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b 肘部管中枢での偽神経腫(図10) 手根管同様,圧迫部位の中枢で神経は腫大しているため,肘部管症候群では内上顆レベルで尺骨神経の偽神経腫を認める症例が多い。Sugimotoらの報告7)でこの部位での尺骨神経の断面積正常上限は10.5 mm2とされており,筆者は10~11 mm2を超える症例は腫大している可能性を考慮している。長軸で神経の圧迫がはっきりとわかる症例もある。c 屈曲時の神経の前方脱臼(図11) 内上顆レベルを短軸像でみながら肘を屈曲すると,神経にテンションがかかり前方への移動がみられるが,中には内上顆を乗り越えて脱臼するものもある。神経だけが脱臼する症例や上腕三頭筋の内側頭とともに脱臼する症例もある。神経が内AB尺骨神経音響増強尺骨神経尺骨動脈ガングリオン514ガングリオン  整形・災害外科  る。長軸で神経の形態も確認する。 さらに内上顆レベルに短軸でプローブを当てたまま,肘を屈曲し,神経が前方に脱臼するかどうかを確認する。このときプローブを強く押し当てていると,実際には存在しないスナッピングがあるように見えるため注意する。 a 占拠性病変(ガングリオン)(図9) Guyon管症候群でみられる占拠性病変ではガングリオンが多い。ガングリオンはほぼ無エコーの腫瘤として確認でき,その深層の画像の信号が強くなる(白くなる)音響増強という現象が特徴である。ガングリオンで圧排された尺骨神経は扁平化している。長軸像でも神経を圧迫しているのがわかる。2 超音波画像所見図8尺骨神経描出時の手台の位置図9Guyon管症候群A 短軸像  B 長軸像

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