ベーシックステージABBabⅡ b : 極早期の皮疹であり,有棘層の細胞間に好中球が多数浸潤し,Kogoj図2汎発型の膿疱性乾癬の病理組織像 a : 少し時間のたった皮疹からとられたもので,表皮内の膿疱が角層内に図1汎発型の膿疱性乾癬皮膚生検に適した皮疹をA,Bから選ぶとしたら,どちらにするだろう。正解はBであり,膿疱が小さいほど早期の病変でありKogoj海綿状膿疱の病理像が得られやすい。移行しており,Kogoj海綿状膿疱の所見は失われている。海綿状膿疱の所見を得ることができた。 表皮が欠損した部位では強い炎症性の反応がみられるため,本来の病態を反映した組織像がわかりにくくなる。したがって,潰瘍のない皮疹を選ぶか,そのような皮疹がなければ潰瘍の周囲の皮膚を十分に含んでメスで紡錘形に生検をする。潰瘍の原因として血管炎や血管症があるが,潰瘍底の真皮内の血管は変性してしまうので,潰瘍化の前に血管炎や血管症の変化があったのかどうかはわからない。このため,周囲のまだ潰瘍化していない部分の真皮や皮下を生検しなけれ39727727皮膚科の臨床 Vol.65 No.6 2023潰瘍を伴う皮疹
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