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子宮動脈図4尿管トンネル直上で子宮動脈を単離・切断する。尿管トンネル尿管トンネル子宮動脈定でき,そこで浅子宮静脈に注意しながら子宮動脈を単離,クリップし切断する。 当院では子宮体癌の子宮全摘術の術式は準広汎子宮全摘術を標準術式としていたが,最近は子宮動脈を図4のように尿管直上で切断し,腟カフを少しとる拡大子宮全摘術を標準術式としている。 正常BMIであれば腟側腔をまず開放し,子宮動脈切断後膀胱子宮靱帯前層の処理は容易である。しかし肥満患者の場合,BMI 50≧では内臓脂肪組織が多く,前層処理は非常に難度が高い。腟パイプを挙上して筋膜外子宮全摘をしっかりと完遂を目指す。 どの操作においても腸管の存在を意識し,リトラクションアームをこまめに動かしながらわずかなスペースを作り,安全に切除ラインを設定していく。 肥満患者において一番ストレスに感じるのは尿管の同定ではないだろうか? これに対して蛍光尿管ステントの挿入やファイヤフライ機能を利用した尿管の同定(図5)があるであろう。前述したようにmajor complicatiosの頻度は上昇するため,内臓脂肪型肥満の場合は尿管同定が困難である。これを解決するポイントは骨盤漏斗靱帯を左尿管であればリトラクションアームでポート挿入部へしっかり牽引,またはひっかけて挙上することである。この挙上により,第1アームと第2アームで腹膜内側に沿って尿管の同定を進める。少しずつ3本とも動かして,同定を進める。腹膜沿いに同定できることが多いが,まれに尿管から剝離されている場合もあり注意が必要である。また,高度肥満でもある程度後腹膜を展開しないと尿管が同定しにくいので,最初から見えているわけではない。1242子宮動脈のクリップの位置の変化4予防法は?(高度肥満患者に対するクエスチョン)

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