成人の脊椎脊髄疾患の画像診断ⅡABCA T1強調像では頚髄の一部で腫脹がみられる。B T2強調像では脊柱管狭窄がみられるが,狭窄部位に比して長大なA 頚髄は萎縮して広範に軟化しており,横断性に軸索や髄鞘の脱落,高度なグリオーシスを認め図6 神経サルコイドーシス症例の脊髄病理(図5と同一症例)図5 神経サルコイドーシス症例の頚髄MRIれ,造影効果は髄膜から始まり脊髄実質内に進展する傾向がある13)。神経サルコイドーシスの脊髄MRI所見を,早期の炎症を示す髄膜の造影効果がみられるstage 1,炎症が血管周囲腔を伝って脊髄実質内に進展し脊髄腫大を伴って広範な造影効果がみられるstage 2(図5),腫大が治まり部分的な造影効果が残るstage 3,造影効果が消失し造影効果が消失するstage 4の4段階に分類する考え方がある13)。造影効果はしばしば共存病変(特に頚椎症)の強い部位に生じやすく,診断の際には留意する必要がある14)。 病理学的には病変はくも膜,脊髄実質,神経根に認められ,活動期では炎症細胞浸潤や浮腫が強く,髄膜炎,脊髄炎,神経根炎の所見を呈する8)。また,多核巨細胞がみられる非乾酪壊死性類上皮肉芽腫が多発する。慢性期になると炎症細胞浸潤や浮腫は乏しくなり,類上皮肉芽腫は萎縮して瘢痕化し,線維化巣を形成するようになる8)(図6)。Vol.66No.52023― 595 ―BBC 造影MRIでは髄内の造影効果に加え,脊髄表面の軟膜にも一部造AAる。B 髄内に類上皮肉芽腫を認める。髄内高信号を認める。影効果を認める。
元のページ ../index.html#7