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細胞診ガイドライン5 消化器 2015年版 口腔/唾液腺/消化管/肝胆道系/膵臓
全身26領域の細胞診を全5巻にまとめた学会初のガイドライン
編 集 | 日本臨床細胞学会 |
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定 価 | 6,600円 (6,000円+税) |
発行日 | 2015/11/20 |
ISBN | 978-4-307-05047-0 |
B5判・340頁・図数:15枚・カラー図数:487枚
在庫状況 | なし |
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全身26領域の細胞診を全5巻にまとめた学会初のガイドライン。本書には、全領域共通の「細胞標本作製法」のほか、「口腔」「唾液腺」「消化管」「肝胆道系」「膵臓」を収載。各臓器の特異性に配慮し、臓器ごとに、検体採取法などの基礎的知識から、疾患の理解や診断・治療に必要な最新の分子病理学的知見までを、多数の細胞像カラー図譜を用いて解説。近年、急速に進歩する細胞診の知識を整理し、現在のスタンダードを理解するために必携の一冊。
■細胞標本作製法
A.塗抹固定法
B.染色法
■口 腔
総論
A.口腔粘膜の解剖、組織像、細胞像
B.検査方法、細胞採取法、検体処理法
C.上皮内腫瘍性病変および口腔癌の組織学的分類
D.上皮内腫瘍性病変や口腔癌が疑われる場合の基本的なアプロ−チ
E.報告様式
F.穿刺吸引細胞診(fine needle aspiration cytology; FNAC)
G.術中口腔細胞診
H.口腔がん検診への応用
各論
A.真菌感染症
B.ウイルス性疾患
C.口腔扁平苔癬(oral lichen planus)
D.白板症(leukoplakia)
E.紅板症(erythroplakia)
F.黒色病変
G.上皮内腫瘍性病変と扁平上皮癌
H.水疱性疾患
I.顎骨内病変
J.炎症性変化
K.治療後の変化
L.唾液腺疾患
M.転移性腫瘍
図譜
■唾液腺
総論
A.解剖・組織像・細胞像
B.検体採取法・検体処理法
C.染色法(免疫細胞化学を含む)
D.臨床像
E.病理組織学的分類
F.基本的なアプロ−チの仕方
G.報告様式
H.術中細胞診の意義と判定
各論
A.炎症性疾患
B.腫瘍性病変
図譜
■消化管
総論
A.解剖と機能
B.臨床像
C.病理組織学的分類
D.迅速細胞診の意義
E.細胞採取法・検体処理法・染色法
F.判定法と報告様式
各論
A.食道疾患
B.胃疾患
C.胃癌の術中迅速細胞診断
D.大腸疾患
E.神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm)
F.消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor; GIST)
G.消化管の悪性リンパ腫
図譜
■肝胆道系
総論
A.解剖・発生・機能
B.肝胆道系の臨床像
C.病理組織学的分類
D.細胞採取法とその特徴
E.検体処理法と染色法
F.判定法と報告様式
G.胆道外科切除の術中迅速診断における細胞診併用の意義
各論
A.肝疾患
B.胆道疾患
図譜
■膵 臓
総論
A.解剖・発生・機能
B.臨床像
C.病理組織学的分類
D.細胞採取法
E.検体処理法と染色法
F.判定法と報告様式
G.迅速細胞診の意義と判定
H.細胞診検体を用いた遺伝子解析
各論
A.膵管癌(ductal carcinoma)
B.腺房細胞癌(acinar cell carcinoma; ACC)
C.神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm)
D.Solid−pseudopapillary neoplasm(SPN)
E.膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm; IPMN)
F.漿液性嚢胞腫瘍(serous cystic neoplasm; SCN)
G.粘液性嚢胞腫瘍(mucinous cystic neoplasm; MCN)
H.転移性膵腫瘍:腎細胞癌の転移
I.自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis; AIP)
J.慢性膵炎(chronic pancreatitis)
付.膵癌取扱い規約(第7版)について
図譜
索引
A.塗抹固定法
B.染色法
