ab956956158立ち読みでは写真を削除しています誌面ではカラー写真を掲載しています図5 Bowen病 a :臨床像;わずかに角化した不整形の淡褐色斑。内部に乳頭状丘疹を伴う。 b :ダーモスコピー像;脱色素領域を混じる淡紅色~淡褐色の無構造領域がみられ,わずかに乳頭状構造を伴う。また辺縁には線状に配列する褐色または灰色の小点(青破線)および小点状血管がみられる(白破線)。淡く乳頭状構造が目立ち,ダーモスコピーにおいても白っぽいハローに囲まれたヘアピン血管などの高度に血管化した構造がみられるが,色素沈着に乏しい点でBPとは異なる1)。 陰部のBowen病(Bowen’s disease;BD)では,通常,陰茎包皮上に生じた場合,無症候性で単発の鱗屑を伴うピンク色~紅色斑として観察される。過去の報告例では色素性BD(pigmented BD;pBD)が多い(図5a,b)4)。進行してくると内部に丘疹が生じ,徐々に結節を形成する。一方,ケーラー紅色肥厚症(erythroplasia of Queyrat)は,亀頭または臓側包皮の「粘膜」表面に,湿潤した,またはビロード状の明瞭で明るい紅斑としてみられる5)。陰部のBDは,他の部位における一般的なpBDと同様のダーモスコピーパターンを示すことが多い4)5)。また,BPと同様に外陰部のpBDにおいても,色素沈着は病変の辺縁部に線状に並んだ褐色または灰色の小点が観察される。そのほか,pBDでは脱色素領域,ときに瘢痕様領域もみられるが,血管所見に乏しい場合もある。 陰部の基底細胞癌(basal cell carcinoma;BCC)の報告は少なく,BCCの約80~85%は頭部および頸部に,15%は体幹に発生し,性器領域に存在するBCCは0.5%未満とされる(図6a,b,ⅣBowen病Ⅴ基底細胞癌
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