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がん医療におけるこころのケアガイドラインシリーズ 1 がん患者におけるせん妄ガイドライン 2022年版 第2版
がん診療の現場で役立つ、せん妄に関する指針を3年ぶりに改訂!
編 集 | 日本サイコオンコロジー学会 / 日本がんサポーティブケア学会 |
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定 価 | 2,640円 (2,400円+税) |
発行日 | 2022/06/10 |
ISBN | 978-4-307-10213-1 |
B5判・200頁・図数:3枚・カラー図数:6枚
在庫状況 | あり |
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せん妄はがん医療の現場において高頻度で認められる病態であり、超高齢社会を迎えた日本では今後さらに、せん妄の予防や対策が重要となる。今改訂では、終末期せん妄への対応や、せん妄に対する病院組織としての取り組み方についての解説を総論に加えたほか、「予防」などに関する臨床疑問が新たに追加された。また、薬物療法における薬剤選択や投与量などを解説した「臨床の手引き」の章も新設され、より臨床現場で役立つ一冊となっている。
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I章 はじめに
1 ガイドライン作成の経緯と目的
1.ガイドライン作成の経緯
2.ガイドラインの目的
2 ガイドラインの使用上の注意
1.使用上の注意
2.構成とインストラクション
3 エビデンスの確実性(質・強さ)と推奨の強さ
1.エビデンスの確実性(質・強さ)
2.推奨の強さ
3.推奨の強さとエビデンスの確実性(強さ)の臨床的意味
II章 総論
1 がん医療におけるせん妄
1.せん妄とは何か
2.がん患者におけるせん妄の頻度
3.せん妄によるさまざまな影響
4.がん患者におけるせん妄の特徴
2 せん妄の評価と診断・分類
1.せん妄の診断基準
2.せん妄の分類
3.鑑別診断
4.せん妄の原因
5.せん妄の評価方法
6.がん終末期せん妄の評価
3 せん妄の病態生理
1.はじめに
2.神経伝達物質の変化
3.アセチルコリン
4.ドパミン
5.グルタミン酸
6.ノルアドレナリン
7.γ-アミノ酪酸(gamma-aminobutyric acid:GABA)
8.セロトニン
9.メラトニン
10.神経炎症
11.グルココルチコイド
4 せん妄の治療・ケア
1.薬物療法
2.非薬物療法
5 終末期せん妄の治療とケアのゴール
1.終末期せん妄とは
2.終末期せん妄の苦痛や治療・ケアの望ましい評価とは
6 病院の組織としてせん妄にどのように取り組むか
1.せん妄に対する、組織的な対応の必要性について
2.施設を挙げての取り組みの一例:DELTAプログラムの開発
III章 臨床疑問
臨床疑問(背景疑問)1
がん患者に対して、せん妄の発症予防を目的として推奨される非薬物療法にはどのようなものがあるか?
臨床疑問2
がん患者に対して、せん妄の発症予防を目的に抗精神病薬を投与することは推奨されるか?
臨床疑問(背景疑問)3
がん患者のせん妄には、どのような評価方法があるか?
臨床疑問(背景疑問)4
がん患者のせん妄には、どのような原因(身体的要因・薬剤要因)があるか?
臨床疑問5
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、抗精神病薬を投与することは推奨されるか?
臨床疑問6
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、トラゾドンを単独で投与することは推奨されるか?
臨床疑問7
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、ヒドロキシジンを単独で投与することは推奨されるか?
臨床疑問8
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、ベンゾジアゼピン系薬を単独で投与することは推奨されるか?
臨床疑問9
せん妄を有するオピオイド投与中のがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、オピオイドスイッチングを行うことは推奨されるか?
臨床疑問(背景疑問)10
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、推奨される非薬物療法にはどのようなものがあるか?
臨床疑問(背景疑問)11
がん患者の終末期のせん妄に対して、せん妄の症状軽減を目的として、推奨されるアプローチにはどのようなものがあるか?
臨床疑問(背景疑問)12
せん妄を有するがん患者に対して、家族が望むケアにはどのようなものがあるか?
