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神戸大学感染症内科版TBL 問題解決型ライブ講義 集中!5日間
Dr.岩田のライブ講義! 神戸大学の感染症チュートリアルを完全収載!!
2012年6月、神戸大学医学部4年生を対象にTeam Based Learning方式で行われた感染症講義を臨場感そのままに書籍化。プロが厳選した臨床解決問題に学生が挑む。本当の問題解決とはなにか? 対話形式のメソッドでその答えを見出していく。感染症の知識はもちろんのこと,臨床推論の方法や検査の価値判断,教科書の選びかたなど役立つトピックが満載。教える立場から教わる立場まで,学生,研修医,指導医におすすめの1冊。
本書『はじめに』より一部抜粋
みなさん、こんにちは。岩田健太郎です。本書を手にとっていただき、感謝しています。 本書は2012年6月に神戸大学の医学部4年生に行われた1週間のTBL、Team Based Learningをもとにしたライブ講義です。実際に行われたTBLを録音し、これを金原出版の中立稔生さんに文字起こししてもらい(英語の部分とかも多くて、ご苦労をお掛けしました)、これを「文章」として再構成したものです。
学生や患者のプライバシーに配慮して、内容を改めたところもあります。それと、「言葉遣い」はだいぶ変えています。コロキアルな言葉は、文字で読む言葉とは全然違います。いくら(二葉亭四迷以来)口語体と文語体が融合したからといって、両者は同じではありません。
今回とくに文字起こしして気がついたんですけど、ぼくは同じフレーズを繰り返す癖があるようです。それは授業の場では「重要事項の強調」として許容範囲なのかもしれませんが、書物上ではややうっとうしい表現となります。
というわけで、文字起こしをした文章は校正においてかなりイジることになりました。しゃべったことを文字起こしして本にするなんて、楽するんじゃねえよ、と思っておいでの方もいるかも知れませんが、実はとても大変なんですよ、ほんと。
TBLとは、「ある特殊なやりかたで協力して行う学習で、特定された個人学習とグループ作業、そしてその場で受けるフィードバックの流れがある。これによって学生がお互いに築きあげるモチベーションの枠組みを作るのだ。準備をしてからクラスに参加し、議論に参加するのだ」とMichael Sweetさんは定義しています。
定義は(ほとんどの定義がそうであるように)わかりづらいですが、要するに学生が主体的に学習していくことをその特徴としているようです。
さて、TBLを受けた学生の評価はどうなったのか。ぼくは「あえて」今回、正式な評価作業を学生に課しませんでした。アンケートもとらなかったし、試験もレポートも課していません(もっとも、アンケートは6年生達が自主的にとって、上述の学会発表に至りました)。それじゃ、学生の成長が吟味できてないじゃん? と疑義を唱える方もおいでかもしれません。
その疑義に対する答えも、本書に込められています。まずはお読みになってください。 「目黒の秋刀魚」同様、ウンチクよりも、まずは食べてみなくてはね。
本書『はじめに』より一部抜粋
みなさん、こんにちは。岩田健太郎です。本書を手にとっていただき、感謝しています。 本書は2012年6月に神戸大学の医学部4年生に行われた1週間のTBL、Team Based Learningをもとにしたライブ講義です。実際に行われたTBLを録音し、これを金原出版の中立稔生さんに文字起こししてもらい(英語の部分とかも多くて、ご苦労をお掛けしました)、これを「文章」として再構成したものです。
学生や患者のプライバシーに配慮して、内容を改めたところもあります。それと、「言葉遣い」はだいぶ変えています。コロキアルな言葉は、文字で読む言葉とは全然違います。いくら(二葉亭四迷以来)口語体と文語体が融合したからといって、両者は同じではありません。
今回とくに文字起こしして気がついたんですけど、ぼくは同じフレーズを繰り返す癖があるようです。それは授業の場では「重要事項の強調」として許容範囲なのかもしれませんが、書物上ではややうっとうしい表現となります。
というわけで、文字起こしをした文章は校正においてかなりイジることになりました。しゃべったことを文字起こしして本にするなんて、楽するんじゃねえよ、と思っておいでの方もいるかも知れませんが、実はとても大変なんですよ、ほんと。
TBLとは、「ある特殊なやりかたで協力して行う学習で、特定された個人学習とグループ作業、そしてその場で受けるフィードバックの流れがある。これによって学生がお互いに築きあげるモチベーションの枠組みを作るのだ。準備をしてからクラスに参加し、議論に参加するのだ」とMichael Sweetさんは定義しています。
定義は(ほとんどの定義がそうであるように)わかりづらいですが、要するに学生が主体的に学習していくことをその特徴としているようです。
さて、TBLを受けた学生の評価はどうなったのか。ぼくは「あえて」今回、正式な評価作業を学生に課しませんでした。アンケートもとらなかったし、試験もレポートも課していません(もっとも、アンケートは6年生達が自主的にとって、上述の学会発表に至りました)。それじゃ、学生の成長が吟味できてないじゃん? と疑義を唱える方もおいでかもしれません。
その疑義に対する答えも、本書に込められています。まずはお読みになってください。 「目黒の秋刀魚」同様、ウンチクよりも、まずは食べてみなくてはね。
6月18日(月) 1日目
第1講
・なぜTBLか,PBLの問題はどこにあるのか
・シラバスなんて要らない!
