プリオン病と遅発性ウイルス感染症

プリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、多巣性白質脳症(PML)の詳説書。

編 集 プリオン病及び遅発性ウィルス感染症に関する調査研究班
定 価 9,900円
(9,000円+税)
発行日 2010/07/28
ISBN 978-4-307-10152-3

B5判・344頁

在庫状況 なし

本書は厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班」の最近の研究成果をまとめたものである。プリオン病、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、多巣性白質脳症(PML)の3疾患について、疾患の基礎概念から最新の進歩まで、わかりやすくかつ詳細に解説している。いずれも極めて稀で大変な難病であるが、診断法や有効な治療法の開発など、治癒に向かって着実に研究が進む様子をレビュー。


第1部.プリオン病
 I.プリオン病(伝達性海綿状脳症)とは?
  概念・分類・歴史
 II.ヒト・プリオン病
  1.プリオン病の疫学:世界の状況
  2.日本におけるヒト・プリオン病のサーベイランスと疫学的実態
  3.正常プリオン蛋白とその機能
  4.正常および異常プリオン蛋白の構造
  5.プリオン蛋白異常化と伝達・進行のメカニズム
  6.全身性アミロイドーシスの伝播
  7.異常プリオン蛋白(PrPSc)検出法の進歩
  8.動物モデルの開発と感染性の検証
  9.プリオン病の神経変性のメカニズム−樹状突起萎縮とNotch−1活性化の関連について−
  10.病理と病理診断
  11.症状と徴候
  12.検査所見−脳脊髄液−
  13. 検査所見−画像:MRI, PET, SPECTと脳波−
  14. 特発性プリオン病(孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病)−臨床病型の特徴と診断のポイント−
   1)古典型孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病
   2)MM2視床型と皮質型
   3)MV2型、VV1型、VV2型
  15.遺伝性(家族性)プリオン病−臨床病型の特徴と診断のポイント−
   1)ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病
   2)家族性クロイツフェルト・ヤコブ病
   3)致死性家族性不眠症
   4)オクタリピート挿入変異
  16.感染性(獲得性)プリオン病−臨床病型の特徴と診断のポイント−
   1)クールー
   2)医原性クロイツフェルト・ヤコブ病
   3)硬膜移植後クロイツフェルト・ヤコブ病
   4)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病
  17.治療の現状
  18.新しい治療法開発への展望
  19.洗浄・滅菌法
  20.感染予防
  21.患者・家族に対する心理社会的支援
 III.牛海綿状脳症(BSE)
 IV.スクレイピー
 V.慢性消耗病とその他の動物プリオン病
 Vi.食肉の安全

第2部.遅発性ウイルス感染症
 I.遅発性ウイルス感染症の疾患概念
 II.亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
  1.SSPEの発生状況
  2.成因と発症機構
  3.動物モデルの開発
  4.病理
  5.症状・徴候と検査
  6.診断・治療・予後・予防
 III.進行性多巣性白質脳症(PML)
  1.疫学:日本と世界の現況
  2.PMLの成因と病理
  3.ウイルス検索と発症機序
  4.臨床症状と検査
  5.診断・治療
  6.予防・予後

● 索引