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⑷ 下肢関節全体の屈伸下肢全体をまとめて筋力増強する場合もよくあると思うが,以下にその方法も挙げる。ただ,気をつけないといけないことは,いわゆるクローズドカイネティック(閉鎖運動系)運動は,よほど上手く行わないと,どの筋を鍛えているかわからなくなってしまうことである。それは,鍛えたい弱化筋に負荷がかからず,他の強い筋が代償してしまいやすいからである。① 伸 展さて,図20に示す方法の場合,腕で下肢に対抗しているため完全に力負けし,特に膝関節最終伸展域では「カックン」と抵抗力が抜けてしまい,十分な効果が得られない。そこで,足部を理学療法士の腹部(あるいは胸郭や骨盤)に置き,体全体で抵抗をかける。また膝裏に膝を屈曲するように手で抵抗をかけ,最終域での伸展に対し強力に抵抗する(図21:ただし,十分腹筋を鍛えておくことと,痛くない場所を知っておくこと)。意外に腹でも痛くない。    ② 屈 曲  屈曲方向は,理学療法士の体重が利用できるので,比較的楽に行うことができる(図22)。Ⅱ. 理学療法図20 伸 展①図21 伸 展②図22 屈 曲27比較的強い下肢筋力がある場合,上肢のみでの抵抗は,膝関節伸展最終域で「カックン」と力が抜けるように伸展させてしまう。患者に腹部を踏みつけるように押させる。意外に療法士は痛くない。ぶら下がるようにして抵抗を加える。

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