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A本ガイドラインは,医療者のために実臨床で必要とする情報として臨床疑問(clinical question:CQ)と推奨,および背景知識を提供しているが,一方で,患者およびその家族が利用することも想定している。そこで,本ガイドライン委員会のがん罹患経験者代表委員が全国がん患者団体連合会(全がん連),および乳がん,婦人科がん患者会から質問を収集し,それらに対する専門家からの意見を「コラム」としてまとめた。なお,がん患者の栄養治療のなかには,まだ確固としたエビデンスが確立されていない分野も多い。そうした分野に関しては,一般的に推奨されている方法や適切と考えられている治療の方向性を解説した。ビタミンとは,わずかな例外を除いて,ヒトの体内で合成することのできない有機化合物を指します。その主な役割は酵素の補佐役の補酵素として機能します。必要とされる量は少ないですが,大変重要な役割を担っています。また,ミネラルは体内に存在する元素のなかで炭素,酸素,窒素,水素以外の元素で構成されておりこれらも生体内では3〜4%程度の微量な存在ですが,重要な機能を担っています。いずれも過剰に摂取する必要はなく,現代社会においては通常の生活で欠乏することはまずありません。しかしながら,がんによる悪液質やさまざまな摂取吸収障害,抗がん薬の有害事象などで食事摂取困難になる場合,ビタミンやミネラルなどの摂取も低下します。最も簡単に摂取できる方法としては栄養剤の摂取です。薬品としてあるいは食品として手に入る栄養剤の多くはこれら微量なビタミンやミネラルはほぼすべて含まれており,食欲がないなかで,さまざまな食材を摂取するより効率的に摂取することができます。また,ビタミン剤として薬品が存在するほか,食品としてマルチビタミン+ミネラルのサプリメントもいくつか発売されています。後者は処方箋なしでドラッグストアなどで購入できます。いずれも錠剤やドリンク剤ですので比較的摂取しやすいと思われます。また,輸液製剤にも必要な微量元素やビタミンを配合してあるものがあります。しかし,栄養摂取の基本は経口で咀嚼,嚥下を行うことであり,上記の栄養剤摂取はあくまでも補助的なものと考えてください。食事のなかに含まれるビタミンについて説明します。脂溶性ビタミン(ビタミンA,152食事の量・体重が減っているなかでビタミンやミネラルなど必要な栄養素を効率的に摂取する方法にはどのようなものがありますか?Q1

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