IV章 臨床の手引き
せん妄薬物療法の手引き
1.せん妄治療における薬物療法の位置付け
2.本手引きについて
3.がん患者におけるせん妄の薬物療法についての基本的な考え方
4.せん妄で用いる各薬物の選択理由と特徴(長所・短所)についての基本的な考え方
V章 資料
1 ガイドライン作成過程
1.概要
2.臨床疑問の設定
3.システマティックレビュー
4.妥当性の検証
5.日本サイコオンコロジー学会、日本がんサポーティブケア学会の承認
2 文献検索式
3 今後の検討課題
1.今回のガイドラインでは、対応しなかったこと
2.推奨について、今後の検討が必要なこと
4 用語集
主要な抗精神病薬一覧
患者・家族へのせん妄説明パンフレット
患者・家族へのせん妄説明パンフレット(終末期)
Delirium Rating Scale-Revised-98
略語表
索引
1 ガイドライン作成の経緯と目的
1.ガイドライン作成の経緯
2.ガイドラインの目的
2 ガイドラインの使用上の注意
1.使用上の注意
2.構成とインストラクション
3 エビデンスの確実性(質・強さ)と推奨の強さ
1.エビデンスの確実性(質・強さ)
2.推奨の強さ
3.推奨の強さとエビデンスの確実性(強さ)の臨床的意味
II章 総論
1 がん医療におけるせん妄
1.せん妄とは何か
2.がん患者におけるせん妄の頻度
3.せん妄によるさまざまな影響
4.がん患者におけるせん妄の特徴
2 せん妄の評価と診断・分類
1.せん妄の診断基準
2.せん妄の分類
3.鑑別診断
4.せん妄の原因
5.せん妄の評価方法
6.がん終末期せん妄の評価
3 せん妄の病態生理
1.はじめに
2.神経伝達物質の変化
3.アセチルコリン
4.ドパミン
5.グルタミン酸
6.ノルアドレナリン
7.γ-アミノ酪酸(gamma-aminobutyric acid:GABA)
8.セロトニン
9.メラトニン
10.神経炎症
11.グルココルチコイド
4 せん妄の治療・ケア
1.薬物療法
2.非薬物療法
5 終末期せん妄の治療とケアのゴール
1.終末期せん妄とは
2.終末期せん妄の苦痛や治療・ケアの望ましい評価とは
6 病院の組織としてせん妄にどのように取り組むか
1.せん妄に対する、組織的な対応の必要性について
2.施設を挙げての取り組みの一例:DELTAプログラムの開発
III章 臨床疑問
臨床疑問(背景疑問)1
がん患者に対して、せん妄の発症予防を目的として推奨される非薬物療法にはどのようなものがあるか?
臨床疑問2
がん患者に対して、せん妄の発症予防を目的に抗精神病薬を投与することは推奨されるか?
臨床疑問(背景疑問)3
がん患者のせん妄には、どのような評価方法があるか?
臨床疑問(背景疑問)4
がん患者のせん妄には、どのような原因(身体的要因・薬剤要因)があるか?
臨床疑問5
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、抗精神病薬を投与することは推奨されるか?
臨床疑問6
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、トラゾドンを単独で投与することは推奨されるか?
臨床疑問7
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、ヒドロキシジンを単独で投与することは推奨されるか?
臨床疑問8
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、ベンゾジアゼピン系薬を単独で投与することは推奨されるか?
臨床疑問9
せん妄を有するオピオイド投与中のがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、オピオイドスイッチングを行うことは推奨されるか?
臨床疑問(背景疑問)10
せん妄を有するがん患者に対して、せん妄の症状軽減を目的として、推奨される非薬物療法にはどのようなものがあるか?
臨床疑問(背景疑問)11
がん患者の終末期のせん妄に対して、せん妄の症状軽減を目的として、推奨されるアプローチにはどのようなものがあるか?
臨床疑問(背景疑問)12
せん妄を有するがん患者に対して、家族が望むケアにはどのようなものがあるか?