■口 腔
総論
A.口腔粘膜の解剖、組織像、細胞像
B.検査方法、細胞採取法、検体処理法
C.上皮内腫瘍性病変および口腔癌の組織学的分類
D.上皮内腫瘍性病変や口腔癌が疑われる場合の基本的なアプロ−チ
E.報告様式
F.穿刺吸引細胞診(fine needle aspiration cytology; FNAC)
G.術中口腔細胞診
H.口腔がん検診への応用
各論
A.真菌感染症
B.ウイルス性疾患
C.口腔扁平苔癬(oral lichen planus)
D.白板症(leukoplakia)
E.紅板症(erythroplakia)
F.黒色病変
G.上皮内腫瘍性病変と扁平上皮癌
H.水疱性疾患
I.顎骨内病変
J.炎症性変化
K.治療後の変化
L.唾液腺疾患
M.転移性腫瘍
図譜
■唾液腺
総論
A.解剖・組織像・細胞像
B.検体採取法・検体処理法
C.染色法(免疫細胞化学を含む)
D.臨床像
E.病理組織学的分類
F.基本的なアプロ−チの仕方
G.報告様式
H.術中細胞診の意義と判定
各論
A.炎症性疾患
B.腫瘍性病変
図譜
■消化管
総論
A.解剖と機能
B.臨床像
C.病理組織学的分類
D.迅速細胞診の意義
E.細胞採取法・検体処理法・染色法
F.判定法と報告様式
各論
A.食道疾患
B.胃疾患
C.胃癌の術中迅速細胞診断
D.大腸疾患
E.神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm)
F.消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor; GIST)
G.消化管の悪性リンパ腫
図譜
■肝胆道系
総論
A.解剖・発生・機能
B.肝胆道系の臨床像
C.病理組織学的分類
D.細胞採取法とその特徴
E.検体処理法と染色法
F.判定法と報告様式
G.胆道外科切除の術中迅速診断における細胞診併用の意義
各論
A.肝疾患
B.胆道疾患
図譜
■膵 臓
総論
A.解剖・発生・機能
B.臨床像
C.病理組織学的分類
D.細胞採取法
E.検体処理法と染色法
F.判定法と報告様式
G.迅速細胞診の意義と判定
H.細胞診検体を用いた遺伝子解析
各論
A.膵管癌(ductal carcinoma)
B.腺房細胞癌(acinar cell carcinoma; ACC)
C.神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm)
D.Solid−pseudopapillary neoplasm(SPN)
E.膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm; IPMN)
F.漿液性嚢胞腫瘍(serous cystic neoplasm; SCN)
G.粘液性嚢胞腫瘍(mucinous cystic neoplasm; MCN)
H.転移性膵腫瘍:腎細胞癌の転移
I.自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis; AIP)
J.慢性膵炎(chronic pancreatitis)
付.膵癌取扱い規約(第7版)について
図譜
索引
序
わが国における癌の死亡率が増加の一途をたどり、死亡率の第1位となっている状況下、ますます公益性、専門性に基づいた医療の質の向上が求められ、各種癌検診や疾患の治療方針の決定における細胞診の役割も大きくなっている。このような医療環境の変貌のなか、日本臨床細胞学会は、2011年には設立50年を迎え、2013年には公益社団法人として認定され、国民の健康増進にかかわる専門性の高い学会としてさらなる活動が責務となっている。この間、本学会は資格認定試験を毎年施行し、多くの優れた専門医、細胞検査士を輩出し、社会的貢献とともに学術的発展を遂げてきた。今後は、細胞診専門医研修カリキュラム、細胞診検査士研修カリキュラムを充実させるとともに専門性の質の担保のため、最新の診断知識や技能の習得が必須となっている。
