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ヒト移植臓器拒絶反応の病理組織診断基準 第2版 鑑別診断と生検標本の取扱い(図譜)
多くの組織図を説明分付きで掲載!
編 集 | 日本移植学会 / 日本病理学会 |
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定 価 | 5,720円 (5,200円+税) |
発行日 | 2009/03/27 |
ISBN | 978-4-307-20257-2 |
B5判・126頁
在庫状況 | あり |
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1997年10月に「臓器移植に関する法律」が施行され、1999年2月に我が国でも脳死臓器移植が開始された。法施行を受けて、日本移植学会と日本病理学会の協同で、臓器移植後の拒絶反応の病理診断基準を多くの移植医療に関わる医療者に広める目的として、「ヒト移植臓器拒絶反応の病理組織診断基準」を発刊した。当時は、腎臓移植施設に加えて、脳死臓器移植施設として心臓と肝臓が認可されたばかりであったので、第一歩として、腎臓、肝臓、および心臓の3臓器のみを取り上げたものとして発刊された。
その後の10年間で臓器移植後の病理診断基準については、Banff国際分類を初め、それぞれの臓器で病理診断基準の改定が行われており、特に抗体の関与した拒絶反応に関する様々な知見が増加している。また、この間に、様々な免疫抑制剤(mTOR阻害剤、各種抗体製剤など)が開発され、拒絶反応の臨床像もかなり変化している。
また、法律施行後、徐々に脳死臓器移植数は増加し、平成21年1月末現在で、80例のドナーから、心臓63例、肺57例、心肺同時1例、肝臓62例、膵臓56例(膵腎同時44例)、腎臓141例、小腸4例の脳死臓器移植が施行された。肺ならびに膵臓の移植の実施数も増加し、肺、膵臓についても病理診断基準を成書とする必要がでてきたと考えられ、第二版を発刊することになった。
本来、両学会から委員を選出し、ガイドラインを作成すべきところであるが、第44回日本移植学会学術総会で病理セミナーを開催するにあたり、急遽本書を作成することになった。各臓器移植の臨床経験の豊富な移植医と病理医を選任し、各項の記載は各々の委員に委ねることになった。第一版の構成を尊重しながら、各臓器の特徴を考慮して、本書を作成した。
また、第一版は、国内での症例数や病理標本が少ないことから、基本的に米国のそれを踏襲しなければならなかったが、この10年間の経験から各移植施設の協力を得て、ほとんどの組織図を国内の標本から作成できたのも特筆すべき点である。また、第44回日本移植学会学術総会で病理セミナーにおける執筆者の講演内容を録画したDVDが添付されており、ヒト移植臓器拒絶反応の病理組織診断をする上で、非常に役に立つものと期待される。
本書が、日本の移植医療の発展に多少なりとも貢献できれば幸甚である。
(「序」より)
その後の10年間で臓器移植後の病理診断基準については、Banff国際分類を初め、それぞれの臓器で病理診断基準の改定が行われており、特に抗体の関与した拒絶反応に関する様々な知見が増加している。また、この間に、様々な免疫抑制剤(mTOR阻害剤、各種抗体製剤など)が開発され、拒絶反応の臨床像もかなり変化している。
また、法律施行後、徐々に脳死臓器移植数は増加し、平成21年1月末現在で、80例のドナーから、心臓63例、肺57例、心肺同時1例、肝臓62例、膵臓56例(膵腎同時44例)、腎臓141例、小腸4例の脳死臓器移植が施行された。肺ならびに膵臓の移植の実施数も増加し、肺、膵臓についても病理診断基準を成書とする必要がでてきたと考えられ、第二版を発刊することになった。
本来、両学会から委員を選出し、ガイドラインを作成すべきところであるが、第44回日本移植学会学術総会で病理セミナーを開催するにあたり、急遽本書を作成することになった。各臓器移植の臨床経験の豊富な移植医と病理医を選任し、各項の記載は各々の委員に委ねることになった。第一版の構成を尊重しながら、各臓器の特徴を考慮して、本書を作成した。
また、第一版は、国内での症例数や病理標本が少ないことから、基本的に米国のそれを踏襲しなければならなかったが、この10年間の経験から各移植施設の協力を得て、ほとんどの組織図を国内の標本から作成できたのも特筆すべき点である。また、第44回日本移植学会学術総会で病理セミナーにおける執筆者の講演内容を録画したDVDが添付されており、ヒト移植臓器拒絶反応の病理組織診断をする上で、非常に役に立つものと期待される。
本書が、日本の移植医療の発展に多少なりとも貢献できれば幸甚である。
(「序」より)
1 移植病理概説
1 移植臓器の病理
2 拒絶反応の分類
3 拒絶反応の基本組織所見
4 移植病理の特異性
5 移植臓器の生検診断
1 術中生検
2 定期生検
3 エピソード生検
4 退院時生検
6 生検標本の取扱い
1 パラフィン包埋切片
2 凍結標本
3 電子顕微鏡的観察
2 腎臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 移植腎に出現する病変
2 移植腎機能障害の分類
3 移植腎病理診断の特殊性
3 生検組織の評価と取扱い
1 拒絶反応の病態
2 移植腎病理国際分類(Banff分類)の変化
