acⅡb図6背景色の違いによる写真の見え方a,b:同じ撮影条件で撮影したものであるが,aのほうが明るく皮疹がシャープに映っており,また皮膚と布の境界部がよりはっきりと識別できることがわかる。c:使用している背景布の一例。臨床写真の撮り方すぎる色の布ではカメラが背景を明るいと認識して暗くしようと自動調整してしまい,全体的に暗い写真ができあがってしまう。個人的には紺~明るすぎない青系統の布をよく使用する(図6—c)。ほどよく引き締まって写り,肌の色や髪の色,皮疹(特に広範囲のもの)の色と交じり合わず汎用性があるからであるが,好みもあるのでさまざまな色で試してもらうとよい。5.撮影を行う時期 日々の診療では忙しく,億劫に感じてカメラから遠ざかってしまうこともしばしばある。そこで自分のなかで「こういうときには写真を撮る」ということを決まりごとにすることをお勧めしたい。 具体的には,外来初診時,入院時,手術直前,はまず写真撮影を必須とする。 さらに疾患に応じて,治療導入時,治療変更時,悪化時,経過観察の写真は一定の間隔を決めて,撮影することを心がけると,後になって欲しい写真がないという事態は避けられる。ぜひ決まりごとを作って習慣にしてもらえれば幸いである。101410143261.カメラの構え方と姿勢 撮影にあたってはカメラ全体が重く,手ぶれの可能性があるため,まずカメラの構え方を正しくできるようにしたい。具体的には,脇をしめてカメラ本体を両手で包み込むように持ち,額あるいは鼻に押し付けて保持する(図7—a,b)。脇をしめるのがポイントで,安定感が異なるので是非意識的に行いたい。それでもまだ安定しない人は,椅子の肘部分に肘をつける,壁や机など撮影にあたって
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