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スポーツ救命講習会テキスト
日本サッカー協会が編集した救命講習会テキストブック、遂に登場!
編 集 | 公益財団法人日本サッカー協会 |
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定 価 | 1,100円 (1,000円+税) |
発行日 | 2017/05/20 |
ISBN | 978-4-307-00481-7 |
A5判・48頁・カラー図数:40枚
在庫状況 | あり |
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競技中に救命救急が必要な場面に遭遇した時、ピッチ上の選手及び競技関係者が適切な応急処置が出来ることを目指して、日本サッカー協会が編集した講習会テキスト。心臓発作時のAEDの使い方をはじめ、脱水症状や熱中症などについての応急措置、突然のアレルギー症状、異物による窒息状態の対応の仕方など基本的な処置方法を多数のイラストでわかりやすくまとめた。公式テキストとして日本サッカー協会主催の講習会にて使用されます。
日本サッカー協会医学委員会委員長 挨拶
日本サッカー協会スポーツ救命プロジェクトリーダー 挨拶
日本サッカー協会スポーツ救命プロジェクトメンバー 一覧
1 スポーツの最中に心臓が止まってしまったら…!
2 大切ないのちを守る4つのバトンリレー
〈救命の連鎖〉が傷病者を救い、社会復帰に導きます
3 メディカルチェックがスポーツ中の突然死を防ぎます
突然死の予防とメディカルチェックの実施
4 スポーツ中の突然死の原因は年齢により異なります
選手の健康といのちを守るPCMAの実施
5 突然倒れてしまったとき その場でできる緊急処置
突然死の予防――心肺蘇生の手順を知っておこう!
AEDの使い方のポイント
CPRの継続・中止と、人工呼吸の進め方
6 脱水状態になると熱中症のリスクが高まります
スポーツ中の熱中症の大半は健康な10代の男女に起きます
熱中症になった場合の応急処置
7 脳振盪はいのちに関わる危険な状態です
スポーツ中の脳振盪は速やかに運動を中止します
脳振盪が疑われたときは〈24時間以内の対応〉を
8 アレルギー症状の過敏反応が選手の健康を脅かします
意識障害や死に至る危険を招くアナフィラキシー
9 異物による窒息の場面に遭遇したときは…
窒息の対応は早期の段階から気道閉塞を認識すること
10 けがで倒れたときの対応
傷病者の体位を確保し、安全に搬送するまでの方法
■救命の実例と具体的な対応方法
救命の実例1―フットサル大会でシュートを受けて心臓震盪発生
救命の実例2―AEDボランティアがスタンドから現場に駆けつけ対応
心停止からいのちを救うAEDを探そう!
日本サッカー協会スポーツ救命プロジェクトリーダー 挨拶
日本サッカー協会スポーツ救命プロジェクトメンバー 一覧
1 スポーツの最中に心臓が止まってしまったら…!
2 大切ないのちを守る4つのバトンリレー
〈救命の連鎖〉が傷病者を救い、社会復帰に導きます
3 メディカルチェックがスポーツ中の突然死を防ぎます
突然死の予防とメディカルチェックの実施
4 スポーツ中の突然死の原因は年齢により異なります
選手の健康といのちを守るPCMAの実施
5 突然倒れてしまったとき その場でできる緊急処置
突然死の予防――心肺蘇生の手順を知っておこう!
AEDの使い方のポイント
CPRの継続・中止と、人工呼吸の進め方
6 脱水状態になると熱中症のリスクが高まります
スポーツ中の熱中症の大半は健康な10代の男女に起きます
熱中症になった場合の応急処置
7 脳振盪はいのちに関わる危険な状態です
スポーツ中の脳振盪は速やかに運動を中止します
脳振盪が疑われたときは〈24時間以内の対応〉を
8 アレルギー症状の過敏反応が選手の健康を脅かします
意識障害や死に至る危険を招くアナフィラキシー
9 異物による窒息の場面に遭遇したときは…
窒息の対応は早期の段階から気道閉塞を認識すること
10 けがで倒れたときの対応
傷病者の体位を確保し、安全に搬送するまでの方法
■救命の実例と具体的な対応方法
救命の実例1―フットサル大会でシュートを受けて心臓震盪発生
救命の実例2―AEDボランティアがスタンドから現場に駆けつけ対応
心停止からいのちを救うAEDを探そう!
