外科的気道確保マニュアル

さまざまな経皮的気道確保術の多面的な知識が身に付く一冊!

編 集 日本気管食道科学会
定 価 2,640円
(2,400円+税)
発行日 2009/10/30
ISBN 978-4-307-20272-5

B5判・74頁・図数:71枚・カラー図数:21枚

在庫状況 なし

従来、外科的気道確保の方法として、もっぱら外科的気管切開術が用いられてきた。しかし近年になり、より迅速・簡便な方法として、輪状甲状靱帯(膜)穿刺・切開、経皮的気管切開術なども広く行われるようになってきたが、それらの手技は耳鼻咽喉科以外の診療科が行うことが多く、それに伴い新たな合併症なども生じるようになってきた。その原因の一つは、喉頭に関する解剖・生理などの知識が乏しいことにあるのではないかと思われる。
逆に、喉頭の専門家である耳鼻咽喉科医は外科的気管切開術以外の経皮的気道確保術についての知識が乏しく、合併症に対する対応も困難な場合が多いのが現状である。
これらの問題を解決するためには、経皮的気道確保を担当する各診療科が本治療法について共通認識を持つことが重要である。そこで、診療領域に上気道が含まれる耳鼻咽喉科、食道外科、呼吸器内科、呼吸器外科など複数の診療科が横断的に参加する日本気管食道科学会が、甲能直幸理事長の指示のもと各科のエキスパートを集めて、これら経皮的気道確保のガイドライン作りを行うこととなった。しかし、これらの手技は新しく、まだ確固としたエビデンスがないため、現状におけるマニュアルとしてまとめるにとどめることとした。このマニュアルを通じて、さまざまな経皮的気道確保術に関する基本的な喉頭解剖、術式の適応、手術手技、合併症の予防法などについての幅広い知識を持っていただければと願っている。
(「序」より)
発刊にあたって
はじめに

I.外科的気道確保とは
 1.気道確保の方法
 2.気道緊急
 3.外科的気道確保の種類

II.頸部の解剖と生理
 1.はじめに
 2.頸部の解剖
 3.喉頭の構造と機能
 4.合併症・障害を防止するための喉頭の臨床解剖

III.輪状甲状靱帯(膜)穿刺・切開術
 A.輪状甲状靱帯(膜)穿刺・切開の手技の実際
  1.はじめに
  2.適応
  3.輪状甲状靱帯(膜)穿刺法
  4.輪状甲状靱帯(膜)切開法

 B.輪状甲状靱帯(膜)穿刺・切開術に使用されるキット
  1.種類
  2.手技

 C.輪状甲状靱帯(膜)穿刺・切開術に伴う合併症
  1.はじめに
  2.合併症各論
  3.対策

IV.外科的気管切開術
 1.はじめに
 2.適応
 3.気管切開術の基本的術式
 4.幼小児の気管切開術
 5.術後管理
 6.早期合併症
 7.遅発性合併症

V.経皮的気管切開術
 1.はじめに
 2.適応と禁忌
 3.手技
 4.利点と欠点
 5.経皮的気管切開の位置付け

付.わが国における輪状甲状靱帯(膜)穿刺・切開の現状
(アンケート結果から)
 1.はじめに
 2.対象
 3.適応
 4.実施頻度
 5.使用器具
 6.合併症
 7.カテーテル留置後管理
 8.まとめ

文献
索引