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抵抗  歩行周期と外転筋の運動⑵ 股関節内転筋力増強  Ⅱ. 理学療法療法士の前腕どうしをすりつけて,その摩擦で抵抗をかける。図18 関節内転筋力増強25中殿筋の強化には,普通,股関節の外転運動を行います。しかし,日常の生活のなかでそのような運動は多いのでしょうか?そもそも中殿筋が一番よく活動するのは,歩行時の立脚時ではないでしょうか。その際には,股関節(大腿骨)は矢状面上を移動します。また,立脚前期には中殿筋の後部線維,中期には中部線維,後期には前部線維と,扇型に活動する筋の部分が変わっていきますそこで,筋力増強訓練の際にもそのような活動形態を模した方法にした方がよいのではないでしょうか。私の考えた一法を示しておきますので,皆さんも考えてみてください。  患者には股関節運動のみを行うよう指示する。療法士はSLR肢位から下肢が矢状面を通るように股関節を伸展しながら外転に抵抗をかける。患者には股関節伸展には抵抗しないよう注意しておく。ただし,この方法は強力な中殿筋の収縮が生じるので過負荷になりやすく,ある程度運動に慣れた患者に行った方がよい。11)。外転筋力増強と同様に支持している手をベッドにおさえつける方法もある。股関節外転筋の筋力増強について

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