【ご挨拶】
サッカーを愛する人のいのちを大切に守るために
サッカーは、世界中の至る所で老若男女を問わずにプレーされていますが、それはプレーすること自体が楽しく、健康にも良いと考えられているからです。一方で、スポーツにけがは付きものというように、サッカーもその例外ではありません。そのため、スポーツ医学は「けがの治療」を中心に進歩してきましたが、近年では治療より予防が重要視されています。予防が重要視されるもう一つの背景としては、ピッチ上での突然死の問題があります。
2003年6月、カメルーン対コロンビア戦のピッチ上で、カメルーンのフォエ選手(28歳)は心臓発作で倒れ帰らぬ人となりました。国際サッカー連盟(FIFA)はピッチ上での突然死を予防するため、メディカルチェックを義務化しましたが、2016年5月、海外でプロサッカー選手2名が2日続けてピッチ上に倒れ、メディカルチェックだけでは突然死は予防できないこと、そして、ピッチ上での救命処置がいかに重要かを再認識させられました。日本サッカー協会(JFA)は、ピッチ上の安全を確保するため、国内トップチームのトレーナーに対して、BLS(Basic Life Support:一次救命処置)講習会の受講を義務化しました。
また、ピッチ上での死亡事故としては、熱中症も問題視されています。JFAは熱中症対策として、2016年3月に「熱中症対策ガイドライン」を策定しましたが、このガイドラインでは暑さ指数(WBGT)が31℃を超えた場合、ピッチサイドに「医師、看護師、BLS資格保持者のいずれかを常駐させる」ことを義務化しました。救命救急の現場において最も難しいことは、いのちを救いたいという思いを行動に移すことかもしれませんが、BLS講習会での経験は、必ずその勇気を持たせてくれるはずです。
この「スポーツ救命講習会テキスト」は、より安全なピッチづくりを目指してつくられましたが、同時に、いのちの尊さ、いのちを守る勇気を感じとっていただけましたら幸いです。
日本サッカー協会医学委員会 委員長 池田 浩
【序】
多くの人たちがスポーツを安全に楽しむために
1991年に「救急救命士法」が制定され、医療機関に傷病者が搬送される前に、救急救命士による処置が開始されるようになりました。筆者が所属する救命センターには、ラピッドカー(RC)が配備されており、医師や看護師を乗せたRCが現場に向かい、現場で処置や治療を開始することができます。これからはドクターヘリやRCなど病院へ搬送する前の医療が益々発展していくものと思われます。
それでも筆者らが現場に出動し、窒息や突然の心停止、大けがの傷病者を前にして思うことは、「もう少し早く対処できていれば、もっと早くAEDが作動していれば尊い命を救うことができたかもしれない」ということです。医師や救急隊が現場に着く前に胸骨圧迫を行ったり、AEDを作動させたり、応急処置ができるのは、救急救命士やRCのクルーではなく、本書を読まれている皆さんなのです。
我が国では、2004年7月より、医療従事者でなくともAEDを使用することができるようになり、AEDはこの10年足らずの間で急速に普及してきました。しかし、2011年サッカー元日本代表の松田直樹選手の事例をはじめ、同じような事例はサッカーや野球などのスポーツで過去にも数多く報告されています。どの事例も現場でAEDが速やかに使用されていたら救命できた可能性があります。
本書では、胸骨圧迫やAEDの使用法について説明していますが、スポーツの現場でよく経験する応急処置が必要な他の傷病(脳振盪、熱中症など)についても解説しました。また、アナフィラキシーショックや窒息などは、直接スポーツの現場で経験することは少ないかもしれませんが、医師が診る前に読者の皆さんが症状などについて知っておけば、対応の仕方が違ってくると考え記載しました。
最後に、本書を読まれた皆さんが、スポーツを通して生じるさまざまな傷病に対して、正しい知識を学ばれ、救急隊や医師が現場にいなくても適切な応急処置が躊躇なくでき、多くの人たちがスポーツを安全に楽しむことができるようになることを切望してやみません。
スポーツ救命プロジェクトリーダー 田中 裕
