重りをつけて下ろすときは3秒くらいかけるとよい。また,完全に下ろしきらない方が,筋の緊張を持続でき,より効果的である。重りよりゴムベルトの方が,最後まで負荷を与え続けられるので使いやすい。(秒)15〜206〜104〜62〜3 荷が必要といわれている。必要な筋収縮の持続時間は,負荷の量が減少するにつれて延長する。40%の負荷では20秒程度の収縮時間を必要とする(表4)。だがこれだけの時間,集中して筋力を出すのは困難である。しかし,長期臥床していた患者が立ったり,座位をとったりした場合は,自然とこのような負荷がかかることが多く,栄養状態の改善も相まって,筋力はある程度は自然に回復していく。 第1章 理学療法を行う前に知っておくべきこと(Hettinger,1952)22ご存じの方も多いかとは思いますが,筋力増強を重りで負荷を与えるとき,持ち上げるときよりも下げるときの方が効果が高いことがわかっています。つまり筋力増強は短縮性収縮よりも,伸張性収縮で効果が高いということです。しかもその場合,比較的軽い負荷でも効果があり,ゆっくりした運動にも関わらず速筋に対して効果が高いようです。徒手の筋力増強では難しいのですが,重りやゴムベルトを利用しているときは,ゆっくり下ろすことを意識してもらいましょう。 意外に曖昧なのが最大筋力(最大負荷)です。色々と書籍を覗いてみると,等張性収縮と等尺性収縮では最大筋力の定義が若干異なっていることが,混乱を招いているように思います。等張性収縮では,最大1回持ち上げることのできる負荷(1RM)を最大筋力と定義しているのに対し,等尺性収縮では握力計などで測れるような最大張力を基準にしているようです。実用性を考えての定義と思いますが,まずは一言説明してほしいものですね。表4 等尺性筋力増強運動強度と時間必要な収縮時間 最大筋力に対する 負荷量(%)40〜5060〜7080〜901003)●どれくらいの負荷で,どれくらいの時間行えばよいのか?●:等尺性筋力増強運動 等尺性収縮での抵抗量は最大筋力の40%以上,効率よく筋力を増強しようとすれば60%以上の負効果があるのは上げるとき?●下げるとき?最大筋力
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