*Yoshihiro UMEBAYASHI,東京医科大学八王子医療センター,皮膚科KEY WORDS見えている皮疹を発疹学の言葉で表現できるようになると,自ずと候補となる疾患が絞られてくるんだ。具体例をあげて説明したいけど,私は外勤に出かけるのでトウヨウ先生に教えてもらうといいよ。(退場) 「発疹」「皮疹」と「湿疹」「蕁麻疹」の違いは,前者が症候名で後者が疾患名ということである。一般人がこの区別をつけられないのはやむを得ないが,プロを名乗る以上は両者を峻別すべきである。何故なら疾患名は診断がついてから使う言葉だから,「湿疹」「蕁麻疹」と言ったらすでに診断は下っていることになる。診断を含めコンサルタントに相談する場合は症候名である「発疹」「皮疹」を使わないと混乱のもとになる。 皮膚科の教科書では,症候を扱っている章を「発疹学」と題することが多い。発疹学は皮膚科皮疹,アルゴリズム,徹底的検討法,パターン認識,仮説演繹法「皮膚科医は皮疹を見ればすぐに病名がわかる」なんて聞きますが,僕はまだその域には達しません。疾患名に至るまでのプロセスを知りたいです。梅林 芳弘*やあ。あ,よろしくお願いします。若手先生は教科書,何を使っている?「あた皮膚」です。「あたおか」みたいに縮めて言うんじゃないよ。わはははは。(豪快に笑う先生だなぁ……)。70070012エントリーステージ皮疹のみかた ①トウヨウ先生の話 「発疹」とは皮膚に現れる変化の総称である。「皮疹」ともいうが,粘膜の発疹は「粘膜疹」であるから「発疹」のほうが広い概念ともいえる。皮疹をみたときの診断プロセス
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