2.筋 電 図 251

 問201:2,3,問202:3

2. 筋 電 図

問 201★★★



既出【Ⅲ─10─C】(ID0000420)

正中神経の運動神経伝導速度測定の結果を表
に示す。正しいのはどれか。2つ選べ。

末梢部刺激(手関節) :5.5msec
中枢部刺激(肘部)

:12.5msec

M波の電位

:1.0mV

M波の相性

:12相性

中枢─末梢の距離

:24.5cm

1.手関節からの終末潜時は正常である。
2.伝導速度値は35m

secである。

3.M波は多相性である。
4.電位は正常である。
5.脊髄障害が考えられる。

 作問のねらい  運動神経伝導速度(MCV)の計算
式の確認である。

〔注解〕 1.正中神経の末梢部刺激による終末潜時

の正常値は,3.0〜4.5msecで5msecを超えない。

2.設問の運動神経伝導速度は,MCV=24.5×

10−2/(12.5−5.5)×10−3=35m/secとなる。

3.M波は2〜4相性のことが多く,設問の12相

性は多相性といえる。

4.M波の電位は一般に10mV前後で,2mV以下

は異常である。

5.以上の結果からM波の多相性低電位,MCV

の軽度低下など末梢神経障害などが考えられるが,
この結果のみから脊髄障害とは断定できない。

〔関連事項〕運動神経伝導速度(MCV)の測定は,手

関節の末梢部電気刺激による筋活動電位(M波)を
母指球筋(C)で導出することで終末潜時(BC)を測
定し,次いで肘部の中枢部刺激によるM波の潜時

(AC)を測定し,それぞれの潜時の差(AC潜時−

AB潜時)を刺激2点間の距離で除して算出する。

問 202★★



既出【Ⅲ─10─C】(ID0000422)

健常人の末梢神経伝達速度について正しいの
はどれか。
1.正中神経:20〜40m/sec
2.尺骨神経:23〜46m/sec
3.脛骨神経:40〜67m/sec
4.腓骨神経:30〜45m/sec
5.腓腹神経:35〜50m/sec

 作問のねらい  末梢神経伝達速度の基準値は,押
さえておきたい。

〔注解〕 1.正中神経:50〜60m/sec

2.尺骨神経:49〜62m/sec
3.脛骨神経:44〜50m/sec
4.腓骨神経:43〜60m/sec
5.腓腹神経:53〜60m/sec
以上から正常値には成書や報告者によって若干の

ばらつきがあることを考慮して判定すると,3が正
しいと考えられる。

〔関連事項〕健常人の末梢神経伝導速度は体温,記録

時の環境温度,年齢などによりその正常値がばらつ
き,よって報告者によってもその値は異なる。参考
として末梢神経伝導速度の正常値(参考値)を下表
a,bに示した。値はあくまでも個体差があることを
考慮し,判定する必要がある。

表 末梢神経伝導速度正常値(参考値)

a 運動神経伝導速度検査

神経

伝導速度(m

sec)

正常(異常値)

終末潜時(msec)

正常(異常値)

M波振幅(mV)

正常(異常値)

正中神経50〜60(47以下)3.5(4.5以上)

9(2以下)

尺骨神経49〜62(46以下)2.6(3.3以上)

11(5以下)

脛骨神経44〜50(38以下)4.7(6.3以上)

9(3以下)

腓骨神経43〜60(38以下)4.6(6.1以上)

9(1以下)

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