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図2ドライアイのコア・メカニズム図1わが国のドライアイに対する考え方の変遷1995年時にはドライアイは角結膜上皮障害が病気の特徴であったが,2016年の最新の定義では,「涙液層の安定性の低下」が病態の中心であることが強調されている(下線は筆者)。瞬目時の摩擦亢進眼表面摩擦関連疾患 ・Lid wiper epitheliopathy ・上輪部角結膜炎 ・糸状角膜炎 ・結膜弛緩症涙液層の不安定化原 因 ・涙液量の減少 ・眼表面上皮の水濡れ性低下 ・涙液蒸発量の亢進“涙液(層)の質的または量的な異常により,引き起こされた角結膜上皮障害”“さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり,眼不快感や視機能異常を生じ,眼表面の障害を伴うことがある”“さまざまな要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患であり,眼不快感や視機能異常を伴う”涙液層の安定性に重点を置く自覚症状と視機能異常に着目3)1)2)らい,パブリックコメント募集を経て,日本眼科学会により承認され,2019年5月の『日本眼科学会雑誌』に掲載された4)。 ドライアイのコア・メカニズムドライアイのコア・メカニズムには,「涙液層の不安定化」と「瞬目時の摩擦亢進」があり,涙液層の不安定化をきたす要因としては,「涙液量の減少」「眼表面上皮の水濡れ性低下」「涙液蒸発量の亢進」が考えられている(図2)。この3つは,そのままドライアイの3つのサブタイプ(涙液減1230(クリニカルクエスチョン:CQ)を挙げ,2002年から2015年までを論文検索対象期間としてシステマティックレビューを行った。エビデンスは無作為化比較試験(RCT)を基本としたが,RCTが少なくほかに重要な非無作為化比較試験が存在する場合はそれも選択した。このような形式でガイドラインを作るのは委員全員が初めてであったため,作成には結構時間がかかってしまい,推奨文の作成が行われたのは2017年の後半であった。そこから13名の外部委員に作成案を評価しても2016年2006年1995年

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