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できる!臨床研究 最短攻略50の鉄則
臨床研究の基礎知識と実践的なスキルを50の鉄則に基づき解説!
好評の「必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則」に続く“50の鉄則”の続編登場!
本書は医学部の6年間では十分教育されない臨床研究の基礎知識と実践的なスキルを伝授する。日常臨床からクリニカル・クエスチョンを紡ぎ出し臨床研究につなげるデザイン力、臨床研究に必要な疫学・統計学の基礎知識、臨床研究タイプ別にデータ収集・データ分析等を詳細に解説。本書が掲げる50の鉄則が臨床研究完成のための最短の道を照らす。この一冊があれば今日から臨床研究を始められる。臨床研究を目指す全ての方必読の書。
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本書は医学部の6年間では十分教育されない臨床研究の基礎知識と実践的なスキルを伝授する。日常臨床からクリニカル・クエスチョンを紡ぎ出し臨床研究につなげるデザイン力、臨床研究に必要な疫学・統計学の基礎知識、臨床研究タイプ別にデータ収集・データ分析等を詳細に解説。本書が掲げる50の鉄則が臨床研究完成のための最短の道を照らす。この一冊があれば今日から臨床研究を始められる。臨床研究を目指す全ての方必読の書。
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第1章 臨床研究・はじめの一歩
1.臨床研究の心構え
2.臨床研究の役割
3.臨床研究の分類
第2章 症例報告と症例シリーズ
1.症例報告/症例シリーズとは
2.症例報告論文を書こう
3.症例シリーズ研究
第3章 臨床研究のデザイン力を磨く
1.クリニカル・クエスチョンを紡ぎ出す
2.クリニカル・クエスチョンからリサーチ・クエスチョンへ
3.研究プロトコール
第4章 臨床研究に必要な疫学の基礎
1.内的妥当性と外的妥当性
2.誤差
3.観察研究の型
4.コホート研究
5.症例対照研究
6.その他の観察研究
7.診療ガイドライン
第5章 臨床研究に必要な統計学の基礎
1.統計用語の基礎知識
2.統計学的検定
3.因果推論
4.多変量回帰分析
第6章 治療効果の比較
1.効果比較研究の基礎
2.傾向スコア分析
3.操作変数法
4.ランダム化比較試験
第7章 診断研究
1.診断研究の意義
2.診断の正確度
3.診断の一致度
第8章 臨床予測モデル
1.リスク因子と予後因子
2.アウトカム指標
3.臨床予測モデル
第9章 QOL評価
1.QOL評価の意義
2.QOL尺度
3.QOL評価研究の実践
4.QOL評価に対する批判
第10章 大規模医療データベース研究
1.大規模医療データベースとは
2.大規模医療データベースの類型
3.大規模医療データベース研究の課題
4.ヘルスサービスリサーチ
コラム
1. 日常臨床におけるヒューリスティックス
2. 職業としての学問
3. 偶然は三度起こらない
4. 客に出せる料理をつくる
5. ノーベル賞をもらうと長生きする?
6. 科学者とあたま
7. なぜ医師はガイドラインに従わないのか?
8. 疫学・統計学の専門家へのコンサルト
9. 森鴎外と脚気
10. 偽手術に効果あり?!
11. 冲中教授の「誤診率」
12. 臨床研究を学ぶ機会
13. なぜ医師は効果のない治療をやるのか?