IV章 臨床の手引き
せん妄薬物療法の手引き
1.せん妄治療における薬物療法の位置付け
2.本手引きについて
3.がん患者におけるせん妄の薬物療法についての基本的な考え方
4.せん妄で用いる各薬物の選択理由と特徴(長所・短所)についての基本的な考え方
V章 資料
1 ガイドライン作成過程
1.概要
2.臨床疑問の設定
3.システマティックレビュー
4.妥当性の検証
5.日本サイコオンコロジー学会、日本がんサポーティブケア学会の承認
2 文献検索式
3 今後の検討課題
1.今回のガイドラインでは、対応しなかったこと
2.推奨について、今後の検討が必要なこと
4 用語集
主要な抗精神病薬一覧
患者・家族へのせん妄説明パンフレット
患者・家族へのせん妄説明パンフレット(終末期)
Delirium Rating Scale-Revised-98
略語表
索引
第2版 発刊にあたって
わが国では、2007年に「がん対策基本法」が施行され、それに基づいて制定された「がん対策推進基本計画」(現在は第3期)に従って、様々な施策が行われてきています。その中で、がん患者さん・ご家族の精神心理的な問題など、心理社会的な要因に関するケアの比重も増えてきています。
このような流れの中、医療者の方々からのニーズも高い「がん患者におけるせん妄ガイドライン」の初版を2019年2月に、日本がんサポーティブケア学会との協力のもと、発刊することができました。
実際、近年の日本サイコオンコロジー学会総会や関連学会におけるせん妄のセッションは、大変参加者が多いセッションの一つとなっております。また、がん患者さんご本人の苦痛も増強することが知られていますので、わが国で初めて発刊された「がん患者におけるせん妄ガイドライン」は、医療者のニーズだけではなく、患者さん・ご家族の生活の質(QOL)の向上に、寄与することができているのではないかと期待しています。
このような状況の中、初版発刊から3年経過しましたので、当初の予定通り、エビデンスをアップデートした第2版を無事に発刊することができました。発刊にあたりましては、日本サイコオンコロジー学会の会員の有志のみならず、様々な関連学会の有識者の先生方や、患者団体の方々などのご協力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。
第2版も、初版同様、がん医療における「せん妄」の予防を含めたケアに関して、がん患者さん・ご家族、医療者の方々のお役に立てるものと確信していることをお伝えして、発刊の挨拶を締めくくりたいと存じます。
2022年5月
一般社団法人 日本サイコオンコロジー学会
代表理事 吉内 一浩
日本がんサポーティブケア学会は、「がん医療における支持医療を教育、研究、診療を通して確立し、国民の福祉(Welfare)に寄与する」ことを基本的理念として、2015年に設立された学会です。本学会の特徴として、支持療法の17領域について部会が結成されており、各領域の臨床・研究・教育を推進するために各部会が独立して活発な活動を行っている点があります。サイコオンコロジー部会もその部会の一つで、内富庸介(国立がん研究センター)部会長を中心として、がん患者における精神心理的支援について、日本サイコオンコロジー学会と連携しながら取り組んでいます。
本学会では、ミッションの一つとして「がん支持医療に関する標準治療の情報発信」を掲げており、ガイドラインの策定はその重要な方策の一つです。これまでサイコオンコロジー部会では、せん妄、コミュニケーション、精神心理的負担、遺族ケアなどのテーマに関するガイドラインの策定に取り組んできておりますが、せん妄については2019年に初版を刊行し、その後3年を経て、この度「がん患者におけるせん妄ガイドライン」2022年版を出版する運びとなりました。今回も、初版に引き続き、「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」に基づいて、系統的レビューを実施して最新の知見を収集するとともに、透明性・妥当性を担保する方策を講じて策定されています。その過程において、多くの外部評価委員の方々、関連学会からご推薦頂いたデルファイ委員の方々に、多大なご協力を賜りました。改めて御礼申し上げます。
我が国において社会の高齢化が進むとともに、がん医療においてせん妄の患者さんを診察する機会は著しく増加しています。せん妄はひとたび出現すると、患者さんやご家族にとって強い苦痛をもたらします。しかし、せん妄に対して標準的治療ができる医師は半数以下と言われており、そ原因や症状の多様さなどのために医療者が最も対応に苦慮する症状の一つとなっています。近年、せん妄に関する研究が大きく進展し、かつて考えられていたほどには薬物療法が有用ではないことが示唆されるようになるとともに、積極的に予防に取り組むことの有用性が示されるようになってきました。またそのような知見を踏まえて、診療報酬においても、2021年度よりせん妄ハイリスク患者ケア加算が算定可能になりました。特に、がん診療連携拠点病院ではせん妄に対するリスク評価を行う必要があると考えます。
そのような状況に鑑み、今回の2022年版では、がん患者におけるせん妄の予防に関する薬物療法、非薬物療法についての臨床疑問を新たに含めました。また、このような予防策は医療者が個人で実施するというよりは病院として組織的に取り組むことが大切であるため、病院としての取り組み方に関する概説も追加しました。またその他にも、日常臨床でせん妄に対してしばしば使用されているトラゾドンに関する臨床疑問の追加、既存の臨床疑問のアップデートなど、様々な改訂が行われております。
当然のことながら、ガイドラインは出版されただけでは患者さんやご家族に貢献することはできず、広く医療者の方に日常臨床で活用して頂き、推奨に基づく診療やケアが実践されることで初めてその本来の目的を達するものです。本2022年版をより良いせん妄診療・ケアの指針として、ぜひお役立て頂けましたら、それに勝る喜びはございません。またその過程においてお気づきの点などがございましたら、さらなる今後の改訂の参考とさせて頂きますのでぜひ学会事務局までフィードバックして頂けましたら幸いです。