4 拒絶反応の病理
1 Tリンパ球関連型拒絶反応の病理所見
2 抗体関連型拒絶反応(急性・慢性)の病理所見
5 移植腎に出現するその他の病変
1 カルシニューリン阻害薬の腎毒性
2 移植後糸球体腎炎
3 移植後感染症(特にBKポリオーマウイルス感染症)
6 おわりに
参考文献
3 肝臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 臨床症状と検査所見
2 病理医への情報提供
3 安全な肝生検
3 生検組織の適切性と取扱い
1 生検組織の適切性の評価
2 特殊染色および免疫染色の利用
3 迅速診断
4 拒絶反応の病理
1 抗体関連拒絶反応
2 急性拒絶反応(晩期急性拒絶反応を含む)
3 慢性拒絶反応
4 de novo自己免疫性肝炎、特発性移植後肝炎
5 鑑別診断
1 外科的合併
2 感染症
3 薬物性肝障害、移植後脂肪肝
4 原疾患の再発
5 その他
参考文献
4 膵臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
3 生検組織の評価と取扱い
4 拒絶反応の病理
1 正常
2 境界病変
3 細胞性拒絶
4 抗体関連拒絶
5 慢性拒絶・硬化
5 鑑別診断
1 虚血性膵炎
2 膵周囲炎
3 CMV膵炎
4 PTLD
5 細菌・真菌感染症
6 1型糖尿病再発
7 CNI毒性
参考文献
5 心臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 急性拒絶反応
2 液性拒絶反応
3 慢性拒絶反応
3 生検組織の評価と取扱い
4 拒絶反応の病理
1 液性拒絶反
2 急性(細胞性)拒絶反応
3 慢性拒絶反応
5 鑑別診断および診断時のピットフォール
1 過去の生検部位の再採取
2 “Quilty”effect
3 虚血性傷害
4 薬剤性障害
5 日和見感染症
6 腱索の採取
参考文献
6 肺移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 急性拒絶反応
2 閉塞性細気管支炎
3 生検組織の評価と取扱い
4 拒絶反応の病理
1 急性液性拒絶反応
2 急性拒絶反応
3 慢性拒絶反応
5 鑑別診断
1 感染
2 誤飲
3 器質化肺炎
4 間質性肺疾患を伴う呼吸細気管支炎
5 太い気道の炎症
6 気道関連リンパ装置
7 移植後リンパ球増殖症
8 その他
参考文献
1 移植臓器の病理
2 拒絶反応の分類
3 拒絶反応の基本組織所見
4 移植病理の特異性
5 移植臓器の生検診断
1 術中生検
2 定期生検
3 エピソード生検
4 退院時生検
6 生検標本の取扱い
1 パラフィン包埋切片
2 凍結標本
3 電子顕微鏡的観察
2 腎臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 移植腎に出現する病変
2 移植腎機能障害の分類
3 移植腎病理診断の特殊性
3 生検組織の評価と取扱い
1 拒絶反応の病態
2 移植腎病理国際分類(Banff分類)の変化
4 拒絶反応の病理
1 Tリンパ球関連型拒絶反応の病理所見
2 抗体関連型拒絶反応(急性・慢性)の病理所見
5 移植腎に出現するその他の病変
1 カルシニューリン阻害薬の腎毒性
2 移植後糸球体腎炎
3 移植後感染症(特にBKポリオーマウイルス感染症)
6 おわりに
参考文献
3 肝臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 臨床症状と検査所見
2 病理医への情報提供
3 安全な肝生検
3 生検組織の適切性と取扱い
1 生検組織の適切性の評価
2 特殊染色および免疫染色の利用
3 迅速診断
4 拒絶反応の病理
1 抗体関連拒絶反応
2 急性拒絶反応(晩期急性拒絶反応を含む)
3 慢性拒絶反応
4 de novo自己免疫性肝炎、特発性移植後肝炎
5 鑑別診断
1 外科的合併
2 感染症
3 薬物性肝障害、移植後脂肪肝
4 原疾患の再発
5 その他
参考文献
4 膵臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
3 生検組織の評価と取扱い
4 拒絶反応の病理
1 正常
2 境界病変
3 細胞性拒絶
4 抗体関連拒絶
5 慢性拒絶・硬化
5 鑑別診断
1 虚血性膵炎
2 膵周囲炎
3 CMV膵炎
4 PTLD
5 細菌・真菌感染症
6 1型糖尿病再発
7 CNI毒性
参考文献
5 心臓移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 急性拒絶反応
2 液性拒絶反応
3 慢性拒絶反応
3 生検組織の評価と取扱い
4 拒絶反応の病理
1 液性拒絶反
2 急性(細胞性)拒絶反応
3 慢性拒絶反応
5 鑑別診断および診断時のピットフォール
1 過去の生検部位の再採取
2 “Quilty”effect
3 虚血性傷害
4 薬剤性障害
5 日和見感染症
6 腱索の採取
参考文献
6 肺移植
1 はじめに
2 拒絶反応の臨床所見
1 急性拒絶反応
2 閉塞性細気管支炎
3 生検組織の評価と取扱い
4 拒絶反応の病理
1 急性液性拒絶反応
2 急性拒絶反応
3 慢性拒絶反応
5 鑑別診断
1 感染
2 誤飲
3 器質化肺炎
4 間質性肺疾患を伴う呼吸細気管支炎
5 太い気道の炎症
6 気道関連リンパ装置
7 移植後リンパ球増殖症
8 その他
参考文献