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●文献  1) 日本産科婦人科学会(編):産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版.日本産科婦人科学会,2018 2) 日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会:報告.日産婦誌72:667-675,2020 3) Advances in methods of fertility regulation:report of a WHO scientific group. World Health Organ Tec Rep Ser 527:1-42, 1973 4) 日本産婦人科医会:研修ノートNo. 79 女性健康外来―ライフサイクルと診療.日本産婦人科医会,2007 5) Practice Bulletin Number 136, July 2013:Management of abnormal uterine bleeding associated with ovula-tory dysfunction. Obstet Gynecol 122:176-185, 2013 6) Christin-Maitre S et al;Recombinant FSH study group:A comparative randomized multicentric study com-paring the step-up versus step-down protocol in polycystic syndrome. Hum Reprod 18:1626-1631, 2003 7) 松崎利也:新しい排卵誘発治療.日産婦誌61:N325-N329,2009プロラクチン血症の場合は,その多くが薬物治療の対象となる,治療薬としてはカベルゴリン,ブロモクリプチン,テルグリドがあるが,詳細は他稿に譲る。1128b) 高プロラクチン血症への対応 薬剤性の高プロラクチン血症の場合は,原因薬剤の中止,減量あるいは薬剤変更を当該薬剤を処方している担当医と相談する。機能性の高患者への説明ポイント 29歳の妊娠歴のない既婚女性。月経不順を訴え来院した。妊娠の希望は現在のところはない。月経歴:初経14歳。周期不順45~90日,持続5~7日,中等量。月経時随伴症状は軽度。身長158 cm,体重72 kg。乳房発育は良好で,乳汁分泌は認められない。内診所見:子宮および骨盤内に異常はない。卵巣の経腟超音波断層では多数の小卵胞を認めた。血液生化学所見:FSH 5.6 mIU/ml,LH 13.2 IU/ml,エストラジオール46 ng/ml,プロゲステロン0.02 ng/ml。症例 説明の実際  月経異常,多囊胞卵巣,ホルモン検査の結果から,多囊胞性卵巣症候群と診断されます。 妊娠の希望の有無にかかわらず,肥満がある場合は,減量をお勧めします。生活習慣病の予防の意味も含めて,半年間で10 kg程度の減量をお勧めします。減量することにより月経が順調になる方が多いです。 減量が成功しても月経が順調にならない方は,無排卵の状態が続くと持続的なエストロゲンの刺激により子宮内膜がんの発症リスクが上がってしまうので,周期的にプロゲスチンの投与を行い,消退出血を起こしたほうがよいです。 また,多毛やニキビが気になる場合は,男性ホルモン低下作用を期待して,低用量ピルを使うこともできます(ただし,自費です)。 将来,挙児希望がでた場合は,排卵誘発薬を使います。この病気の場合,将来的には糖尿病,メタボリックシンドローム,心疾患,脂肪肝が発症しやすいことが知られていますので,注意する必要があります。

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