索引
1.臨床研究の心構え
2.臨床研究の役割
3.臨床研究の分類
第2章 症例報告と症例シリーズ
1.症例報告/症例シリーズとは
2.症例報告論文を書こう
3.症例シリーズ研究
第3章 臨床研究のデザイン力を磨く
1.クリニカル・クエスチョンを紡ぎ出す
2.クリニカル・クエスチョンからリサーチ・クエスチョンへ
3.研究プロトコール
第4章 臨床研究に必要な疫学の基礎
1.内的妥当性と外的妥当性
2.誤差
3.観察研究の型
4.コホート研究
5.症例対照研究
6.その他の観察研究
7.診療ガイドライン
第5章 臨床研究に必要な統計学の基礎
1.統計用語の基礎知識
2.統計学的検定
3.因果推論
4.多変量回帰分析
第6章 治療効果の比較
1.効果比較研究の基礎
2.傾向スコア分析
3.操作変数法
4.ランダム化比較試験
第7章 診断研究
1.診断研究の意義
2.診断の正確度
3.診断の一致度
第8章 臨床予測モデル
1.リスク因子と予後因子
2.アウトカム指標
3.臨床予測モデル
第9章 QOL評価
1.QOL評価の意義
2.QOL尺度
3.QOL評価研究の実践
4.QOL評価に対する批判
第10章 大規模医療データベース研究
1.大規模医療データベースとは
2.大規模医療データベースの類型
3.大規模医療データベース研究の課題
4.ヘルスサービスリサーチ
コラム
1. 日常臨床におけるヒューリスティックス
2. 職業としての学問
3. 偶然は三度起こらない
4. 客に出せる料理をつくる
5. ノーベル賞をもらうと長生きする?
6. 科学者とあたま
7. なぜ医師はガイドラインに従わないのか?
8. 疫学・統計学の専門家へのコンサルト
9. 森鴎外と脚気
10. 偽手術に効果あり?!
11. 冲中教授の「誤診率」
12. 臨床研究を学ぶ機会
13. なぜ医師は効果のない治療をやるのか?
索引
はじめに
本書を手に取っていただいている読者の皆さんの中には、臨床研究に興味がある、あるいはこれから臨床研究に真剣に取り組みたい、と考えている若手の臨床家も多いだろう。
皆さんの中には、ふだん、次のように考えている方がいるはずである。
「日常臨床が忙しすぎて、研究どころではない」
「臨床研究など、やったことがないし、やり方もよくわからない」
「やりたいが、テーマが見つからない」
「何から手を着けたらいいのか、わからない」
「統計学もよくわからないし、うまく研究できるかどうか自信がない」
本書は、医学部の6年間では充分に教育されない、臨床研究の基礎知識と実践的なスキルを磨くための教材である。筆者は臨床疫学の専門家であり、日常的に若手研究者の臨床研究に関するさまざまな相談に乗り、個別にアドバイスをしている。そのような経験から痛切に感じることは、臨床研究を志す若手研究者が、研究遂行にあたってさまざまな困難に突きあたり、解決の糸口すら見つからない悩みを抱え、独り悶々としている現実である。本書は、そのような状況を改善させることのできる一冊である。
日本の大学医学部では、基礎系教室だけでなく、臨床系教室でも基礎実験研究に力を入れていることが多い。臨床研究の経験が豊富で若手に臨床研究の指導をできる教員はまだ多くない。それは、日本の医学研究の歴史的背景に基づいている。明治時代、日本はドイツから医学を輸入した。基礎実験を重視する当時のドイツ医学のスタイルは、旧帝国大学医学部を中心に全国の大学に広がった。その流れは現在も続き、日本の医学研究は今も基礎実験研究が多い。日本の臨床研究は2000年頃からようやく増え始め、まだ20年ぐらいの歴史である。
本書は、臨床研究を志す学生や若手の臨床家・研究者だけでなく、若手を指導をする立場にある研究者にもヒントになる内容を多く盛り込んでいる。
本書の具体的な内容は、以下のとおりである。
(1)研究の準備など、これから臨床研究を始める研究者に必要な知識と心構え
(2)日常臨床からクリニカル・クエスチョンを紡ぎ出し、臨床研究につなげるデザイン力
(3)臨床研究に必要な疫学・統計学の基礎知識
(4)臨床研究のタイプ別(治療効果比較、臨床予測モデル、診断研究、QOL評価、大規模データベース研究)の方法論の解説