2022年5月
一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会
理事長 佐伯 俊昭
わが国では、2007年に「がん対策基本法」が施行され、それに基づいて制定された「がん対策推進基本計画」(現在は第3期)に従って、様々な施策が行われてきています。その中で、がん患者さん・ご家族の精神心理的な問題など、心理社会的な要因に関するケアの比重も増えてきています。
このような流れの中、医療者の方々からのニーズも高い「がん患者におけるせん妄ガイドライン」の初版を2019年2月に、日本がんサポーティブケア学会との協力のもと、発刊することができました。
実際、近年の日本サイコオンコロジー学会総会や関連学会におけるせん妄のセッションは、大変参加者が多いセッションの一つとなっております。また、がん患者さんご本人の苦痛も増強することが知られていますので、わが国で初めて発刊された「がん患者におけるせん妄ガイドライン」は、医療者のニーズだけではなく、患者さん・ご家族の生活の質(QOL)の向上に、寄与することができているのではないかと期待しています。
このような状況の中、初版発刊から3年経過しましたので、当初の予定通り、エビデンスをアップデートした第2版を無事に発刊することができました。発刊にあたりましては、日本サイコオンコロジー学会の会員の有志のみならず、様々な関連学会の有識者の先生方や、患者団体の方々などのご協力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。
第2版も、初版同様、がん医療における「せん妄」の予防を含めたケアに関して、がん患者さん・ご家族、医療者の方々のお役に立てるものと確信していることをお伝えして、発刊の挨拶を締めくくりたいと存じます。
2022年5月
一般社団法人 日本サイコオンコロジー学会
代表理事 吉内 一浩
日本がんサポーティブケア学会は、「がん医療における支持医療を教育、研究、診療を通して確立し、国民の福祉(Welfare)に寄与する」ことを基本的理念として、2015年に設立された学会です。本学会の特徴として、支持療法の17領域について部会が結成されており、各領域の臨床・研究・教育を推進するために各部会が独立して活発な活動を行っている点があります。サイコオンコロジー部会もその部会の一つで、内富庸介(国立がん研究センター)部会長を中心として、がん患者における精神心理的支援について、日本サイコオンコロジー学会と連携しながら取り組んでいます。
本学会では、ミッションの一つとして「がん支持医療に関する標準治療の情報発信」を掲げており、ガイドラインの策定はその重要な方策の一つです。これまでサイコオンコロジー部会では、せん妄、コミュニケーション、精神心理的負担、遺族ケアなどのテーマに関するガイドラインの策定に取り組んできておりますが、せん妄については2019年に初版を刊行し、その後3年を経て、この度「がん患者におけるせん妄ガイドライン」2022年版を出版する運びとなりました。今回も、初版に引き続き、「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」に基づいて、系統的レビューを実施して最新の知見を収集するとともに、透明性・妥当性を担保する方策を講じて策定されています。その過程において、多くの外部評価委員の方々、関連学会からご推薦頂いたデルファイ委員の方々に、多大なご協力を賜りました。改めて御礼申し上げます。
我が国において社会の高齢化が進むとともに、がん医療においてせん妄の患者さんを診察する機会は著しく増加しています。せん妄はひとたび出現すると、患者さんやご家族にとって強い苦痛をもたらします。しかし、せん妄に対して標準的治療ができる医師は半数以下と言われており、そ原因や症状の多様さなどのために医療者が最も対応に苦慮する症状の一つとなっています。近年、せん妄に関する研究が大きく進展し、かつて考えられていたほどには薬物療法が有用ではないことが示唆されるようになるとともに、積極的に予防に取り組むことの有用性が示されるようになってきました。またそのような知見を踏まえて、診療報酬においても、2021年度よりせん妄ハイリスク患者ケア加算が算定可能になりました。特に、がん診療連携拠点病院ではせん妄に対するリスク評価を行う必要があると考えます。
そのような状況に鑑み、今回の2022年版では、がん患者におけるせん妄の予防に関する薬物療法、非薬物療法についての臨床疑問を新たに含めました。また、このような予防策は医療者が個人で実施するというよりは病院として組織的に取り組むことが大切であるため、病院としての取り組み方に関する概説も追加しました。またその他にも、日常臨床でせん妄に対してしばしば使用されているトラゾドンに関する臨床疑問の追加、既存の臨床疑問のアップデートなど、様々な改訂が行われております。
当然のことながら、ガイドラインは出版されただけでは患者さんやご家族に貢献することはできず、広く医療者の方に日常臨床で活用して頂き、推奨に基づく診療やケアが実践されることで初めてその本来の目的を達するものです。本2022年版をより良いせん妄診療・ケアの指針として、ぜひお役立て頂けましたら、それに勝る喜びはございません。またその過程においてお気づきの点などがございましたら、さらなる今後の改訂の参考とさせて頂きますのでぜひ学会事務局までフィードバックして頂けましたら幸いです。
2022年5月
一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会
理事長 佐伯 俊昭
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