第5版_086-100RIHG05責B.mcd Page 8
15/12/10 18:39 v5.50
Ⅱ.上肢疾患検査
肩関節疾患検査
理学療法で扱う肩の疾患は,肩の疼痛と運動制
限を主症状とする疾患で,代表的なものは,五十
肩や腱板断裂である。理学療法評価は「臨床応用
8.肩関節周囲炎」を参照されたい。また,日本整
形外科学会では,治療成績判定基準を
付表8-1
の
ように定めている。その中の徒手的検査を説明す
る。
1
棘上筋腱炎テスト(supraspinatustendo-
nitistest)
肢位
患者を腰掛け坐位にし,検者はその後
方に立つ。
検査法
検者が加える抵抗に抗して,患者に上
肢を外転させる(
図5-21
)。
陽性
棘上筋腱付着部の痛みがある。
障害
棘上筋腱の変性性腱炎を示す。
2
アプレー・スクラッチテスト(Apley
scratchtest)
肢位
患者を腰掛け坐位にする。
検査法
患者に患側の手を頭のうしろに回して,
反対側の肩甲骨上角に触れるよう指示する。次に
その手を下ろして,背中に回して反対側の肩甲骨
下角に触れるように指示する(
図5-22
)。
陽性
棘上筋腱付着部の痛みの増悪
障害
棘上筋腱の変性性腱炎を示す。
3
ドロップアームテスト(droparmtest)
肢位
患者を腰掛け坐位にし,検者は後方に
位置する。
検査法
検者は,患側上肢を支えて他動的に肩
関節を100°以上外転させる。その位置で手を離
し,ゆっくりと上肢を下ろすように指示する(
図
5
-23
)。
陽性
患者がゆっくりと下ろす途中の90°付
近で急激に落下する。
障害
腱板の断裂を示す。
4
肩不安感テスト(apprehensiontest)
肢位
患者を腰掛け坐位にし,検者は後方に
位置する。
検査法
検者は一側の手を患側肩関節のうしろ
●
各論
92
a
b
図5-22
アプレー・スクラッチテスト
図5-23
ドロップアームテスト