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2.術後創感染1739文 献1)高田忠敬編:急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018(第3版).医学図書出版,20182)GomiH,etal:Updatedcomprehensiveepidemiolo-gy,microbiology,andoutcomesamongpatientswithacutecholangitis.JHepatobiliaryPancreatSci24:310-318,20173)TomimaruY,etal:JHepatobiliaryPancreatSci27:451-460,20204)小浜和貴ほか:腹腔鏡下胆摘出術用のクリップを核として形成された総胆管結石.日消外会誌33:347-351,20005)高橋英雄ほか:腹腔鏡下胆嚢摘出術後,クリップの迷入による総胆管結石症の1例.日消外会誌29:85-88,19966)TanakaK,etal:Randomizedclinicaltrialofperito-neallavageforpreventingsurgicalsiteinfectioninelectiveliversurgery.JHepatobiliaryPancreatSci22:446-453,20157)RichardsPC,etal:Abdominalwoundclosure.Arandomizedprospectivestudyof571patientscom-paringcontinuousvs.interruptedsuturetechniques.AnnSurg197:238-243,19838)WetterLA,etal:Controlledtrialofpolyglycolicacidversuscatgutandnylonforappendicectomywoundclosure.BrJSurg78:985-987,1991以上,急性胆嚢炎手術における感染対策および周術期管理について概説した。急性胆嚢炎は重症度・併存疾患によっては手術や治療に難渋することもあるため,高次施設への搬送も含めた方針の十分な検討が必要である。1.クリニカルパス急性胆嚢炎においても,ほとんどの症例で待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術と同様のクリニカルパスによる周術期管理が可能である。図に当院で使用しているクリニカルパスを示す(図5)。手術室退室後,数時間で全覚醒確認後に飲水を開始し,術後1日目から食事を開始する。シャワー浴は,術後2日目以降に許可している。血液検査は術後1日目に行い,問題がなければ,術後3日程度で退院を許可している。術後に創感染を認めた場合は,創を開放し(un-roofing),排膿・洗浄を行う。また,創面に壊死組織が認められる場合にはデブリードマンを行う。肥満などによる難治例では陰圧閉鎖療法(nega-tivepressurewoundtherapy;NPWT)も積極的に考慮する。3.術後胆管炎胆嚢炎の術後に胆石の胆管内落石などにより胆管炎を起こすことがある。その場合,総胆管結石に対する内視鏡治療を検討することが必要であるが,あわせて抗菌薬の投与をしばしば要する。術中に回収した胆汁のグラム染色や培養検査の結果を参考に抗菌薬を選択していくが,初期には培養結果が判明していないこともあり,その場合は前述の胆汁分離菌の検出頻度を考慮し第2世代セフェムの投与を行う。Ⅲ.術後管理おわりに

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