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患者から「早く死なせてほしい」と言われたらどうしますか? 本当に聞きたかった緩和ケアの講義
マニュアルでは解決しない、緩和ケアの悩みに答えます

「麻薬ってどう使い分けるの?」「腹水は本当に抜いて大丈夫?」「薬のせいでせん妄になったと言われたら?」「鎮静をどう説明する?」「患者から早く死なせてほしいと言われたら?」――。本書は“3学期”構成となっており、さながら1年間の講義を受けているような流れになっています。23ある講義はすべて生徒の疑問から始まっていて、新城先生がその問いに一つひとつ丁寧に答えます。マニュアルだけでは解決しない、緩和ケアの悩みに答える一冊です。
【関連リンク】集中Web連載『在宅クリニック開業・診療の 新常識と新城式』
【関連書籍】超・開業力


■オリエンテ−ション
緩和ケアをめぐる10の提言
■1学期 痛みの治療と症状緩和
第1講 痛みの治療1.─最初の対応
第2講 痛みの治療2.─痛いと言わない患者
第3講 痛みの治療3.─医療用麻薬の使い分け
第4講 神経障害性疼痛
第5講 呼吸困難・吐き気
第6講 腹 水
第7講 食欲不振1.─「食べる」悩み
第8講 食欲不振2.─輸液
第9講 倦怠感
第10講 不 眠
第11講 せん妄
●2学期 鎮静と看取りの前
第12講 鎮静1.─鎮静の説明
第13講 鎮静2.─鎮静が必要な方へ
第14講 看取りの前1.─死なせてほしい
第15講 看取りの前2.─死の経過
■3学期 コミュニケ−ション
第16講 コミュニケ−ション1.─緩和ケアって何?
第17講 コミュニケ−ション2.─がんの告知
第18講 コミュニケ−ション3.─化学療法の中止
第19講 コミュニケ−ション4.─余命告知
第20講 コミュニケ−ション5.─家族ケア
第21講 その他1.─患者の自殺
第22講 その他2.─民間療法
第23講 その他3.─医療者のバ−ンアウト
終業式のことば─あとがきにかえて
Column
●勤務時間外の緊急対応について
●医師も病状を否認する─痛みと向き合えない医師
●電話で患者の心を離さないようにする
●チ−ム医療とよいカンファレンスには何が必要か
●知っていますか、亡くなる前の不思議な音─気道分泌過剰、死前喘鳴
●胸水の処置について
●患者の体験を、次の患者に伝える
●リザ−バ−、PICC の功罪─がん患者の血栓症には最大限の配慮を
●ステロイド薬はいつまで使う?
●なぜ眠れなくなるのか
●せん妄は患者の心の安全装置なのか
●鎮静は本当は不要なのか
●患者の意識はいつまであるのか
●患者の苦悩に毎日向き合い続けるには
●エンゼルケアに関すること
●緩和ケアを提供する仕掛け作り
●患者との対話」は教えられるか─生兵法は大怪我のもと
●緩和ケア」は嫌われる
●医師は何でも知っている
●患者の耳は最期まで聞こえているのか
●曜日に色をつけていくこと
●息子の気持ちを飲んでいます
●完全燃焼のバ−ンアウト
緩和ケアをめぐる10の提言
■1学期 痛みの治療と症状緩和
第1講 痛みの治療1.─最初の対応
第2講 痛みの治療2.─痛いと言わない患者
第3講 痛みの治療3.─医療用麻薬の使い分け
第4講 神経障害性疼痛
第5講 呼吸困難・吐き気
第6講 腹 水
第7講 食欲不振1.─「食べる」悩み
第8講 食欲不振2.─輸液
第9講 倦怠感
第10講 不 眠
第11講 せん妄
●2学期 鎮静と看取りの前
第12講 鎮静1.─鎮静の説明
第13講 鎮静2.─鎮静が必要な方へ
第14講 看取りの前1.─死なせてほしい
第15講 看取りの前2.─死の経過
■3学期 コミュニケ−ション
第16講 コミュニケ−ション1.─緩和ケアって何?
第17講 コミュニケ−ション2.─がんの告知
第18講 コミュニケ−ション3.─化学療法の中止
第19講 コミュニケ−ション4.─余命告知
第20講 コミュニケ−ション5.─家族ケア
第21講 その他1.─患者の自殺
第22講 その他2.─民間療法
第23講 その他3.─医療者のバ−ンアウト
終業式のことば─あとがきにかえて
Column
●勤務時間外の緊急対応について
●医師も病状を否認する─痛みと向き合えない医師
●電話で患者の心を離さないようにする
●チ−ム医療とよいカンファレンスには何が必要か
●知っていますか、亡くなる前の不思議な音─気道分泌過剰、死前喘鳴
●胸水の処置について
●患者の体験を、次の患者に伝える
●リザ−バ−、PICC の功罪─がん患者の血栓症には最大限の配慮を
●ステロイド薬はいつまで使う?
