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λ┃図1┃急性胆囊炎(軽症)診療フローチャート12μ△早期のLap-C┃表5┃ 年齢調整を含んだ チャールソン併存疾患指数疾患心筋梗塞,うっ血性心不全末梢動脈疾患脳血管疾患,認知症慢性肺疾患膠原病潰瘍性疾患軽度の肝疾患末期臓器障害のない糖尿病片麻痺中等度〜重度の腎疾患末期臓器障害のある糖尿病癌,白血病,悪性リンパ腫3中等度〜重度の肝疾患6転移性固形癌AIDSGradeⅠ(軽症)λ(高リスクでない):CCI 5点以下 かつASA-PS 2以下μ(高リスクである):CCI 6点以上 またはASA-PS 3以上Lap-C:腹腔鏡下胆囊摘出術△手術困難例では開腹移行を含めた危機回避手技を検討する〔高田忠敬 編:急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018(第3版).医学図書出版,2018より引用改変〕点数以下のように年齢調整を行ったうえで該当する疾患の点数を合計する40歳以下:0 41〜50歳:+1 51〜60歳:+2 61〜70歳:+3 71〜80歳:+4 81歳以上:+5〔Charlson ME, et al : A new method of classifying prognostic comorbidity in longitudinal studies : development and validation. J Chronic Dis 40 : 373-383, 1987 / Charlson M, et al : Validation of a combined comorbidity index. J Clin Epidemiol 47 : 1245-1251, 1994より引用改変〕1734抗菌薬投与初期治療全身状態の改善を待ってから手術を検討する方針としている。重症度別の治療指針のフローチャートをそれぞれ図に示す。▼GradeⅠ(軽症)CCI,ASA-PSを算出し,耐術可能と判断された症例では,できるだけ発症後早期に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う。耐術可能と判断できなければ保存的加療を行い,全身状態が改善した段階で腹腔鏡下胆嚢摘出術を検討する(図1)。▼GradeⅡ(中等症)CCI,ASA-PSを算出し,耐術可能と判断された症例では,できるだけ発症後早期に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う。ただし,中等症では強い炎症が予測されるため,術中胆管損傷などの臓器損傷に注意し,状況によっては胆嚢亜全摘術や開腹移行などの回避手技への移行を検討する必要がある。耐術可能と判断できなければ,保存的加療および胆嚢ドレナージを考慮する(図2)。▼GradeⅢ(重症)臓器障害の程度を判断し,場合によっては集中治療室などでの全身管理や臓器サポートを行いつつ,できるだけ早期に抗菌薬を投与する。致死性の臓器障害,CCIおよびASA-PSなどを判定し,耐術可能と判断できれば,急性胆嚢炎手術に熟練した内視鏡外科医による早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術を考慮する。耐術可能と判断できなければ全身管理を含めた保存的治療を行い,胆嚢の炎症をコントロールできなければ緊急または早期の胆嚢ドレナージを考慮する(図3)。保存治療

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