蕁麻疹・血管性浮腫Ⅱab45653(筆者作成)図1図2皮膚科の臨床 Vol.64 No.5 2022蕁麻疹の基本病態地図状や環状の膨疹討では5.4%2),海外での検討でも9%に過ぎなかったと報告された4)。 また,口腔粘膜から吸収された未消化の食物抗原が摂取後数分~十数分以内に口腔粘膜を中心とした浮腫,違和感を始めとするアレルギー症状を生じる例がある。これらは口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome;OAS)とよばれ,多種類の野菜,果物,ラテックス蛋白の交叉反応に注意する必要がある。❷ 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 特定の食物摂取後2~3時間以内に運動負荷が加わると生じるアナフィラキシー反応で,食物摂取のみでは症状が出現しないため診断には本病型を念頭に置いた問診が不可欠である。原因食物としては,本邦では小麦,エビの症例が多い。全年齢に生じるが,特に10歳台の報告が多い5)。また,症状は非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs,以下NSAIDs)により誘発しやすい。症状の出現しやすさは疲労やNSAIDsなどの増悪因子の影響を受け,症状を出現させる食物と運動の量は必ずしも一致しない。❸ 非アレルギー性の蕁麻疹 臨床症状や原因物質への曝露により症状を生じる点ではアレルギー性の蕁麻疹と同様だが,アレルギー機序を介さない。造影剤やサバ,タケノコの摂取により生じるものがある。❹ アスピリン蕁麻疹 アスピリンを始めとするNSAIDsの内服,注
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