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がん医療におけるこころのケアガイドラインシリーズ 2 がん医療における患者-医療者間のコミュニケーションガイドライン 2022年版
がん医療の現場で役立つ、適切なコミュニケーションを行うための指針を刊行
編 集 | 日本サイコオンコロジー学会 / 日本がんサポーティブケア学会 |
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定 価 | 2,420円 (2,200円+税) |
発行日 | 2022/06/30 |
ISBN | 978-4-307-10205-6 |
B5判・160頁・図数:19枚
在庫状況 | あり |
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がん医療では、がんの診断や再発・進行、抗がん治療の中止など、患者にとって衝撃的な情報を伝えたうえで最善の意思決定を行うという、難しいコミュニケーションが必要となる。本書では、そのような「悪い知らせ」を伴う治療選択などの場面における、医療者と成人がん患者のコミュニケーションを対象とし、7件の臨床疑問を設けてエビデンスに基づく解説と推奨を提示した。コミュニケーションに関する基礎知識の解説や、各臨床疑問の補足資料なども多く盛り込まれた、がん医療に携わる医療者必携の一冊。
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I章 はじめに
1 ガイドライン作成の経緯と目的
1.ガイドライン作成の経緯
2.ガイドラインの目的
2 ガイドラインの使用上の注意
1.使用上の注意
2.構成とインストラクション
3.他の教育プログラムとの関係
3 エビデンスの確実性(質・強さ)と推奨の強さ
1.エビデンスの確実性(質・強さ)
2.推奨の強さ
3.推奨の強さとエビデンスの確実性(強さ)の臨床的意味
II章 総論
1 患者-医療者間コミュニケーション
1.がんに関連する重要な話し合いの患者?医療者間コミュニケーション
2.医療者のコミュニケーション技術
3.患者のコミュニケーション技術
4.コミュニケーションのアウトカムは何か
5.コミュニケーションは改善できるか
6.本ガイドラインの適用範囲
7.本ガイドラインで扱う臨床疑問と診療の流れ
2 がん医療におけるコミュニケーション
1.日本のがん告知の推移とインフォームド・コンセント
2.がん医療におけるコミュニケーションと患者の意向―病名告知から終末期の話し合いまで―
3 高齢がん患者のコミュニケーション
1.意思決定能力
2.医療における意思決定
3.家族の影響
4.認知症と意思決定支援
5.おわりに
4 がんを患う子どもに真実を伝えること
1.緒言
2.知ることそのものが重要なのか
3.知ることの効用(利益)は何か
4.子どもは知りたいのか
5.どのように真実を扱えばよいのか
6.おわりに
5 アドバンス・ケア・プランニング
1.ACPとは
2.ACPのエビデンス
3.実臨床でのACP
III章 臨床疑問
臨床疑問1
がん患者が質問促進リストを使用することは推奨されるか?
臨床疑問1 補足資料
質問促進リストのパンフレットの一例(抜粋)
臨床疑問2
がん患者に意思決定ガイド(Decision Aids)を使用することは推奨されるか?
臨床疑問2 補足資料
意思決定ガイド(Decision Aids)
1.意思決定ガイド(Decision Aids)とは
2.意思決定ガイド(Decision Aids)活用による効果
3.開発と活用に関する標準化
4.わが国における意思決定ガイド(Decision Aids)の活用
臨床疑問3
医師ががんに関連する重要な話し合いのコミュニケーション技術研修(CST)を受けることは推奨されるか?
臨床疑問4
看護師ががんに関連する重要な話し合いのコミュニケーション技術研修(CST)を受けることは推奨されるか?
臨床疑問3・臨床疑問4 補足資料
がん医療におけるコミュニケーション技術(SHARE)の実践
1.SHARE の紹介
2.SHARE の実践で得たもの
臨床疑問5
根治不能のがん患者に対して抗がん治療の話をするのに、「根治不能である」ことを患者が認識できるようはっきりと伝えることは推奨されるか?
