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解剖学的肛門管外科的肛門管 B 肛門上皮2-4) C 肛門粘膜下筋3) D 内括約筋属器を欠き,組織学的には角化層の少ない独特な重層扁平上皮である。原発性裂肛は肛門上皮の裂創から始まる。歯状線より肛門側の肛門上皮下には平滑筋様の線維性筋性部が存在し肛門粘膜下筋(muscularis submucosa ani)と呼ばれる(図1,2)。急性裂創の底部の表面に見えるのは肛門粘膜下筋である(図2〜4)。内括約筋(internal sphincter)は直腸の輪状筋が肛門管の上縁のあたりから徐々に肥厚してできたもので,肛門縁より1 cmほど口側で,断面では半円形の丸みをもって終わる。内括約筋は多数の筋束が重なるようにまとまったものである3)。厚さ5 mm,全長3 cm程度であり,歯状線より肛門側は1.0±1.5 cmで,全長の40〜50%を占図2. 肛門粘膜下筋と内括約筋(写真下が12時方向)慢性裂肛の潰瘍底部に,肛門粘膜下筋と内括約筋を同時に認めたまれな症例である。両者の位置関係がよくわかる。外科的肛門管内腔は,肛門縁から歯状線までは肛門上皮(anoderm),歯状線から恥骨直腸筋上縁までは直腸粘膜,これらの上皮の境界に存在する移行帯上皮(transitional zone)で覆われている(図1)。肛門上皮は脂腺や毛根などの皮膚付肛門陰窩肛門導管肛門腺肛門粘膜下筋肛門裂創肛門柱肛門洞外痔核肛門乳頭肛門縁歯状線括約筋間溝図1. 肛門管の解剖(冠状断模式図)内括約筋内括約筋直腸輪状筋直腸縦走筋内痔核肛門上皮肛門挙筋恥骨直腸筋深外括約筋連合縦走筋浅外括約筋肛門粘膜下筋皮下外括約筋658658裂肛手術に必要な肛門部の局所解剖3

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