サッカーを愛する人のいのちを大切に守るために
サッカーは、世界中の至る所で老若男女を問わずにプレーされていますが、それはプレーすること自体が楽しく、健康にも良いと考えられているからです。一方で、スポーツにけがは付きものというように、サッカーもその例外ではありません。そのため、スポーツ医学は「けがの治療」を中心に進歩してきましたが、近年では治療より予防が重要視されています。予防が重要視されるもう一つの背景としては、ピッチ上での突然死の問題があります。
2003年6月、カメルーン対コロンビア戦のピッチ上で、カメルーンのフォエ選手(28歳)は心臓発作で倒れ帰らぬ人となりました。国際サッカー連盟(FIFA)はピッチ上での突然死を予防するため、メディカルチェックを義務化しましたが、2016年5月、海外でプロサッカー選手2名が2日続けてピッチ上に倒れ、メディカルチェックだけでは突然死は予防できないこと、そして、ピッチ上での救命処置がいかに重要かを再認識させられました。日本サッカー協会(JFA)は、ピッチ上の安全を確保するため、国内トップチームのトレーナーに対して、BLS(Basic Life Support:一次救命処置)講習会の受講を義務化しました。
また、ピッチ上での死亡事故としては、熱中症も問題視されています。JFAは熱中症対策として、2016年3月に「熱中症対策ガイドライン」を策定しましたが、このガイドラインでは暑さ指数(WBGT)が31℃を超えた場合、ピッチサイドに「医師、看護師、BLS資格保持者のいずれかを常駐させる」ことを義務化しました。救命救急の現場において最も難しいことは、いのちを救いたいという思いを行動に移すことかもしれませんが、BLS講習会での経験は、必ずその勇気を持たせてくれるはずです。
この「スポーツ救命講習会テキスト」は、より安全なピッチづくりを目指してつくられましたが、同時に、いのちの尊さ、いのちを守る勇気を感じとっていただけましたら幸いです。
日本サッカー協会医学委員会 委員長 池田 浩
【序】
多くの人たちがスポーツを安全に楽しむために
1991年に「救急救命士法」が制定され、医療機関に傷病者が搬送される前に、救急救命士による処置が開始されるようになりました。筆者が所属する救命センターには、ラピッドカー(RC)が配備されており、医師や看護師を乗せたRCが現場に向かい、現場で処置や治療を開始することができます。これからはドクターヘリやRCなど病院へ搬送する前の医療が益々発展していくものと思われます。
それでも筆者らが現場に出動し、窒息や突然の心停止、大けがの傷病者を前にして思うことは、「もう少し早く対処できていれば、もっと早くAEDが作動していれば尊い命を救うことができたかもしれない」ということです。医師や救急隊が現場に着く前に胸骨圧迫を行ったり、AEDを作動させたり、応急処置ができるのは、救急救命士やRCのクルーではなく、本書を読まれている皆さんなのです。
我が国では、2004年7月より、医療従事者でなくともAEDを使用することができるようになり、AEDはこの10年足らずの間で急速に普及してきました。しかし、2011年サッカー元日本代表の松田直樹選手の事例をはじめ、同じような事例はサッカーや野球などのスポーツで過去にも数多く報告されています。どの事例も現場でAEDが速やかに使用されていたら救命できた可能性があります。
本書では、胸骨圧迫やAEDの使用法について説明していますが、スポーツの現場でよく経験する応急処置が必要な他の傷病(脳振盪、熱中症など)についても解説しました。また、アナフィラキシーショックや窒息などは、直接スポーツの現場で経験することは少ないかもしれませんが、医師が診る前に読者の皆さんが症状などについて知っておけば、対応の仕方が違ってくると考え記載しました。
最後に、本書を読まれた皆さんが、スポーツを通して生じるさまざまな傷病に対して、正しい知識を学ばれ、救急隊や医師が現場にいなくても適切な応急処置が躊躇なくでき、多くの人たちがスポーツを安全に楽しむことができるようになることを切望してやみません。
スポーツ救命プロジェクトリーダー 田中 裕