042152020110-3T
6/9

2.胆囊管の処理1736GradeⅢ(重症)抗菌薬投与臓器サポート致死性臓器障害#ありまたは治療反応性臓器障害φ反応不良#致死性臓器障害:中枢神経障害,呼吸機能障害または黄疸(T-Bil  2 mg / dL以上)φ治療反応性臓器障害:循環障害または腎機能障害(治療により早期に 回復する可能性あり)Ψ高次施設:集中治療を含めた全身管理可能かつ急性胆囊炎手術に熟練 した内視鏡外科医の勤務する施設*PS:Physical status(併存疾患および全身状態) PS良好:CCI 3点以下かつASA-PS 2以下 PS不良:CCI 4点以上かつASA-PS 3以上(高リスク)△手術困難例では開腹移行を含めた危機回避手技を検討する┃図3┃急性胆囊炎(重症)治療フローチャートとその用語・記号の説明〔高田忠敬 編:急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018(第3版).医学図書出版,2018より引用改変〕致死性臓器障害#なしかつ治療反応性臓器障害φのみで反応良好高次施設ΨではないまたはPS*不良緊急/早期胆囊ドレナージ高次施設ΨかつPS*良好PS*良好PS*不良保存的治療早期△Lap-C待機△Lap-Cリッパーを用いて術前に行う」としており,基本的に術野の剃毛は勧められない。1.胆囊穿刺吸引胆嚢炎では壁の肥厚や緊満などにより胆嚢の把持・牽引が困難になることがしばしばあり,脆弱になった胆嚢壁の損傷によって操作中に感染胆汁を腹腔内に漏出する可能性がある。そのため当院では,胆嚢の剥離開始前にはできるだけ穿刺針を用い可及的に胆嚢内容液を回収している。回収した胆汁は培養検査を行い,術後にSSIが発症した際の抗菌薬使用の判断材料にする。胆嚢管の処理には主にクリップを使用する方法と結紮によるクリップレス法が考えられる。クリップを用いた処理の場合,クリップを核とした結石再発の報告4)やクリップ自体の胆管内への迷入などの報告5)もみられることから,当院では通常,吸収糸を用いた2重結紮にて処理を行っている。3.腹腔内洗浄腹腔内洗浄の有用性を検討した消化器外科手術におけるランダム化比較試験,観察研究の結果からは腹腔内洗浄によるSSI予防効果が証明されていない。むしろ有意差はないものの,洗浄群でSSIが増加する結果となっていることから6),当院では必要以上の腹腔内洗浄は行わず,術中に胆Ⅱ.手術手技

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る