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⎭⎬ 50℃(患者短時間接触)**⎫⎭ 55℃(連続保持金属部)**⎜ 65℃(連続保持ガラス部)**⎬⎜ 75℃(連続保持ゴム部)**⎫ 表2に商用交流(50 Hzまたは60 Hz)による人体の電撃反応の概略値を示す。 商用交流におけるマクロショックの場合,1 ニーズを的確につかみ,新技術・新機器の開発・的知識・技術・手法を適応し,協力・コンサル研究の実践・協力を行う。臨床医学研究に,工学ティングを行う。2各種エネルギーの人体への危険性表1各種エネルギーの安全限界エネルギー表2人体の電撃反応(商用交流,1秒間通電)作用の種類(対象)離脱限界10 mA(マクロショック危険性)感知電流1 mA(マクロショック限界)*心室細動0.1 mA(ミクロショック限界)*熱傷(皮膚)眼障害睾丸キャビテーション熱作用生殖細胞0.1 W/cm2患者の熱傷 41℃(患者装着部)**低周波電流高周波電磁波超音波温度操作者の熱傷*マクロショックに関しては手のひら程度,ミクロショックに関しては心内カテーテル電極程度の接触面積を考えている。**温度に関しては,JIS T 0601—1による。患者装着部は過熱を意図しないもの。接触部は材質(熱伝導率)や接触時間によって基準値が異なる。電撃の種類電流値1 mAビリビリ感じる(最小感知電流)10 mA行動の自由を失う(離脱限界電流)心室細動が起こる(マクロショック心室細動電流)心室細動が起こる(ミクロショック心室細動電流)マクロショック100 mAミクロショック0.1 mA安全限界1 W/cm20.1 W/cm20.01 W/cm210 W/cm2以上1 W/cm2人体反応(通称)第2編 専門科目550 A エネルギーの安全限界 治療や生体計測においては,各種エネルギーを人体に加えることがある。また,操作者も意図せずそのエネルギーの影響を受けることがある。したがって,医療機器が使用するエネルギーの安全限界を知ることは重要である。 生体はエネルギーの種類,作用対象に応じて反応が異なっている。各種エネルギーに対する人体の特性については「第4章 生体物性」に譲るが,安全限界の概略値を表1に示す。なお,ここで示したものはあくまでも目安であり,使用環境,作用時間,個体差なども考慮に入れる必要がある。 B 人体の電撃反応 人体の内部では,神経伝達や筋組織の収縮に電気的なパルスを利用している。また,人体の細胞は0.9%程度の食塩水を主成分とする良導体であり,外部からの電気的なエネルギーの負荷によって影響を受けやすい。治療や生体計測に用いられる医療機器の多くが商用交流から電源供給を受ける医用電気機器(ME機器:Medical Electrical equipment)であることを考えると,ME機器の安全問題として,電撃事故(電気ショック)が最も重要である。人体の電撃反応は,電流の流入出部位,周波数,電流値によって異なる。 医療現場では,患者は病気やけがなどで,健康な人のように正常な反応ができない場合が多い。また,検査や治療のために直接体内に生理食塩液のような導電性の液体が満たされたカテーテルなどが挿入されている場合があり,一般家庭の場合と事情が大きく異なって電撃のリスクが高い。カテーテルや電極などを介して心臓に直接電流が流れ込んで生じる電撃をミクロショックと呼び,体表面から受ける電撃と明確に区別している。ミクロショックとマクロショックでは,心室細動が誘発される電流値が大幅に異なる(約1:1,000)。

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