042152020110-3T
5/9

φ△△†胆囊ドレナージ※抗菌薬投与初期治療7.術中・術後抗菌薬5.胆囊ドレナージ6.手術の至適タイミング1735GradeⅡ(中等症)急性胆囊炎手術に熟練した内視鏡外科医┃図2┃急性胆囊炎(中等症)診療フローチャート※抗菌薬投与前に血液培養を考慮するα抗菌薬投与および全身管理が奏効φ抗菌薬投与および全身管理が無効λ(高リスクでない):CCI 5点以下 かつASA-PS 2以下μ(高リスクである):CCI 6点以上 または ASA-PS 3以上†胆囊ドレナージ時に胆汁培養を行う△手術困難例では開腹移行を含めた危機回避手技を検討する〔高田忠敬 編:急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018(第3版).医学図書出版,2018より引用改変〕αλαμ緊急/早期早期Lap-C待機Lap-C主として併存疾患や全身状態により早期手術が行えない症例において,抗菌薬のみでの改善が期待されない場合の治療目的として使用されることが多い。施行後は,胆汁培養を行うとともに,ドレナージが有効であるか排液量の推移やレントゲンによる位置確認を行う。ドレナージ後,手術の方針となった症例においては,ドレナージチューブを執刀開始直前に抜去している。急性胆嚢炎の初期治療後に耐術可能と判断したら,できるだけ早期に手術を行うことが望ましい。後方視的研究によれば,初期治療として胆嚢ドレナージを施行した場合,胆嚢ドレナージ後13〜34日目の期間に手術を行うと,12日以内もしくは35日目以降に手術を行った場合と比較して手術時間や出血量,術後合併症,在院日数などの手術成績が不良であったとの報告もあることから3),同時期における手術は避けるほうが望ましいと思われる。GradeⅠ,Ⅱの急性胆嚢炎においては術中のみの抗菌薬投与が推奨されており,基本的に表在菌を対象とした第1世代セフェムの執刀開始前投与を行っている。基本的に術中の追加投与や術後の投与は行っていない。GradeⅢについては全身状態の安定まで,手術は行われないため,治療としての抗菌薬継続が行われるが,この場合,感染源の制御後も4〜7日間の投与することが推奨されている。8.術野の剃毛皮膚には皮脂腺などの深部に無数の常在菌が存在し,消毒を行っても完全な殺菌は不可能である。剃毛を行った場合は,皮膚表面に多数の微小な創をつくり,その創に細菌が繁殖するため,かえって感染のリスクになる。CDCのガイドラインでは術前準備として,手術前日の手術部位の剃毛はSSIの危険性を優位に増加させるため,「術前の除毛は切開部あるいは周囲の体毛が手術の邪魔になる場合を除き行わない」,また「除毛する場合はなるべく電気ク

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る