臨床疑問5 補足資料
“根治不能”であると伝える
臨床疑問6
抗がん治療を継続することが推奨できない患者に対して、今後抗がん治療を行わないことを伝える際に「もし、状況が変われば治療ができるかもしれない」と伝えることは推奨されるか?
臨床疑問6 補足資料
抗がん治療を行わないと伝える
臨床疑問7
進行・再発がん患者に、予測される余命を伝えることは推奨されるか?
臨床疑問7 補足資料
余命を伝える
1.予測される余命をはっきりと伝える場合のコミュニケーション
2.予測される余命をはっきりとは伝えない場合のコミュニケーション
3.余命に焦点を当てるのではなく、“I”message を活用して希望を支え心配ごとを一緒に考えていくためのコミュニケーション
4.患者・家族と話し合いを共有していく工夫
IV章 資料
1 ガイドライン作成過程
1.概要
2.臨床疑問の設定
3.システマティックレビュー
4.妥当性の検証
5.日本サイコオンコロジー学会、日本がんサポーティブケア学会の承認
2 文献検索式
3 メタアナリシスの結果
4 今後解決すべき課題
1.本ガイドラインの今後解決すべき課題
2.がん医療におけるコミュニケーション研究の今後解決すべき課題
索引
1 ガイドライン作成の経緯と目的
1.ガイドライン作成の経緯
2.ガイドラインの目的
2 ガイドラインの使用上の注意
1.使用上の注意
2.構成とインストラクション
3.他の教育プログラムとの関係
3 エビデンスの確実性(質・強さ)と推奨の強さ
1.エビデンスの確実性(質・強さ)
2.推奨の強さ
3.推奨の強さとエビデンスの確実性(強さ)の臨床的意味
II章 総論
1 患者-医療者間コミュニケーション
1.がんに関連する重要な話し合いの患者?医療者間コミュニケーション
2.医療者のコミュニケーション技術
3.患者のコミュニケーション技術
4.コミュニケーションのアウトカムは何か
5.コミュニケーションは改善できるか
6.本ガイドラインの適用範囲
7.本ガイドラインで扱う臨床疑問と診療の流れ
2 がん医療におけるコミュニケーション
1.日本のがん告知の推移とインフォームド・コンセント
2.がん医療におけるコミュニケーションと患者の意向―病名告知から終末期の話し合いまで―
3 高齢がん患者のコミュニケーション
1.意思決定能力
2.医療における意思決定
3.家族の影響
4.認知症と意思決定支援
5.おわりに
4 がんを患う子どもに真実を伝えること
1.緒言
2.知ることそのものが重要なのか
3.知ることの効用(利益)は何か
4.子どもは知りたいのか
5.どのように真実を扱えばよいのか
6.おわりに
5 アドバンス・ケア・プランニング
1.ACPとは
2.ACPのエビデンス
3.実臨床でのACP
III章 臨床疑問
臨床疑問1
がん患者が質問促進リストを使用することは推奨されるか?
臨床疑問1 補足資料
質問促進リストのパンフレットの一例(抜粋)
臨床疑問2
がん患者に意思決定ガイド(Decision Aids)を使用することは推奨されるか?
臨床疑問2 補足資料
意思決定ガイド(Decision Aids)
1.意思決定ガイド(Decision Aids)とは
2.意思決定ガイド(Decision Aids)活用による効果
3.開発と活用に関する標準化
4.わが国における意思決定ガイド(Decision Aids)の活用
臨床疑問3
医師ががんに関連する重要な話し合いのコミュニケーション技術研修(CST)を受けることは推奨されるか?
臨床疑問4
看護師ががんに関連する重要な話し合いのコミュニケーション技術研修(CST)を受けることは推奨されるか?