金原出版から刊行された前書『必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則』は、主として研究終了後の論文執筆メソッドを伝授する内容であった。本書はその前段階である、実際の臨床研究の立案・研究デザイン・データ収集・データ分析に関する詳細な解説である。したがって本書は、前書との併用が強く勧められる。
本書には、類書とは異なる、以下のような強みがある。
1.東大大学院の授業で実際に教えられているメソッドである
本書に示されている臨床研究の方法論は、筆者が教鞭を取る東京大学大学院医学系研究科における「臨床疫学」講義の内容に準じている。実際に、臨床研究の経験がなかった多くの受講生たちが、本書に書かれているメソッドを用いて鍛錬を積み、自ら臨床研究を実践し、論文出版の実績を挙げている。
2.筆者は臨床疫学の専門家である
臨床医の執筆による類書は、自分の経験談に終始して一般性に欠ける内容が多い。本書は、臨床研究を臨床医学・疫学・統計学の知識と知恵の集大成と捉え、それらをフルに動員した臨床研究の高度なメソッドをわかりやすく伝授する内容となっている。
統計学の専門家による類書は、難解な統計学の理論の解説が多い。臨床家は統計学の詳しい理論など知らなくてよい。本書の第5章「臨床研究に必要な統計学の基礎」に書かれている内容を理解すれば充分である。臨床家にとって必要なことは、豊かな発想で研究のアイデアを着想し、適切な研究デザインを設定し、研究仮説に沿ったデータを漏れなく、しかも正しく測定し、適切な統計手法を選択できることである。本書はそのノウハウを伝授するものである。
3.臨床研究に関する最新動向を盛り込んでいる
近年の臨床研究で多用されている応用統計(傾向スコア分析など)の実践的な技法をわかりやすく解説している。また、最近の臨床研究のトレンドである大規模医療データベース研究についても詳述している。
本書はランダム化比較試験についてはあまり詳しく触れていない。本書ではむしろ、ランダム化比較試験の代替となる、より実現性の高い観察研究についての解説に力点を置いている。ランダム化比較試験の作法を解説している書籍は多くある。その内容は画一的で、読んで理解するのはさほど難しくない。しかしその知識は、多くの若手研究者にとってすぐには役に立たない。なぜなら、ほとんどの若手研究者は巨額の費用がかかるランダム化比較試験を自ら実践することはないからである。若手研究者は、少ない予算(あるいは予算ゼロ)で、研究の限界に向き合いながら、何とかアイデアを絞り出し、自分がふだん勤めている施設の患者からとれるデータを取り、何とか意味のある分析結果をひねり出し、論文を書き上げる必要がある。本書は、そうした若手研究者の救いとなる一冊である。
本書は、2013年7月から2014年6月まで金原出版『整形・災害外科』に連載されたシリーズ「臨床研究の考え方と分析手法」を大幅に加筆修正したものである。雑誌連載にあたってお力添えを頂いた『整形・災害外科』編集委員会の先生方に心より感謝を申し上げる。また、本誌執筆中にも常に細やかなご支援を頂いた金原出版編集者の山下眞人氏にも厚く御礼を申し上げる。
2017年9月
康永 秀生
本書を手に取っていただいている読者の皆さんの中には、臨床研究に興味がある、あるいはこれから臨床研究に真剣に取り組みたい、と考えている若手の臨床家も多いだろう。
皆さんの中には、ふだん、次のように考えている方がいるはずである。
「日常臨床が忙しすぎて、研究どころではない」
「臨床研究など、やったことがないし、やり方もよくわからない」
「やりたいが、テーマが見つからない」
「何から手を着けたらいいのか、わからない」
「統計学もよくわからないし、うまく研究できるかどうか自信がない」
本書は、医学部の6年間では充分に教育されない、臨床研究の基礎知識と実践的なスキルを磨くための教材である。筆者は臨床疫学の専門家であり、日常的に若手研究者の臨床研究に関するさまざまな相談に乗り、個別にアドバイスをしている。そのような経験から痛切に感じることは、臨床研究を志す若手研究者が、研究遂行にあたってさまざまな困難に突きあたり、解決の糸口すら見つからない悩みを抱え、独り悶々としている現実である。本書は、そのような状況を改善させることのできる一冊である。
