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原病肺,慢性線維性過敏性肺炎,喫煙関連の慢性間質性肺炎(図3)に遭遇することが多い。 経過観察時の読影では慢性間質性肺炎の進行具合と合併症の有無について言及することが望ましい。慢性間質性肺炎は緩徐に進行することも多いので,直前のCTのみならず,できるだけ以前の画像と比較して間質性肺炎の進行具合を評価し,言及することが望ましい。一方,合併症として慢性間質性肺炎の急性増悪と肺癌の合併が特に重要である。慢性間質性肺炎の急性増悪とは,慢性間質性肺炎の経過中に急速に進行する呼吸困難で発症し,両肺に新たにすりガ1272AAAA図1 特発性肺線維症(IPF)A, B:HRCT60歳代,男性。労作時呼吸困難にて受診。両肺末梢優位,下葉肺底部優位の分布を示す網状影が認められ,下葉末梢優位に蜂巣肺が認められる。蜂巣肺を伴うUIP patternの慢性間質性肺炎である。図2 慢性間質性肺炎(NSIP pattern)A:HRCT,B:再構成冠状断像80歳代,女性。レイノー症状にて総合臨床部受診。両肺下葉優位に気管支血管束周囲に分布する傾向がある網状影を認め,牽引性気管支拡張,下葉の容積減少を伴っている。NSIP patternの慢性間質性肺炎である。膠原病疾患の診断基準は満たさず,特発性として経過観察中である。BBBB臨床放射線 Vol. 67 No. 11 2022

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