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ⅥⅦ高額療養費制度や付加給付金制度を活用することで,同額でもさらに積極的な治療を提案できることがわかりました! 乾癬を例にあげていただきましたが,他の疾患でも活用してみます。皮膚科における高額医療と自己負担 乾癬の難治例では種々の悪化因子を有する場合が多い。例えば,喫煙もそのひとつである。タバコ1箱は約500~600円であり,タバコ代だけで月に1万円程度は消費している。また,過度の飲酒による脂肪肝も悪化因子の1つである。このように減煙や節酒などの生活指導によって治療費の捻出が可能である。このような生活指導によって,悪化因子が減るばかりでなく,経済的負担の軽減も可能である。 治療法の提案をする場面で,「お金」について患者に訪ねることは躊躇する事項である。しかし,現在の治療内容がどの程度の負担額かを把握することができれば,同額での新たな治療法を提案することが容易である。乾癬の治療費は予想以上に高額になっている場合があるため,治療費の負担額についても一定の理解をする必要がある。 仮想例:勤務医(私立大学に勤務)が乾癬に罹患し,アプレミラスト(オテズラ®)60 mg/日とステロイド・ビタミンD3配合薬60 g/月で毎月(30日ごと)治療を受けたとする。負担額の概算は約2万円/月である。 切り替え案—1:生物学的製剤で治療した場合の高額療養費制度の区分は「ア」となるため,IL—23阻害薬で治療した場合には,15万円/回/月で,年間の負担額の試算は約60~75万円程度となると予想される。しかしながら,所属している保険組合には付加給付金制度があるために,1カ月の上限額は2.5万円/月となり,年間の負担額は約10万円(約8千円/月)となる。このように,生物学的製剤を使用した場合には薬剤費は高額であるが,付加給付金制度があるため,個人的負担額は低くなる。 切り替え例—2:前述のように1カ月ごとに上記治療(オテズラ®+外用薬)では,2万円/月の負担額になる。症状が安定した場合は3カ月分処方が可能な場合がある。上記治療で3カ月分処方すると負担額は約6万円となるが,付加給付金制度があるために,処方月の負担額は6万円→2.5万円(3カ月分)となる。結果として1カ月で換算すると,0.8万円/月の負担額となる。このように,長期処方を活用すると付加給付金がある場合は負担額が低くなる。◆◆◆990990302文 献 1) 梅澤慶紀ほか:臨皮,69:171—175,2015治療例生活指導の重要性

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