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BBA図1退行性眼瞼内反A:下眼瞼の瞼板が眼球側に回旋している。B:下眼瞼を下方に牽引すると内反がいったん解除される。瞬目すると再びAの状態に戻る。A図2睫毛内反A:正面視,B:上方視瞼板の位置は正常で睫毛のみが内反している。距離が8mm以上で陽性,すなわち弛緩ありと判断する(図3B)。Snap back testは下眼瞼を下方にしっかり牽引し,離した際に速やかに元の位置に戻らなければ陽性とする(図3C)。Medial distraction testは下眼瞼を鼻側に牽引した際に,下涙点が涙丘の中心線を越えて鼻側へ偏位すれば陽性とし,外眥靱帯の弛緩ありと判断する(図3D)。同様に,lateral distraction testは下眼瞼を耳側に牽引し,涙点が涙丘外側端と角膜輪部内側端の中央線を越えて耳側に偏位すれば陽性とし,内眥靱帯の弛緩ありと判断する(図3E)。当科では,これら4つの指標のうち1つ以上が陽性であれば水平方向の弛緩があると評価している。弛緩の評価ができれば,次に術式を選択する。垂直方向の弛緩に対する術式は数多く報告されているが,本邦ではLERsを前転するJones変法2)が広く普及しており,当科でも最も矯正効果が高いと考え第一選択としている。水平方向の弛緩に対する術式には,lateral tarsal stripやtranscanthal canthopexyなどがあり,弛緩の程度に応じて選択している。臨床では垂直方向の弛緩は高頻度にみられるため,垂直方向の矯正を1086

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