・診断とは? 病気とは?
・病気は恣意的な規定
・治療が変われば診断も変わる
・「潜在結核」という病気
・精神科疾患は個性?
・昔の病気は「露骨」だった
・病気でなかったものが病気になる日本
・尿酸値が高いと治療なのか?
・無症候性細菌尿は治療すべきか?
・微生物と現象と病気そのもの
・病気の時間性
・89歳,女性。2週間前から体が痛い
・体中が痛いおばあちゃん
・病気が不安なおばあちゃん
・「なにかあったら」どうするか
第2講
・レポ−トとプロセス評価
・「検査をする」という選択肢
・検査を選ぶポイント
・感染症の診断プロセス
・微生物は治療の対象ではない
・時間情報の得方
・長いスパンの感染症─例外を考える
・微生物の見つけ方
・感染臓器の見極め方
・痛みの話
・解剖学的なアプロ−チ
・血液検査のピットフォ−ル
・コッホの原則
・感染経路が大事
・そのトキソプラズマは,どこから?
・臨床で役立つ感染経路の整理法
第3講
・食品関係者の検便?
・「可能性は否定できない」という思考停止
・20歳男性,頭痛と発熱
・オッカムの剃刀
・システム・レビュ−をしよう
・髄膜炎を疑ったら─首の診察法1.
・仮説生成に基づく問診と診察
・喉の診察法
・破傷風とは
・首の診察法2.
・リンパ節腫脹の鑑別
・ストレスと発熱
・薬物中毒の知識
・インフルエンザの診断
・HIV感染症とsexual activity
・全身性エリテマト−デス(SLE)とは
・副鼻腔炎の診察
6月19日 (火) 2日目
・急性副鼻腔炎の診断プロセス
・『PubMed』の使い方
・病気のシ−ズナリティをみる
・病気を解剖学的に考える
・急性副鼻腔炎の治療戦略
・慢性副鼻腔炎とはなにか
・いい教科書の条件
・急性副鼻腔炎の診断にCTは必要か?
・急性副鼻腔炎に抗菌薬は使うべきか?
・頭痛,発熱の鑑別
6月20日 (水) 3日目
第1講
・尤度比とアナログな医学の世界,そして重症度
・HIV検査のピットフォ−ル
・診断アルゴリズムとゲシュタルト
・なぜ,論文を読むのか?
・論文の構成
・MethodsはPECOでみる
・上手な発表,そしてエラ−
第2講
・ゲシュタルト診断とは
・エビデンスの「レベル」とは
・ビタミンEは心臓に良いか?
・階層は,本当に階層か?
・83歳男性。発熱,腰痛
・問診の仕方,病歴のとり方
・薬剤歴から導く診断
・頻度と程度の重みづけ
第3講
・結核性椎体炎の発生機序
・結核性椎体炎の診断
・結核性椎体炎の治療戦略
・発熱と腰痛の鑑別疾患
・わからないときは『エポケ−』
・臨床医学のゲ−ム理論
6月21日(木) 4日目
第1講
・ポパ−の反証主義
・Nの数は大事か?
・シミュレ−ショントレ−ニングの方法
・ツ反,QFTの検証
・ツ反とQFTとはなにか?
・QFTの使いどころ
・検査の価値判断
第2講
・いよいよ英語で症例
・バイタルサインと意識状態の見方
・検査値と基準値の考え方
・カンジダ感染症の基礎知識
・皮疹の原因は……?
・免疫抑制のパタ−ン
第3講
・ニュ−モシスチス肺炎の疫学とリスクファクタ−
・ニュ−モシスチス肺炎の臨床症状と診断
・ヘルペスウイルス感染症の基礎知識
・ニュ−モシスチス肺炎の画像診断と次の手
・ニュ−モシスチス肺炎とステロイド
6月22日 (金) 5日目
第1講
・メタ分析の扱い方
・UpToDateの使い方
・ニュ−モシスチス肺炎の予防法とその対象
・AIDS関連ニュ−モシスチス肺炎とNon-HIVニュ−モシスチス肺炎の違い
第2講
・TBL最後のケ−ス1.─症例提示
第3講
・TBL最後のケ−ス2.─鑑別疾患の吟味と検討
・そして,診断は……
第1講
・なぜTBLか,PBLの問題はどこにあるのか
・シラバスなんて要らない!