このような細胞診を取り巻く医療・社会的環境の変化に応えるべく、公益社団法人日本臨床細胞学会の発足を契機に、理事長諮問委員会として細胞診ガイドライン作成のためのワーキンググループが結成され、各臓器の委員会が構成された。そして2015年、「1婦人科・泌尿器」を初巻として、乳腺や甲状腺など全身約25臓器にわたる全5巻からなる「細胞診ガイドライン」が出版される運びとなった。全ての臓器担当責任者には学会の専門領域の理事が就任し、さらに多くの専門医、医師、細胞検査士が委員長、副委員長、委員として参画し、皆が真摯に執筆にあたった。また、学会関係者からの細胞像など多くの貴重な資料の提供も受け、今回の出版に至っている。各巻の内容は、各臓器の特異性に配慮し、検体の採取法、基本的な細胞診標本の作製技術から、癌取扱い規約、WHO分類やベセスダシステムなどを反映した報告様式や細胞判定についての具体的な注意点の記載などからなる「総論」、細胞診において理解すべき疾患の基礎的知識や細胞像図譜とその解説からなる「各論」で構成されている。特に、疾患の細胞像については、専門家の熟練した経験に基づく基本的見方、判定の要点とともに、重要な鑑別診断などについても詳細に記載されている。また、疾患の理解や診断・治療に必要な最新の分子病理学的知見についても解説されている。
将来、本ガイドラインが日本の医療における細胞診普及とさらなる発展の礎となり、各臓器における細胞診に関する種々のエビデンスの蓄積に貢献することを確信するとともに、新たな世界に向けた細胞診の時代の先駆けとなることを祈念する。
謝辞
本ガイドラインは、長年細胞診にかかわってこられた諸先輩のご努力、ご功績を基盤とすることはもちろんのこと、このたびの初版作成の事業にご協力いただいた多くの執筆者、そして公益社団法人日本臨床細胞学会会員の多大なるご支援なくしては到底刊行に至ることは不可能であった。この場をお借りして参画いただいた方々に心より感謝申し上げる。また、出版に携わっていただいた金原出版の関係者のご尽力に改めて深甚なる感謝の意を表する次第である。
2015年3月
公益社団法人日本臨床細胞学会
細胞診ガイドライン作成ワーキンググループ委員会
統括委員長 内藤善哉
わが国における癌の死亡率が増加の一途をたどり、死亡率の第1位となっている状況下、ますます公益性、専門性に基づいた医療の質の向上が求められ、各種癌検診や疾患の治療方針の決定における細胞診の役割も大きくなっている。このような医療環境の変貌のなか、日本臨床細胞学会は、2011年には設立50年を迎え、2013年には公益社団法人として認定され、国民の健康増進にかかわる専門性の高い学会としてさらなる活動が責務となっている。この間、本学会は資格認定試験を毎年施行し、多くの優れた専門医、細胞検査士を輩出し、社会的貢献とともに学術的発展を遂げてきた。今後は、細胞診専門医研修カリキュラム、細胞診検査士研修カリキュラムを充実させるとともに専門性の質の担保のため、最新の診断知識や技能の習得が必須となっている。
このような細胞診を取り巻く医療・社会的環境の変化に応えるべく、公益社団法人日本臨床細胞学会の発足を契機に、理事長諮問委員会として細胞診ガイドライン作成のためのワーキンググループが結成され、各臓器の委員会が構成された。そして2015年、「1婦人科・泌尿器」を初巻として、乳腺や甲状腺など全身約25臓器にわたる全5巻からなる「細胞診ガイドライン」が出版される運びとなった。全ての臓器担当責任者には学会の専門領域の理事が就任し、さらに多くの専門医、医師、細胞検査士が委員長、副委員長、委員として参画し、皆が真摯に執筆にあたった。また、学会関係者からの細胞像など多くの貴重な資料の提供も受け、今回の出版に至っている。各巻の内容は、各臓器の特異性に配慮し、検体の採取法、基本的な細胞診標本の作製技術から、癌取扱い規約、WHO分類やベセスダシステムなどを反映した報告様式や細胞判定についての具体的な注意点の記載などからなる「総論」、細胞診において理解すべき疾患の基礎的知識や細胞像図譜とその解説からなる「各論」で構成されている。特に、疾患の細胞像については、専門家の熟練した経験に基づく基本的見方、判定の要点とともに、重要な鑑別診断などについても詳細に記載されている。また、疾患の理解や診断・治療に必要な最新の分子病理学的知見についても解説されている。
将来、本ガイドラインが日本の医療における細胞診普及とさらなる発展の礎となり、各臓器における細胞診に関する種々のエビデンスの蓄積に貢献することを確信するとともに、新たな世界に向けた細胞診の時代の先駆けとなることを祈念する。
謝辞
本ガイドラインは、長年細胞診にかかわってこられた諸先輩のご努力、ご功績を基盤とすることはもちろんのこと、このたびの初版作成の事業にご協力いただいた多くの執筆者、そして公益社団法人日本臨床細胞学会会員の多大なるご支援なくしては到底刊行に至ることは不可能であった。この場をお借りして参画いただいた方々に心より感謝申し上げる。また、出版に携わっていただいた金原出版の関係者のご尽力に改めて深甚なる感謝の意を表する次第である。
2015年3月
公益社団法人日本臨床細胞学会
細胞診ガイドライン作成ワーキンググループ委員会
統括委員長 内藤善哉