3はきのこのような腫瘤期の病変の形状に由来する。息肉3エントリーステージ3は花びらのこと。花びらのような。 過誤腫 腫瘍と間違われるもの。臓器や器官に特有の細胞が臓器内で過剰に発育・増殖した状態。 痂 皮 痂3はかさぶたのこと。乾燥した血清,血液または膿で構成される。痂皮形成は炎症性または感染性皮膚疾患で生じることがある。 花弁状 花弁3 鵞卵大 ガチョウの卵程度の大きさ。90×60 mm程度。 肝 斑 もともとは形が肝臓に似ていたためにつけられた。両頰部や下顎部に好発する左右対称の茶褐色の色素斑。 柑皮症 柑橘類を過剰に摂取した際の皮膚の黄染。手掌,足底に好発する。 灌 流 灌3は水を注ぎ込むこと。臓器や組織,細胞に液体を流すこと。 棘 状 棘のように尖っている状態。 魚鱗癬 魚の鱗のようなかさ(できもの)。著しく厚く硬い鱗屑を伴う皮膚疾患。先天性/後天性のものがある。 菌状息肉症 菌状33はポリープ状の軟組織のこと。T細胞リンパ腫のうちもっとも頻度が高いもの。紅斑,腫瘤といった皮膚症状が出現する。 胡桃大 クルミの実程度の大きさ。径35 mm程度。 鶏 眼 もともとは鶏の目に似ていることから名づけられた。大人の足に好発する径5 mm程の硬い皮膚病変。いわゆるウオノメ。 鶏卵大 ニワトリの卵程度の大きさ。60×30 mm程度。 下 疳 疳3は「かんの虫」。陰部にできるかんの虫による疾患という意味。陰部に好発し,疼痛を伴う潰瘍を生じる。 結 核 菌が核となり,結節を作るという意味。結核菌に感染し,皮膚症状をきたしたもの。 硬 結 硬い結節。皮膚深層に及ぶ肥厚は,浮腫,炎症,浸潤(腫瘍の浸潤も含む)によって生じる。● さ 行 鰓 性(さいせい) 鰓3はえら。胎生期に耳前部から頸部の鰓弓を分けている鰓裂(鰓溝と咽頭囊をあわせた呼び方)の遺残からできたもの。鰓性囊胞など。 細 網 網目のように細かいこと。真皮の血管周囲の好銀性の線維を細網線維とよぶ。 錯角化 錯3は混じり合う,乱れる。角化が不完全なために,角層の細胞にも核が残存している状態。不全角化ともよぶ。通常,角化細胞は角層に到達した時点で脱核するが,一部の疾患では細胞形成が急速におこるために脱核が間に合わず,角層に核が残ることがある。 痤 瘡 痤3はえのご(もともとは股の付け根のリンパ節の腫れ)。思春期以降に発症することが多い顔面や胸背部の毛包・脂腺系を場とする脂質代謝異常,角化異常や細菌の増殖が複雑に関与する炎症性疾患。面皰や紅斑,丘疹,膿疱,瘢痕などのさまざまな皮疹が生じる。 持久性 長期間にわたり持続していること。皮膚の状態が持続すること。持久性隆起性紅斑など。 湿 潤 湿って潤っていること。湿気を帯びていること。創傷などで皮膚の組織が破壊されると創部が湿潤な環境となる。治癒の過程では湿潤した環境をコントロールすることが重要である。7695695皮膚科の臨床 Vol.65 No.6 2023
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