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医学思想史 −精神科の視点から−
精神科の視点で医学(思想)史を書き改めた記念碑的な力作!
著 者 | 八木 剛平 / 滝上 紘之 |
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定 価 | 4,400円 (4,000円+税) |
発行日 | 2017/05/10 |
ISBN | 978-4-307-15073-6 |
B5判・298頁・図数:4枚
在庫状況 | あり |
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本書は医学思想(病気についての考え)の歴史をたどり、その変遷を通して現在の私たちがそれぞれ抱いている病気と治療についての考えを検証するとともに、現代医学が直面している諸問題−疾病観・治療観を考えようとするものである。本書によって西洋近代に始まる身体医学中心の医学(思想)史は、精神医学の果たすべき役割を視野に入れて書き改められた。著者渾身の待望の書。
序章 ─医療・医学・医学思想/身体医学史と精神医学史/日本人と西洋医学/医学の進歩と医学思想の変遷
第一章 アニミズム ─ 医学思想の「ふるさと」
一 原始医術/動物医学 ─ 富士川游の日本医学史から
二 「いのちのひずみ」としての病 ─ 神田橋條治氏の病気観
三 現代社会におけるアニミズム ─ ノーベル賞科学者のアニミズム体験
第二章 原始医学
一 民間医学と魔法医学 ─ エジプト/インド/ギリシャ/中国
二 日本の太古医学 ─ 古事記の記述から
三 現代社会のいわゆる「超自然」的医学思想/宗教的医療活動
第三章 古代医学
I 自然哲学的医学と経験的実際的医学
II 古代ギリシャ・ローマ医学
一 ヒポクラテス医学(経験的/非体系的医学)
二 ガレノス医学(自然哲学的/体系的医学)
III 古代中国医学
一 黄帝内経(自然哲学的/体系的医学)
二 傷寒論(非哲学的/実際的医学)
IV 古代日本医学
一 医術・医療 ─ 大宝律令と施薬院・悲田院など ─
二 「医心方」(九八二)─ 現存する日本最古の医書
第四章 中世医学
I ヨーロッパ(西欧)医学
一 僧侶医学/スコラ医学 ─ 医学の神学化
二 養生訓(regimen sanitatis)
三 黒死病(ペスト)
四 魔女狩り
五 パラケルスス ─ 中世西欧の怪医
六 外科の新風(アンブロワズ・パレ)
II 中世中国医学 ─ 「病源候論」「千金方」 /李朱医学(陰陽五行・経絡思想)
III 中世日本医学
一 医師像
二 医学思想
第五章 近代医学
I 近代西欧医学
一 自然科学的世界観/人体機械論(デカルト)
二 自然治癒思想の再興 ─ イギリスのヒポクラテス(シデナム)
三 医学思想の体系化
四 体系家たちの実地臨床 ─ 機械論的医学における自然治癒思想
五 その後の体系的医学
六 病院医学
七 自然哲学的医学から自然科学的医学へ
II 日本医学の近代化
一 漢・蘭折衷
二 漢方医学から西欧医学へ/オランダ医学からドイツ医学へ
三 日本医学にとっての西欧医学 ─「親試実験」と「実測窮理」 /ベルツによる批判/クレインスの考察
第六章 近現代医学思想の源流
I 科学的医学の思想的基盤 ─ 「実験医学序説」(クロード・ベルナール)を読む
一 デテルミニスム(生体現象の科学的決定論)
二 内部環境(milieum interieur)の独立性(生理学的医学思想)
三 自然治癒力の近代医学的研究〈ネオヒポクラティズム〉
四 物理化学的生気論(機械論/生気論の止揚)