●なぜ眠れなくなるのか
●せん妄は患者の心の安全装置なのか
●鎮静は本当は不要なのか
●患者の意識はいつまであるのか
●患者の苦悩に毎日向き合い続けるには
●エンゼルケアに関すること
●緩和ケアを提供する仕掛け作り
●患者との対話」は教えられるか─生兵法は大怪我のもと
●緩和ケア」は嫌われる
●医師は何でも知っている
●患者の耳は最期まで聞こえているのか
●曜日に色をつけていくこと
●息子の気持ちを飲んでいます
●完全燃焼のバ−ンアウト
序 文
私は、ホスピス、そして今は在宅療養中の患者に緩和ケアを提供する医師です。緩和ケアは、 この5年くらいで日本の病院にも随分と普及し、担い手である医師、看護師も増えてきました。私が緩和ケアの道に入ったのは2002年です。その頃は周囲に同僚もおらず、相談できる先輩も少ない状況でした。そこでインタ−ネットを駆使し、全国に点在する同僚と日常の疑問、不安を相談できるようにしてきました。2008年頃から、緩和ケアには追い風が吹き、がん患者を診療する病院では緩和ケアを提供すべし、という風潮が広がりました。
その頃から私も、ホスピスで身につけた緩和ケアを広めるにはどうしたらよいのかを考えるようになりました。内科や外科といった一般的な診療をする医師や看護師に、どうしたら緩和ケアを伝授できるかを考えました。そして多くのマニュアル、ガイドラインを作る仕事に関わるようになりました。「とっつきやすい緩和ケア」をめざし、「わかりやすい」ことと「すぐに現場で使える」ことを重視しました。
こうして作られたマニュアル、ガイドラインは確かにわかりやすいものではありましたが、同じようなマニュアルを、レイアウトやフォ−マットを変えて、違う出版社、違う媒体で何度も発表することに、やや嫌悪感を感じるようになってきました。「痛みにはオピオイド」「倦怠感にはステロイド」といった、まるでカルタの一対一の対応のように緩和ケアを実践する底の浅さが目につくようになってきたからです。
「わかりやすい」緩和ケアは、非専門の方々に広めていくには確かに大切なことです。しかし、もっと深遠な考え方の基盤になることや、もっと広い視野から人間と病を考えることも必要なのでは、と思うようになりました。
そこで、一見「わかりにくい、すぐには現場で使えない」緩和ケアであっても、文章を通じて皆さんと一緒に考えることで、もっと基礎のしっかりとした緩和医療学になればと思い、本書をまとめることにしました。
この本はさながら1年間の講義を受けているような流れになっています。これから緩和ケアを学びたい、またはより深く学びたいと考える医師や看護師をはじめとする医療者だけではなく、今まさに苦しみの最中にある患者・家族の方々にも読んでいただければと、普段の診療を終えた深夜に、また移動中の新幹線の中でと時間をやりくりして書いてきました。今の自分の中にある緩和ケアを限界ぎりぎりまで深める努力を私自身に課しました。どうか皆さんの心に届くことを祈ります。
2015年4月
新城 拓也
私は、ホスピス、そして今は在宅療養中の患者に緩和ケアを提供する医師です。緩和ケアは、 この5年くらいで日本の病院にも随分と普及し、担い手である医師、看護師も増えてきました。私が緩和ケアの道に入ったのは2002年です。その頃は周囲に同僚もおらず、相談できる先輩も少ない状況でした。そこでインタ−ネットを駆使し、全国に点在する同僚と日常の疑問、不安を相談できるようにしてきました。2008年頃から、緩和ケアには追い風が吹き、がん患者を診療する病院では緩和ケアを提供すべし、という風潮が広がりました。
その頃から私も、ホスピスで身につけた緩和ケアを広めるにはどうしたらよいのかを考えるようになりました。内科や外科といった一般的な診療をする医師や看護師に、どうしたら緩和ケアを伝授できるかを考えました。そして多くのマニュアル、ガイドラインを作る仕事に関わるようになりました。「とっつきやすい緩和ケア」をめざし、「わかりやすい」ことと「すぐに現場で使える」ことを重視しました。
こうして作られたマニュアル、ガイドラインは確かにわかりやすいものではありましたが、同じようなマニュアルを、レイアウトやフォ−マットを変えて、違う出版社、違う媒体で何度も発表することに、やや嫌悪感を感じるようになってきました。「痛みにはオピオイド」「倦怠感にはステロイド」といった、まるでカルタの一対一の対応のように緩和ケアを実践する底の浅さが目につくようになってきたからです。
「わかりやすい」緩和ケアは、非専門の方々に広めていくには確かに大切なことです。しかし、もっと深遠な考え方の基盤になることや、もっと広い視野から人間と病を考えることも必要なのでは、と思うようになりました。
そこで、一見「わかりにくい、すぐには現場で使えない」緩和ケアであっても、文章を通じて皆さんと一緒に考えることで、もっと基礎のしっかりとした緩和医療学になればと思い、本書をまとめることにしました。
この本はさながら1年間の講義を受けているような流れになっています。これから緩和ケアを学びたい、またはより深く学びたいと考える医師や看護師をはじめとする医療者だけではなく、今まさに苦しみの最中にある患者・家族の方々にも読んでいただければと、普段の診療を終えた深夜に、また移動中の新幹線の中でと時間をやりくりして書いてきました。今の自分の中にある緩和ケアを限界ぎりぎりまで深める努力を私自身に課しました。どうか皆さんの心に届くことを祈ります。
2015年4月
新城 拓也
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