臨床疑問3・臨床疑問4 補足資料
がん医療におけるコミュニケーション技術(SHARE)の実践
1.SHARE の紹介
2.SHARE の実践で得たもの
臨床疑問5
根治不能のがん患者に対して抗がん治療の話をするのに、「根治不能である」ことを患者が認識できるようはっきりと伝えることは推奨されるか?
臨床疑問5 補足資料
“根治不能”であると伝える
臨床疑問6
抗がん治療を継続することが推奨できない患者に対して、今後抗がん治療を行わないことを伝える際に「もし、状況が変われば治療ができるかもしれない」と伝えることは推奨されるか?
臨床疑問6 補足資料
抗がん治療を行わないと伝える
臨床疑問7
進行・再発がん患者に、予測される余命を伝えることは推奨されるか?
臨床疑問7 補足資料
余命を伝える
1.予測される余命をはっきりと伝える場合のコミュニケーション
2.予測される余命をはっきりとは伝えない場合のコミュニケーション
3.余命に焦点を当てるのではなく、“I”message を活用して希望を支え心配ごとを一緒に考えていくためのコミュニケーション
4.患者・家族と話し合いを共有していく工夫
IV章 資料
1 ガイドライン作成過程
1.概要
2.臨床疑問の設定
3.システマティックレビュー
4.妥当性の検証
5.日本サイコオンコロジー学会、日本がんサポーティブケア学会の承認
2 文献検索式
3 メタアナリシスの結果
4 今後解決すべき課題
1.本ガイドラインの今後解決すべき課題
2.がん医療におけるコミュニケーション研究の今後解決すべき課題
索引
発刊にあたって
わが国のがん医療をめぐる状況に関しましては、まず、2007年4月に「がん対策基本法」が施行され、この法律に基づき、同年6月に「がん対策推進基本計画」が策定され、それ以降、様々ながん対策が進められています。「がん対策推進基本計画」に関しましては、およそ5年に1回、見直しが行われ、現在は、2018年3月に策定された第3期の計画に基づいて、施策が進められています。
本ガイドラインのテーマであります「コミュニケーション」に関しましては、「がん対策基本法」の基本理念の中に「がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされること」と記載され、第1期の「がん対策推進基本計画」において「取り組むべき施策」の中に「がん医療における告知等の際には、がん患者に対する特段の配慮が必要であることから、医師のコミュニケーション技術の向上に努める」ということが、策定されていることからも明らかなように、当初から一貫して、がん医療において重要なテーマであります。
このような状況の中、日本がんサポーティブケア学会と日本サイコオンコロジー学会が協力しながら、Mindsによる「診療ガイドライン作成マニュアル」に則ってガイドライン作成を進めてきました。本ガイドラインのテーマである「コミュニケーション」に関しまして、私が研究代表者を務めます厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)において「実装を視野に入れたがん患者の精神心理的な支援に関する診療ガイドラインの開発研究(課題番号20EA1012)」の補助を一部受けながら、日本サイコオンコロジー学会ガイドライン策定委員会に設置されたコミュニケーション小委員会を中心に作成されました。
コミュニケーションという、エビデンスを示しにくいテーマではありますが、本邦からも質の高い研究が報告されていることもあり、大変意欲的で、実臨床に役立つ内容に仕上がっていると思われます。
本ガイドラインが、がん医療に携わる医療者の方々のみならず、患者さん・ご家族にも、広く利用していただけることを願っております。
2022年5月
一般社団法人 日本サイコオンコロジー学会
代表理事 吉内 一浩
日本がんサポーティブケア学会は、「がん医療における支持医療を教育、研究、診療を通して確立し、国民の福祉(Welfare)に寄与する」ことを基本的理念として、2015年に設立された学会です。本学会の特徴として、支持療法の17領域について部会が結成されており、各領域の臨床・研究・教育を推進するために各部会が独立して活発な活動を行っている点があります。サイコオンコロジー部会もその部会の一つで、内富庸介(国立がん研究センター)部会長を中心として、がん患者における精神心理的支援について、日本サイコオンコロジー学会と連携しながら取り組んでいます。
