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表2わが国におけるドライアイ治療の推奨(2019ブレイクアップパターンBreakドライアイの分類涙液減少型(軽度 〜 中等度)涙液減少型(重症)水濡れ性低下型水濡れ性低下型水濡れ性低下型蒸発亢進型眼表面の層別異常推奨される治療法ジクアホソルヒアルロン酸液 層液 層上 皮表層上皮(膜型ムチン)表層上皮(膜型ムチン)表層上皮(膜型ムチン)油 層ヒアルロン酸ジクアホソル●強い推奨(実施することを推奨する)ジクアホソルナトリウム点眼レバミピド点眼ヒアルロン酸点眼涙点プラグ●弱い推奨(実施することを提案する)人工涙液ステロイド点眼オメガ3脂肪酸内服●推奨されないNSAIDs点眼シクロスポリン点眼血清点眼NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬人工涙液涙点プラグジクアホソルレバミピドジクアホソルレバミピドジクアホソルレバミピド人工涙液図5ブレイクアップパターンによるドライアイのサブタイプ分類と治療選択5)年版ドライアイ診療ガイドライン)TFODを正しく行うためには,フルオレセイン染色下での角膜上の涙液層の破壊パターン(ブレイクアップパターン:BUP)を識別する方法が有用であることが示されている6)7)。現在,BUPはline,area,spot,dimple,rapid expan-sion,randomの6つのbreakに分類される。BUPによりドライアイのサブタイプに分類し,眼表面の不足部分がわかることで適切な治療法を選択することができる(図5)5)。 わが国における各ドライアイ治療の推奨今回のドライアイ診療ガイドラインでの治療法における推奨は表2のようになった。強い推奨として,ジクアホソルナトリウム点眼,レバミピド点眼,ヒアルロン酸点眼,涙点プラグが挙げられている。また,推奨されないものとして,NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬),シクロスポリン点眼,血清点眼が挙げられているが,これは推奨されなかった理由がそれぞれ違っている。NSAIDsに関しては,有効とする単群の観察研究もみられたが,エビデンス的に高くないため,推奨されなかった。シクロスポリン点眼に関しては日本以外の欧米や韓国などの一部の国では,ドライアイ治療薬として承認されており,エビデンス的にも十分高いものであるが,日本では未承認1232であるため,推奨されなかった。血清点眼はエビデンス的にも高いとはいえず,また自家調剤であり一部の施設でしか処方できないため推奨から外れている。ドライアイは炎症が関係していると考えられており,抗炎症療法は重要な選択肢であると考える。現在の日本ではステロイド点眼を副作用に注意して使用するしかなく,ドライアイに対するシクロスポリン点眼をはじめとした抗炎症点眼薬の承認が期待される。LineBreakAreaBreakSpotBreakDimpleBreakRapidexpansionRandom

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