五 クロード・ベルナールの哲学(非体系的/非学派的医学)
六 近代医学の最終目標 ─ 病因学と回復学
II 特定病因説
一 病原微生物学の登場 ─ コッホ・パスツール・ベーリング(北里)
二 ホルモン・ビタミンの発見
III 生体防御システム論 ─ 生理学的医学の発展
一 免疫系 ─ 抗毒素・食細胞
二 自律神経・内分泌系
IV 心的防衛機制論 ─ 心理学的医学の登場
一 精神分析前史 ─ ヒステリーと神経症
二 原因療法としての精神分析療法(フロイド)
三 心的決定論 ─ 力動精神医学/自我心理学
四 精神病症状の心理学的理解(回復メカニズム)
五 身体疾患における「心身相関」 ─ ゲシュタルトクライス(ヴァイツゼッカー)
六 生理学的医学と心理学的医学の融合 ─ 心理学的医学(ジャネ)と新ヒポクラテス医学
第七章 二十世紀後半の医学思想
I 生体防御システム論の発展 ─ 外科から精神科へ
一 人工冬眠療法 ─ 精神科治療薬の開発を先導した海軍外科医(ラボリ)
二 「侵襲後振動反応」 (ラボリ) ─ 新しい疾病モデル
三 「内因性疾患」時代の幕明け ─ 生体防御システムの変調に起因する疾病群
II 心的防衛機制論の展開
一 精神身体医学の盛衰 ─ 心身相関の常識化
二 心療内科 ─ 日本における心身医学
三 疾病対処(coping)研究
III 生物・心理・社会(Bio-Psycho-Social:BPS)モデル
一 生物医学(Biomedical)モデルからBPSモデルへ
二 BPS修正モデル
三 BPS/修正モデルの背景理論
IV 「科学的医学」の動向
一 「病因」志向型医学の諸問題
二 EBMの盛衰とNBMの復活
三 医学と科学 ─ 機械論・物質還元主義/分子生物学・医用生体工学
第八章 現代医療の諸側面
I 先制医療とその功罪
一 “Choosing Wisely”(医療における「賢い選択」)
二 精神科における先制医療 ─ 精神病(統合失調症)の発病予防の試み
II 補完代替医療(CAM)の活況
一 伝統医学の再評価 ─ 生気論的生命観/疑似科学
二 漢方医学の普及 ─ 日本の代表的CAM/科学的医学による検証
三 自然治癒力思想/養生論の復権
III レジリエンス ─ 「自然治癒」現象への科学的アプローチ
一 自然治癒力(生気論的概念)からレジリエンス(物理学的概念)へ
二 プラセボ反応の脳科学 ─ うつ病/痛み/パーキンソン病
IV 終末期医療
おわりに
第一章 アニミズム ─ 医学思想の「ふるさと」
一 原始医術/動物医学 ─ 富士川游の日本医学史から
二 「いのちのひずみ」としての病 ─ 神田橋條治氏の病気観
三 現代社会におけるアニミズム ─ ノーベル賞科学者のアニミズム体験
第二章 原始医学
一 民間医学と魔法医学 ─ エジプト/インド/ギリシャ/中国
二 日本の太古医学 ─ 古事記の記述から
三 現代社会のいわゆる「超自然」的医学思想/宗教的医療活動
第三章 古代医学
I 自然哲学的医学と経験的実際的医学
II 古代ギリシャ・ローマ医学
一 ヒポクラテス医学(経験的/非体系的医学)
二 ガレノス医学(自然哲学的/体系的医学)
III 古代中国医学
一 黄帝内経(自然哲学的/体系的医学)
二 傷寒論(非哲学的/実際的医学)
IV 古代日本医学
一 医術・医療 ─ 大宝律令と施薬院・悲田院など ─
二 「医心方」(九八二)─ 現存する日本最古の医書
第四章 中世医学
I ヨーロッパ(西欧)医学
一 僧侶医学/スコラ医学 ─ 医学の神学化
二 養生訓(regimen sanitatis)
三 黒死病(ペスト)
四 魔女狩り
五 パラケルスス ─ 中世西欧の怪医
六 外科の新風(アンブロワズ・パレ)
