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表1 治療機器の原理・作用からの分類と代表的な機器(臨床工学技士指定講習会テキスト 改訂第2版,金原出版,1990よりⅡ熱生体に作用させて治療を行うものであるが,大きなエネルギーを使用することもあるので,治療効果だけでなく安全面に対する配慮も重要である。 表1は,治療機器に利用されている物理的エネルギーの分類とそのエネルギーを使用した主な治療機器の一覧である。きない。この点は治療において,特に頭に入れておくべきことがらである。つまり,治療そのものが本来生体に何らかの侵襲を加えて行うものなので,まったく無害に行えるケースはきわめて少ない。 そこで一般的原則として,生体の致死限界を与えるエネルギー密度E2と,治療効果が生じるエネルギー密度E1の差(治療余裕度E2-E1)が,より大きな治療手段をまず第1に選択すべきである。さらには,あるエネルギー密度における主作 現代医療において医療機器はなくてはならないものになってきているが,この医療機器を大別すると,診断機器と治療機器に分けることができる。診断機器は生体から出る微弱信号を取り出したり,超音波やX線を人体に照射して生体組織の変化を検知して,その結果を表示するものである。一方,治療機器は種々の物理的エネルギーを1治療の基礎 治療機器では生体に何らかのエネルギーを作用させて治療効果を期待するわけだが,目的とする主作用(効果)以外にも,好ましくない副作用が多少なりとも生じる可能性がある。副作用が強ければ生体組織や臓器に不可逆的な変化が生じ,これでは何のために治療したのかわからないこともある。 図1に示すようにある程度以上のエネルギー(正確にはエネルギー密度が問題となる)を与えなければ,目的とする治療効果をあげることはで引用)除細動器,低周波治療器,人工心臓ペースメーカ,静電治療器,電気麻酔器,神経・筋刺激装置,直流電気浴電気メス,超短波治療器,マイクロ波治療器光線治療器,レーザメス,光凝固装置冷凍手術器パラフィン浴装置,電熱式ホットパック,輸液用ヒータ,保育器電気焼灼器,ツボ治療器超音波吸引器,ネブライザ,温熱治療器,超音波治療器サイクロトロン,ベータトロン,X線装置リニア・アクセラレータ高圧酸素室,加圧水マッサージ装置,牽引器,吸引器,脊椎矯正器心マッサージ器,IABP装置,気泡浴装置,人工呼吸器,輸液ポンプ,バイブレータ,結石破砕器第2編 専門科目第2編作用エネルギーエネルギー姿態機器名低周波電磁波高周波磁界光低温常温高温超音波電子線粒子線静圧音波放射線機械力動圧454医用治療機器学

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