日本の大学医学部では、基礎系教室だけでなく、臨床系教室でも基礎実験研究に力を入れていることが多い。臨床研究の経験が豊富で若手に臨床研究の指導をできる教員はまだ多くない。それは、日本の医学研究の歴史的背景に基づいている。明治時代、日本はドイツから医学を輸入した。基礎実験を重視する当時のドイツ医学のスタイルは、旧帝国大学医学部を中心に全国の大学に広がった。その流れは現在も続き、日本の医学研究は今も基礎実験研究が多い。日本の臨床研究は2000年頃からようやく増え始め、まだ20年ぐらいの歴史である。
本書は、臨床研究を志す学生や若手の臨床家・研究者だけでなく、若手を指導をする立場にある研究者にもヒントになる内容を多く盛り込んでいる。
本書の具体的な内容は、以下のとおりである。
(1)研究の準備など、これから臨床研究を始める研究者に必要な知識と心構え
(2)日常臨床からクリニカル・クエスチョンを紡ぎ出し、臨床研究につなげるデザイン力
(3)臨床研究に必要な疫学・統計学の基礎知識
(4)臨床研究のタイプ別(治療効果比較、臨床予測モデル、診断研究、QOL評価、大規模データベース研究)の方法論の解説
金原出版から刊行された前書『必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則』は、主として研究終了後の論文執筆メソッドを伝授する内容であった。本書はその前段階である、実際の臨床研究の立案・研究デザイン・データ収集・データ分析に関する詳細な解説である。したがって本書は、前書との併用が強く勧められる。
本書には、類書とは異なる、以下のような強みがある。
1.東大大学院の授業で実際に教えられているメソッドである
本書に示されている臨床研究の方法論は、筆者が教鞭を取る東京大学大学院医学系研究科における「臨床疫学」講義の内容に準じている。実際に、臨床研究の経験がなかった多くの受講生たちが、本書に書かれているメソッドを用いて鍛錬を積み、自ら臨床研究を実践し、論文出版の実績を挙げている。
2.筆者は臨床疫学の専門家である
臨床医の執筆による類書は、自分の経験談に終始して一般性に欠ける内容が多い。本書は、臨床研究を臨床医学・疫学・統計学の知識と知恵の集大成と捉え、それらをフルに動員した臨床研究の高度なメソッドをわかりやすく伝授する内容となっている。
統計学の専門家による類書は、難解な統計学の理論の解説が多い。臨床家は統計学の詳しい理論など知らなくてよい。本書の第5章「臨床研究に必要な統計学の基礎」に書かれている内容を理解すれば充分である。臨床家にとって必要なことは、豊かな発想で研究のアイデアを着想し、適切な研究デザインを設定し、研究仮説に沿ったデータを漏れなく、しかも正しく測定し、適切な統計手法を選択できることである。本書はそのノウハウを伝授するものである。
3.臨床研究に関する最新動向を盛り込んでいる
近年の臨床研究で多用されている応用統計(傾向スコア分析など)の実践的な技法をわかりやすく解説している。また、最近の臨床研究のトレンドである大規模医療データベース研究についても詳述している。
本書はランダム化比較試験についてはあまり詳しく触れていない。本書ではむしろ、ランダム化比較試験の代替となる、より実現性の高い観察研究についての解説に力点を置いている。ランダム化比較試験の作法を解説している書籍は多くある。その内容は画一的で、読んで理解するのはさほど難しくない。しかしその知識は、多くの若手研究者にとってすぐには役に立たない。なぜなら、ほとんどの若手研究者は巨額の費用がかかるランダム化比較試験を自ら実践することはないからである。若手研究者は、少ない予算(あるいは予算ゼロ)で、研究の限界に向き合いながら、何とかアイデアを絞り出し、自分がふだん勤めている施設の患者からとれるデータを取り、何とか意味のある分析結果をひねり出し、論文を書き上げる必要がある。本書は、そうした若手研究者の救いとなる一冊である。
本書は、2013年7月から2014年6月まで金原出版『整形・災害外科』に連載されたシリーズ「臨床研究の考え方と分析手法」を大幅に加筆修正したものである。雑誌連載にあたってお力添えを頂いた『整形・災害外科』編集委員会の先生方に心より感謝を申し上げる。また、本誌執筆中にも常に細やかなご支援を頂いた金原出版編集者の山下眞人氏にも厚く御礼を申し上げる。
2017年9月
康永 秀生
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