臨床検査技師国家試験対策必携
よくわかる病理組織細胞学
著 |
高木 實 |
定 価 |
6,490円 (5,900円+税) |
発行日 |
2004/03/30 |
ISBN |
978-4-307-03051-9 |
B5判・440頁・図数:185枚・カラー図数:24枚
病気の確定診断は病理組織診断をもってなされるので,病理組織検査は大切な診断法であり,コメディカルの人達の果たす役割はますます大きくなっている。病理学は,基礎医学と臨床医学の橋渡しをする,病気の理論に関する学問であり,また,病気を総合的に判断する学問である。病理学をより深く理解することは,より高いレベルのコメディカル業務を果たすことにつながる。そこで,本書は病理学を“わかりやすく”をモットーに執筆,刊行された。
第I章と第II章は通常の教科書や参考書の様式,第III章はマニュアル形式でわかりやすいイラストをまじえ解説。さらに,組織学的検査法のポイント,各種染色法のポイント,細胞学的検査法のポイント,病理解剖のポイント,国家試験対策演習問題も収載するなど,国家試験対策にも充分考慮した。
本書は日常の勉強の中に国家試験問題をとり入れて,国家試験のための勉強が,一人一人の疾病感や病態感の育成に役立つよう工夫してある。臨床検査技師国家試験必携の書としておすすめする。御一読願いたい。
■病理総論
1)病因
外因/内因
2)先天異常
染色体異常に基づく疾患/単一遺伝子の異常/奇形発生の原因/奇形発生の機序/奇形の各型
3)物質代謝障害
萎縮/変性/壊死
4)循環障害
局所の循環障害/全身の循環障害
5)増殖と修復
正常細胞の増殖機構/肥大と増殖/化生と分化異常/再生/肉芽組織と器質化
6)炎症
炎症一般/炎症に関与する細胞/急性炎と滲出炎/急性炎の組織分類/慢性炎
7)感染症
感染と感染症/病原性/感染経路/感染の種類/細菌による感染症
8)免疫異常
免疫異常/アレルギー/自己免疫疾患/主要組織適合抗原(MHC抗原)
9)腫瘍
A.総論
腫瘍とはどんな病気か/腫瘍には良性と悪性,上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍がある/良性腫瘍と悪性腫瘍の比較/腫瘍の肉眼的形態/腫瘍は腫瘍実質と腫瘍間質からなる/腫瘍細胞の特徴/膨張性増殖をする腫瘍と浸潤性増殖をする腫瘍/腫瘍細胞の生化学的特徴/転移/発癌の機序/癌はどのようにしておこるか/腫瘍発生の内因/腫瘍は宿主にどんな影響を及ぼすか/腫瘍の進行度/腫瘍の疫学/増殖因子
B.各論
良性上皮性腫瘍/悪性上皮性腫瘍/非上皮性腫瘍
■病理各論
1)循環器
心臓疾患/心嚢の疾患/血管の疾患
2)呼吸器
鼻腔・副鼻腔の疾患/喉頭・気管の疾患/肺の疾患/胸膜の疾患/縦隔の疾患
3)消化器
口腔/唾液腺/咽頭/食道/胃/腸管/肛門
4)肝・胆道・膵・腹膜
肝の疾患/胆道の疾患/膵の疾患/腹膜の疾患
5)造血およびリンパ組織
骨髄の疾患/リンパ節の疾患/網内系の疾患/脾の疾患/胸腺の疾患
6)内分泌器
ホルモン一般/下垂体/甲状腺/副甲状腺/副腎皮質/副腎髄質/膵島/卵巣・精巣・胎盤/カルチノイド/多発性内分泌腫瘍症
7)腎・泌尿器
腎の循環器障害/糸球体病変/尿細管病変/間質の病変/先天奇形/腎の腫瘍/腎移植/腎盂・尿管・膀胱
8)生殖器
腎の循環器障害/女性生殖器
9)運動器
骨・軟骨/関節/筋肉
10)神経系
脳血管障害/感染症/脱髄疾患/変性疾患/中毒性疾患/先天性代謝疾患/脳腫瘍/脳奇形/脳外傷/末梢神経の疾患
11)感覚器・皮膚および胸壁
感覚器/皮膚/胸壁−乳腺
■形態検査マニュアル
1)組織学的検査法
2)各種染色法
3)電子顕微鏡法
4)細胞学的検査法
5)病理解剖