II 中世中国医学 ─ 「病源候論」「千金方」 /李朱医学(陰陽五行・経絡思想)
III 中世日本医学
一 医師像
二 医学思想
第五章 近代医学
I 近代西欧医学
一 自然科学的世界観/人体機械論(デカルト)
二 自然治癒思想の再興 ─ イギリスのヒポクラテス(シデナム)
三 医学思想の体系化
四 体系家たちの実地臨床 ─ 機械論的医学における自然治癒思想
五 その後の体系的医学
六 病院医学
七 自然哲学的医学から自然科学的医学へ
II 日本医学の近代化
一 漢・蘭折衷
二 漢方医学から西欧医学へ/オランダ医学からドイツ医学へ
三 日本医学にとっての西欧医学 ─「親試実験」と「実測窮理」 /ベルツによる批判/クレインスの考察
第六章 近現代医学思想の源流
I 科学的医学の思想的基盤 ─ 「実験医学序説」(クロード・ベルナール)を読む
一 デテルミニスム(生体現象の科学的決定論)
二 内部環境(milieum interieur)の独立性(生理学的医学思想)
三 自然治癒力の近代医学的研究〈ネオヒポクラティズム〉
四 物理化学的生気論(機械論/生気論の止揚)
五 クロード・ベルナールの哲学(非体系的/非学派的医学)
六 近代医学の最終目標 ─ 病因学と回復学
II 特定病因説
一 病原微生物学の登場 ─ コッホ・パスツール・ベーリング(北里)
二 ホルモン・ビタミンの発見
III 生体防御システム論 ─ 生理学的医学の発展
一 免疫系 ─ 抗毒素・食細胞
二 自律神経・内分泌系
IV 心的防衛機制論 ─ 心理学的医学の登場
一 精神分析前史 ─ ヒステリーと神経症
二 原因療法としての精神分析療法(フロイド)
三 心的決定論 ─ 力動精神医学/自我心理学
四 精神病症状の心理学的理解(回復メカニズム)
五 身体疾患における「心身相関」 ─ ゲシュタルトクライス(ヴァイツゼッカー)
六 生理学的医学と心理学的医学の融合 ─ 心理学的医学(ジャネ)と新ヒポクラテス医学
第七章 二十世紀後半の医学思想
I 生体防御システム論の発展 ─ 外科から精神科へ
一 人工冬眠療法 ─ 精神科治療薬の開発を先導した海軍外科医(ラボリ)
二 「侵襲後振動反応」 (ラボリ) ─ 新しい疾病モデル
三 「内因性疾患」時代の幕明け ─ 生体防御システムの変調に起因する疾病群
II 心的防衛機制論の展開
一 精神身体医学の盛衰 ─ 心身相関の常識化
二 心療内科 ─ 日本における心身医学
三 疾病対処(coping)研究
III 生物・心理・社会(Bio-Psycho-Social:BPS)モデル
一 生物医学(Biomedical)モデルからBPSモデルへ
二 BPS修正モデル
三 BPS/修正モデルの背景理論
IV 「科学的医学」の動向
一 「病因」志向型医学の諸問題
二 EBMの盛衰とNBMの復活
三 医学と科学 ─ 機械論・物質還元主義/分子生物学・医用生体工学
第八章 現代医療の諸側面
I 先制医療とその功罪
一 “Choosing Wisely”(医療における「賢い選択」)
二 精神科における先制医療 ─ 精神病(統合失調症)の発病予防の試み
II 補完代替医療(CAM)の活況
一 伝統医学の再評価 ─ 生気論的生命観/疑似科学
二 漢方医学の普及 ─ 日本の代表的CAM/科学的医学による検証
三 自然治癒力思想/養生論の復権
III レジリエンス ─ 「自然治癒」現象への科学的アプローチ
一 自然治癒力(生気論的概念)からレジリエンス(物理学的概念)へ
二 プラセボ反応の脳科学 ─ うつ病/痛み/パーキンソン病
IV 終末期医療
おわりに
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