTCQLQ-C30で嘔気・嘔吐の主観的評価における有意な改善(p<0.01)7)がみられた。しかし,QOL同様に定量的統合はできなかった。副次評価項目の栄養素等摂取量については,エネルギー摂取量に関するものが4件7-10),たんぱく質摂取量に関するものが2件報告され7,8),どちらも定量的に統合することができた。アウトカム対象者数(研究数)相対効果(95% CI)身体症状の改善身体的症状に関するアウトカムは2件の研究で報告されたが,測定方法が異なっていたため,メタアナリシスは不可能であった。栄養介入群では,EORTC QLQ-C15 PALで情動機能の有意な改善(p=0.006),EPRTC QLQ-C30で嘔気・嘔吐の主観的評価における有意な改善(p<0.01)がみられた。フォローアップ:範囲9週〜6カ月72名(2件)全生存期間全生存率は3件の研究で評価された。これらの研究のうち2件については,著者に連絡したものの,定量的統合に必要な情報を得ることができなかった。全生存率は3件の研究すべてで介入群と対照群との間に差はなかった。フォローアップ:範囲3カ月〜5年231名(3件)身体機能身体機能は3件の研究で評価された。握力は2件の研究で評価され,両研究とも栄養介入による有意差はなかった。これら2件の研究では数値データを得ることができなかったため,統合することができなかった。さらに,1件の研究ではトレッドミルでの酸素摂取量および二酸化炭素生成量が測定され,最大運動時の全身酸素摂取量の増加(p<0.003),最大運動付近での二酸化炭素生成量および脈拍数の増加(p=0.01)が示された。その他の身体機能測定項目では,栄養介入群と対照群との間に有意差は認められなかった。フォローアップ:範囲9週〜10カ月136名(3件)1 ランダム割り付けに問題がある研究が多い。また,栄養カウンセリングの施行に伴う実行・検出の盲検化ができないため,バイアスリスクに問題がある。2 サンプルサイズが少ない研究が多いため,不精確さに問題がある。3 Forest plotで信頼区間の重ならない研究があり,非一貫性に問題がある。4 今回のPICOのアウトカムに含まれていないため,非直接性に問題がある。期待される絶対効果(95% CI)対照介入差エビデンス確実性何が起きるか?栄養カウンセリングによる身体症状(食思不振,嘔気,腹水,消化器症状,倦怠感など)の改善効果は不明である栄養カウンセリングによる全生存期間の延長効果は不明である栄養カウンセリングによる身体機能の改善効果は不明である147CQ3

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る