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卵巣癌1335ると直腸後腔の入り口に達する。3)直腸後腔の展開 直腸後腔の腹側は直腸固有筋膜,背側は仙骨前面,外側は岡林直腸側腔に連続する。直腸を足側に牽引することにより,直腸背側と仙骨前面に疎な結合織が形成され電気メスにて容易に直腸後腔は展開される。仙骨前面に沿って骨盤背側まで直腸後腔を展開する。直腸後腔の尾側は挙筋前腔へと連続し,肛門挙筋に至る。直腸後腔の展開の際には,直腸鈎を深くかけ肛門側に牽引し(図5),電気メスやエネルギーデバイスの向きは仙骨前面に向かないよう常に直腸側にするようにし,仙骨側の静脈損傷を避けるようにする。この操作により直腸は仙骨前面から挙上され,直腸固有筋膜の切開を行うことで直腸の背側からの可動性は良好になる。4)直腸後腔と岡林直腸側腔をつなげる 直腸背側操作終了の後に,直腸後腔と岡林直腸側腔,Latzko直腸側腔の連続性を確直腸低位前方切除術上直腸静脈上直腸静脈図4産婦人科の実際 Vol.72 No.12 2023図3S状結腸切除口側の切離図5直腸後腔の展開上直腸静脈の切断

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