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9②①③よって露出しやすいところを選べばよい(図4)。脾動脈は膵への分枝と後胃動脈(上極動脈)などを分岐して脾臓に向かい,脾門付近で上終末動脈(上枝)と下終末動脈(下枝)に分岐する。膵に入る分枝は,図3のように頭部側から背側膵動脈,大膵動脈,膵尾動脈があり膵内でネットワークを形成しているがバリエーションが多く,経験的には3本同定できることは少なく,2本,あるいは1本のこともある。1)背側膵動脈90%以上の人に存在するとされ,腹腔動脈分岐部から1.5 cm以内の①脾動脈,②総肝動脈,あるいは③上腸間膜動脈近位から分岐する。それぞれの頻度は報告によりばらつきがあるが,いずれもほぼ同等にみられる。2)大膵動脈明確な定義は定まっておらず,「脾動脈から分岐し,背側膵動脈の次に血管径の太い動脈である」との定義が最も矛盾がない。存在しないこともしばしばある。3)膵尾動脈「最も末■側(尾側)から膵尾に分岐する動脈」Type 1(38%):脾動脈根部が膵の上に露出背側膵動脈①脾動脈根部1.5 cm以内②総肝動脈根部1.5 cm以内③上腸間膜動脈近位より分岐①〜③の頻度は同等Type 2(62%):脾動脈根部に膵実質がかぶっている脾動脈テーピングのポイント膵尾動脈(SpA本幹末梢または最も末端から膵に分岐)大膵動脈(同定できないこともある)膵上縁に沿ってリンパ節を剝離すると直交するSpAにあたる図2. 脾動脈根部と膵実質の関係図3. 脾動脈の膵への分岐538538脾温存膵体尾部切除に必要な局所解剖

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