2023年4月 最適な外科手術の基本は外科解剖の正確な理解であることは言うまでもありません。今回の臨時増刊号特集「イラストで見る消化器癌手術アトラス」は,本誌がこれまで臨時増刊号として取り上げてきた好評の特集「手術アトラス」に「イラスト」という視点をプラスしたものです。術中写真だけではなかなか把握しにくい外科解剖のポイントを,簡潔かつ明瞭なイラストで表現し,エキスパートの皆さまが重要視している外科解剖の要点を解説してくださっています。 外科解剖のパートではそれぞれの臓器,分野において根幹となる外科解剖のコンセプトを概説していただきました。領域ごとの各論では,さまざまな術式・アプローチにおける外科解剖を,ロボット支援手術など,最新の手術も含めて詳細に解説していただきました。画像技術の進歩や手術機材の進歩,アプローチの変化によって着目すべき外科解剖の概念は変化していきます。したがって,その時点における最新の術式について,トップリーダーの皆さまにご執筆いただけることは,たいへん意義深いものと考えております。 本特集は,エキスパートの皆さまから,これから手術を勉強する若手外科医の皆さまに至るまで,幅広い読者層にご活用いただけるよう配慮しました。本特集が日常臨床における手術の質の向上,さらにはより合理的な手技の開発に役立つことを期待しております。ご自身の知識,技術,考え方を惜しみなく提供くださったすべての執筆者の皆さまに心から感謝を申し上げまして,編集委員からの序に代えさせていただきます。北川 雄光慶應義塾大学外科(一般・消化器)教授
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