本学会では、ミッションの一つとして「がん支持医療に関する標準治療の情報発信」を掲げており、ガイドラインの策定はその重要な方策の一つです。これまでサイコオンコロジー部会では、せん妄、コミュニケーション、精神心理的負担、遺族ケアなどのテーマに関するガイドラインの策定に取り組んできておりますが、この度「コミュニケーションガイドライン」を出版する運びとなりました。コミュニケーションは重要な医療技術でありながら、その効果を実証する手段が確立しておらず、既存のガイドラインは国際的にもエキスパートコンセンサスに基づくものがほとんどです。今回作成したガイドラインは「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」に基づいて、系統的レビューを実施して最新の知見を収集するとともに、透明性・妥当性を担保する方策を講じて策定されています。その過程において、多くの外部評価委員の方々、関連学会からご推薦頂いたデルファイ委員の方々に、多大なご協力を賜りました。改めて御礼申し上げます。
がん医療におけるコミュニケーションは医療者、がん患者双方にとって重要、かつ難しい課題です。平成19年に初めて策定されたがん対策推進基本計画にも国として取り組むべき重要な課題の一つとして取り上げられています。患者と医療者が十分に話し合い治療方針を決めることが保険診療上評価されるなど、コミュニケーションを支援する体制は少しずつ整ってきていますが、一方で医療者のコミュニケーション教育は経験的なものにとどまり学校教育においても体系的・実践的にコミュニケーションを学習する場がほとんどない、がん患者自身が医療者とコミュニケーションをとるための支援が十分行われていないといった状況は続いています。そのような状況に鑑み、本ガイドラインでは医療者、がん患者双方へのコミュニケーション支援や学習、コミュニケーション技術に関する臨床疑問を扱いました。
またコミュニケーションは患者の意向、望ましいアウトカムなど臨床実践状況が、他の医療技術に比べて多様です。ガイドラインの推奨を一律に実践するだけでは有益なものとなりにくいため、推奨をもとに臨床実践するために有用な情報を多く付記しています。
ガイドラインは広く医療者・がん患者に日常臨床で活用して頂き、推奨に基づく診療やケアが医療現場で広く実践されるようになって初めてその本来の目的を達するものです。本ガイドラインをより良いがん医療のコミュニケーションの指針として、ぜひお役立て頂けましたら、それに勝る喜びはございません。またその過程においてお気づきの点などがございましたら、さらなる今後の改訂の参考とさせて頂きますのでぜひ学会事務局までフィードバックして頂けましたら幸いです。
2022年5月
一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会
理事長 佐伯 俊昭
わが国のがん医療をめぐる状況に関しましては、まず、2007年4月に「がん対策基本法」が施行され、この法律に基づき、同年6月に「がん対策推進基本計画」が策定され、それ以降、様々ながん対策が進められています。「がん対策推進基本計画」に関しましては、およそ5年に1回、見直しが行われ、現在は、2018年3月に策定された第3期の計画に基づいて、施策が進められています。
本ガイドラインのテーマであります「コミュニケーション」に関しましては、「がん対策基本法」の基本理念の中に「がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされること」と記載され、第1期の「がん対策推進基本計画」において「取り組むべき施策」の中に「がん医療における告知等の際には、がん患者に対する特段の配慮が必要であることから、医師のコミュニケーション技術の向上に努める」ということが、策定されていることからも明らかなように、当初から一貫して、がん医療において重要なテーマであります。
このような状況の中、日本がんサポーティブケア学会と日本サイコオンコロジー学会が協力しながら、Mindsによる「診療ガイドライン作成マニュアル」に則ってガイドライン作成を進めてきました。本ガイドラインのテーマである「コミュニケーション」に関しまして、私が研究代表者を務めます厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)において「実装を視野に入れたがん患者の精神心理的な支援に関する診療ガイドラインの開発研究(課題番号20EA1012)」の補助を一部受けながら、日本サイコオンコロジー学会ガイドライン策定委員会に設置されたコミュニケーション小委員会を中心に作成されました。