・診断とは? 病気とは?
・病気は恣意的な規定
・治療が変われば診断も変わる
・「潜在結核」という病気
・精神科疾患は個性?
・昔の病気は「露骨」だった
・病気でなかったものが病気になる日本
・尿酸値が高いと治療なのか?
・無症候性細菌尿は治療すべきか?
・微生物と現象と病気そのもの
・病気の時間性
・89歳,女性。2週間前から体が痛い
・体中が痛いおばあちゃん
・病気が不安なおばあちゃん
・「なにかあったら」どうするか
第2講
・レポ−トとプロセス評価
・「検査をする」という選択肢
・検査を選ぶポイント
・感染症の診断プロセス
・微生物は治療の対象ではない
・時間情報の得方
・長いスパンの感染症─例外を考える
・微生物の見つけ方
・感染臓器の見極め方
・痛みの話
・解剖学的なアプロ−チ
・血液検査のピットフォ−ル
・コッホの原則
・感染経路が大事
・そのトキソプラズマは,どこから?
・臨床で役立つ感染経路の整理法
第3講
・食品関係者の検便?
・「可能性は否定できない」という思考停止
・20歳男性,頭痛と発熱
・オッカムの剃刀
・システム・レビュ−をしよう
・髄膜炎を疑ったら─首の診察法1.
・仮説生成に基づく問診と診察
・喉の診察法
・破傷風とは
・首の診察法2.
・リンパ節腫脹の鑑別
・ストレスと発熱
・薬物中毒の知識
・インフルエンザの診断
・HIV感染症とsexual activity
・全身性エリテマト−デス(SLE)とは
・副鼻腔炎の診察
6月19日 (火) 2日目
・急性副鼻腔炎の診断プロセス
・『PubMed』の使い方
・病気のシ−ズナリティをみる
・病気を解剖学的に考える
・急性副鼻腔炎の治療戦略
・慢性副鼻腔炎とはなにか
・いい教科書の条件
・急性副鼻腔炎の診断にCTは必要か?
・急性副鼻腔炎に抗菌薬は使うべきか?
・頭痛,発熱の鑑別
6月20日 (水) 3日目
第1講
・尤度比とアナログな医学の世界,そして重症度
・HIV検査のピットフォ−ル
・診断アルゴリズムとゲシュタルト
・なぜ,論文を読むのか?
・論文の構成
・MethodsはPECOでみる
・上手な発表,そしてエラ−
第2講
・ゲシュタルト診断とは
・エビデンスの「レベル」とは
・ビタミンEは心臓に良いか?
・階層は,本当に階層か?
・83歳男性。発熱,腰痛
・問診の仕方,病歴のとり方
・薬剤歴から導く診断
・頻度と程度の重みづけ
第3講
・結核性椎体炎の発生機序
・結核性椎体炎の診断
・結核性椎体炎の治療戦略
・発熱と腰痛の鑑別疾患
・わからないときは『エポケ−』
・臨床医学のゲ−ム理論
6月21日(木) 4日目
第1講
・ポパ−の反証主義
・Nの数は大事か?
・シミュレ−ショントレ−ニングの方法
・ツ反,QFTの検証
・ツ反とQFTとはなにか?
・QFTの使いどころ
・検査の価値判断
第2講
・いよいよ英語で症例
・バイタルサインと意識状態の見方
・検査値と基準値の考え方
・カンジダ感染症の基礎知識
・皮疹の原因は……?
・免疫抑制のパタ−ン
第3講
・ニュ−モシスチス肺炎の疫学とリスクファクタ−
・ニュ−モシスチス肺炎の臨床症状と診断
・ヘルペスウイルス感染症の基礎知識
・ニュ−モシスチス肺炎の画像診断と次の手
・ニュ−モシスチス肺炎とステロイド
6月22日 (金) 5日目
第1講
・メタ分析の扱い方
・UpToDateの使い方
・ニュ−モシスチス肺炎の予防法とその対象
・AIDS関連ニュ−モシスチス肺炎とNon-HIVニュ−モシスチス肺炎の違い
第2講
・TBL最後のケ−ス1.─症例提示
第3講
・TBL最後のケ−ス2.─鑑別疾患の吟味と検討
・そして,診断は……
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