コミュニケーションという、エビデンスを示しにくいテーマではありますが、本邦からも質の高い研究が報告されていることもあり、大変意欲的で、実臨床に役立つ内容に仕上がっていると思われます。
本ガイドラインが、がん医療に携わる医療者の方々のみならず、患者さん・ご家族にも、広く利用していただけることを願っております。
2022年5月
一般社団法人 日本サイコオンコロジー学会
代表理事 吉内 一浩
日本がんサポーティブケア学会は、「がん医療における支持医療を教育、研究、診療を通して確立し、国民の福祉(Welfare)に寄与する」ことを基本的理念として、2015年に設立された学会です。本学会の特徴として、支持療法の17領域について部会が結成されており、各領域の臨床・研究・教育を推進するために各部会が独立して活発な活動を行っている点があります。サイコオンコロジー部会もその部会の一つで、内富庸介(国立がん研究センター)部会長を中心として、がん患者における精神心理的支援について、日本サイコオンコロジー学会と連携しながら取り組んでいます。
本学会では、ミッションの一つとして「がん支持医療に関する標準治療の情報発信」を掲げており、ガイドラインの策定はその重要な方策の一つです。これまでサイコオンコロジー部会では、せん妄、コミュニケーション、精神心理的負担、遺族ケアなどのテーマに関するガイドラインの策定に取り組んできておりますが、この度「コミュニケーションガイドライン」を出版する運びとなりました。コミュニケーションは重要な医療技術でありながら、その効果を実証する手段が確立しておらず、既存のガイドラインは国際的にもエキスパートコンセンサスに基づくものがほとんどです。今回作成したガイドラインは「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」に基づいて、系統的レビューを実施して最新の知見を収集するとともに、透明性・妥当性を担保する方策を講じて策定されています。その過程において、多くの外部評価委員の方々、関連学会からご推薦頂いたデルファイ委員の方々に、多大なご協力を賜りました。改めて御礼申し上げます。
がん医療におけるコミュニケーションは医療者、がん患者双方にとって重要、かつ難しい課題です。平成19年に初めて策定されたがん対策推進基本計画にも国として取り組むべき重要な課題の一つとして取り上げられています。患者と医療者が十分に話し合い治療方針を決めることが保険診療上評価されるなど、コミュニケーションを支援する体制は少しずつ整ってきていますが、一方で医療者のコミュニケーション教育は経験的なものにとどまり学校教育においても体系的・実践的にコミュニケーションを学習する場がほとんどない、がん患者自身が医療者とコミュニケーションをとるための支援が十分行われていないといった状況は続いています。そのような状況に鑑み、本ガイドラインでは医療者、がん患者双方へのコミュニケーション支援や学習、コミュニケーション技術に関する臨床疑問を扱いました。
またコミュニケーションは患者の意向、望ましいアウトカムなど臨床実践状況が、他の医療技術に比べて多様です。ガイドラインの推奨を一律に実践するだけでは有益なものとなりにくいため、推奨をもとに臨床実践するために有用な情報を多く付記しています。
ガイドラインは広く医療者・がん患者に日常臨床で活用して頂き、推奨に基づく診療やケアが医療現場で広く実践されるようになって初めてその本来の目的を達するものです。本ガイドラインをより良いがん医療のコミュニケーションの指針として、ぜひお役立て頂けましたら、それに勝る喜びはございません。またその過程においてお気づきの点などがございましたら、さらなる今後の改訂の参考とさせて頂きますのでぜひ学会事務局までフィードバックして頂けましたら幸いです。
2022年5月
一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会
理事長 佐伯 俊昭
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